コロナ以外のウィルスが身体の中で増殖する仕組み

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コロナ以外のウィルスが身体の中で増殖する仕組み#コロナ感染対策エコシステム

2020年4月26日

目的

コロナウィルス感染対策の確度と精度を高めるため、コロナウィルスがヒトに起こす変化を明らかにする。
コロナウィルス以外のウィルスで明らかになっていることを参考情報として収集する。

方法

公開された情報の収集。

コロナウィルスは呼吸器感染して血管内皮細胞と免疫細胞のT細胞に侵入する。
以下に、呼吸器に感染するインフルエンザウィルスと免疫細胞に感染するAIDSウィルスの細胞への侵入に関する情報を収集する。

インフルエンザウィルス

インフルエンザウイルスの増殖サイクル
概略を以下にお示しします。
・呼吸器と腸管にある「プロテアーゼ」によってインフルエンザウィルスが活性化する。
・シアル酸レセプターと結合。
・ウィルスが細胞内に取り込まれる。
・ウィルスのHA（赤血球凝集素）が活性化して取り込まれた細胞の膜とウィルスの細胞の膜が融合。
・ウィルスのRNAを細胞内の核に送り込み増殖を開始。
・RNAとタンパク質を大量に複製して取り込まれた細胞の膜表面に出芽する。
・取り込まれた細胞との接合部のシアル酸レセプターをNA（ノイラミダーゼ）により切断して細胞から放出。

AIDSウィルス

AIDS（後天性免疫不全症候群）とは

該当箇所を以下に引用します。
＜前期課程＞
・HIVは宿主細胞表面に発現しているCD4レセプターとケモカインレセプターCCR5またはCXCR4に結合する（吸着・結合）。
・引き続いてウイルス膜と細胞膜を融合させ（膜融合）、ウイルスのコアを細胞質に注入する。
・コアの崩壊（脱殻）に伴い、ウイルスの逆転写酵素の働きによってウイルス一本鎖RNAゲノムは二本鎖DNAに変換され（逆転写）、核内に導入される（核移行）。
・核内では、ウイルスのインテグラーゼの作用によって二本鎖DNAは宿主の染色体に組込まれる（ウイルスDNAの組込み）。

＜後期過程＞
・ウイルスDNAが宿主のRNAポリメラーゼとHIV調節遺伝子産物Tatの協調によってウイルスmRNAに転写される（転写）。
・ウイルスmRNAはHIV調節遺伝子産物Revなどの作用によって核外に輸送される（核外輸送）。
・細胞質では、Env蛋白質前駆体（gp160）、Gag蛋白質前駆体（Pr55Gag）、Gag-Pol前駆体（Pr160GagPol）が合成され、細胞膜（形質膜）に輸送される（翻訳・輸送）。
・細胞膜直下で感染性を有しない未成熟ウイルス粒子は宿主細胞表面から出芽・放出される（出芽・放出）。
・放出と同時または放出後にウイルスのプロテアーゼによって前述のGag蛋白質前駆体とGag-Pol前駆体は切断され、再構成された構造（コア構造）を形成し、感染性を獲得した成熟ウイルス粒子となる（成熟）。

まとめ

インフルエンザ・ウィルスはRNAウィルス、AIDSウィルスはDNAウィルスです。

どちらのウィルスも感染する細胞が決まっています。
それは、ウィルスの外側に飛び出しているタンパク質が感染する細胞の接着点になっているからです。
細胞側に、そのタンパク質がくっつく部分がなければウィルスは細胞にくっつけません。
細胞にくっついたら、細胞に取り込まれて、細胞膜とウィルスの外側の膜を融合します。
膜が融合したら遺伝子（RNA、DNA）を細胞内に放出し、ウィルスの遺伝子が細胞の核に取り込まれるとウィルスの遺伝子とタンパク質が複製されて、その細胞の膜から出芽して、細胞外に放出されます。

抗ウィルス薬はこの過程のどこかを阻害して、ウィルスがヒトの体内で増殖できないようにしています。