幸せのブラックホール
2018/11/20
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)
記事「個人事業主として働く」では、汎用人工知能(AGI)のイメージをシェアさせて頂きました。そこで、AGIに実装する「幸せの感覚」について触れましたが、今回はそれを深掘りします。
<記事「個人事業主として働く」より>
幸せの感覚は、ヒトは生まれながらに備えていると考えているが、それをどう表現できるのかについて今は答えを持っていない。
ただ、状態は「内と外が繋がる」と表現できる。
私の幸せの定義「本当の自分からなりたい自分になる」は、この「内と外が繋がる」の別の表現です。
もう一つ、「自己効力」、ゴール達成に対する自己評価、なりたい自分になる力、の観点からは、「実現できそう」、「実現できた」というのが、幸せの感覚。期待が高まり、現実となる。
<引用ここまで>
深掘りしたいポイントは、「幸せの感覚」のAGIへの実装です。
時間的な変化は「実現できそう」「実現できた」になります。よく考えると、この前にステップがありますね。
「実現したい」「実現できそう」「実現できた」
これは意欲→意図→実行→結果の過程です。
「幸せの感覚」はある状態になることとは別に、ある経過を辿ることにもあるのかも知れません。
周囲の環境によって幸せを感じる時と、周囲の環境に関わらず幸せを感じる時があります。
私の中でのそれぞれに共通点があります。前者はその時の周囲の環境がある状態になっていると認知することで感じます。後者はある流れの中に自分が居ると認知していることで感じます。周囲の環境によって感じる幸せを「Atype」、周囲の環境に関わらず感じる幸せを「Btype」とします。
振り返ると、私はこの2つの感覚を同時に得る確率を高めるように体験を知識技術に転換して活用してきました。
“ここでリフレクションとは、「経験を意味づけ、学びにつなげていく認知的作用のこと」を言います。デューイは、経験に直面し、反省的思考を行使する人間を、理想の人物像におきました。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.78, ダイヤモンド社, 2018)
子供の頃はAtype優位でした。Atypeしかなかったとも言えます。だんだんと、Btype優位に転換してきた感覚があります。
この転換を感じたのは、趣味に夢中になっている時でした。サッカーができることが幸せという感覚です。新薬開発ができることが幸せという感覚です。究極のplayerになるとか、究極の薬を開発するという目標、動機がBtypeを私に齎しました。
初対面のヒトとはAtypeから始まります。Atypeが繰り返されて、お互いの中に共通目的が芽生えるとBtypeが現れ始めます。
Btypeは自分一人で実現できる幸せではないので、Btypeを追求すると自然とAtypeを得る機会が増えました。
主体性。
幸せの感覚は主体性と関係がありそうです。
主体性があれば、幸せへの期待と可能性が高まります。Atypeは周囲に主体的に働きかけることで、Btypeは主体的に流れを創ることで。
主体性がヒトの思考と行動のプリンシプルで、幸せは行動にプリンシプルが反映されていることの評価基準になります。
主体性が発揮し続けられるのは幸せ。
主体性が発揮し続けられる状態が幸せの感覚と言えそうです。
次に繋がる。
「面白い」→「誰かの役にたつ」
ヒトの場合、知的好奇心を満たす活動から、誰かの役にたつ活動に転換するポイントがあります。
これは、興味の対象が自分とモノから自分と他者に移るからかも知れません。
サッカー選手も、最初は自分とボールとの関係しかありませんが、それから、ボールを取りに来た相手選手との関係、一緒になって闘う味方選手との関係をplayに組み込めるようになります。
新薬開発もこのアナロジーでした。自分が担当している新薬開発に必要な専門性の獲得から入り、専門性を発揮して医療関係者と情報交換をします。その時に十分な情報提供ができていない場合、その情報を提供して頂ける社内の専門家に支援して頂いて、医療関係者に十分な情報提供をします。
自分の体験を論理的に話すコトが知識の体系化への第一歩。
自分が何かを意図通りに扱えるようになる。
他者との関係性は、他者を理解して、自分の望みを叶えて頂けるように相手とコミュニケーションを取れるように自分自身を扱えるようになる。
これを実施できるAGIを開発しますね。
#主体性
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