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学習の記録 ショック・ドクトリン(2015)

      2025/06/27


学習の記録 ショック・ドクトリン(2015)2024年10月27日記録開始

ナオミ・クライン著, 幾島幸子・村上由見子訳, ショック・ドクトリン(上、下), 岩波書店(2015)

#更に理解を深める学習

はじめに=Background

本著は既に、1度目の学習を終えて、その記録は公開している

1度目の学習は人類史と世界の仕組みを自分の言葉で語るためにBackgroundを豊かにするためだった。

本記録は、本著作において更に理解を深めたい箇所を学習した軌跡となる。

さらに、理解を深めたい領域は次の通り。

CIAの拷問の実態と、それが日常にどのように現れているのか?
ショックドクトリンに対して国民を無抵抗にするために実行されていることの有無。有りの場合、その実態。
私が語る人類史と世界の仕組みに含まれている構成素を説明する具体例。

成果=Output

本著の記述は「    」、私のコメントは” “、何も付さない記録は本文の要約。

上巻

序章

P.1
ハリケーン・カトリーナがアメリカ南部を襲った直後の2005年9月、ルイジアナ州バトルルージュへ赴いた私は、赤十字が設置した巨大な避難施設でジャマール・ペリーと知り合った。

ニューオリンズ選出の有名な共和党下院議員リチャード・ベーカーがロビイストに向けて語った言葉
「これでニューオリンズの低所得者用公営住宅がきれいさっぱり一掃できた。我々の力では到底無理だった。これぞ神の御技だ。」

ニューオリンズ屈指の不動産開発業者ジョゼフ・カニザーロ
「私が思うに、今なら一から着手できる博士状態にある。このまっさらな状態は、またとないチャンスをもたらしてくれている。」

避難者ジャーマルペリー
「いっそうだとか言っている場合じゃないだろう。凄まじい数の人間が死んだんだよ。そっちの方が僕にはよっぽど問題だ。こんな死に方をするなんて浮かばれないよ」

ペリーの前に並んでいた老人
「バトンルージュに来ているあの連中は一体どういうつもりだね?今がチャンスだなぞと抜かしおって。こんな酷惨状だっていうもに、あいつら、目が見えんのかね?」

子供を二人連れた母親
「いや、ちゃんと見えているでしょ。なんせ腹黒い奴らだからね。こりゃしめたもんだって思っているのよ、」

マネタリズム、新自由主義(民営化、規制緩和、社会保障の削減)の提唱者 ミルトンフリードマン、この時、93歳
「ハリケーンはニューオリンズのほとんどの学校、そして通学児童の家々を破壊し、今や児童生徒たちも各地へと散り散りになってしまった。まさに悲劇と言うしかない。だが、これは教育システムを抜本的に改良するには絶好の機会でもある。」
州政府が果たすべき役割はただ一つ、「国外の敵から、そして州外のわが同胞市民から、当州民の自由を守り、治安を維持し、民間の随意契約を強化し、市場競争を促進させること」

水害の修復や電気の復旧が遅々として進まずにいたニューオリンズだが、そのスローペースとは対照的に、学校システムの売り渡しは軍隊並みのスピードと手際の良さで推し進められていった。災害から1年7ヶ月後、貧しい市民の多くがまだ避難生活を送っていたにもかかわらず、同市の公教育システムは民間運営のチャーター・スクールへの移行をほぼ完了させていた。

123の公立校が4校に減少。
7校のチャータースクールは31校まで増加。

ニューオリンズの教職員組合の契約規定は破棄。4700人の組合員教師は全員解雇。

“この後、LGBTQの活動が学校に波及。生徒に性転換を迫る教師が現れた。生徒への教師の説得を知った保護者が怒り、抗議活動が展開された。”

本来なら被災者救済に割り当てられるべき金が公教育制度の解体と民間運営への意向に転用されていくのを目撃した公立校教師たちは、フリードマンの改革案を「教育現場の強奪」と呼んで憚らなかった。

壊滅的な出来事が発生した直後、災害処理をまたとない市場チャンスと捉え、公共領域に一斉に群がるこのような襲撃的行為を、私(著者)は「惨事便乗型資本主義」と呼ぶことにした。

P.6

2006年11月16日 ミルトンフリードマン さんは94歳で死去。
その信奉者は
・ここ数代のアメリカ大統領からイギリス首相
・ロシアのオリガルヒ
・ポーランドの財務大臣
・第三世界の独裁者達
・中国共産党の書記長
・国際通貨基金(IMF)理事
・米連邦準備制度理事会(FRB)の過去三人の議長

その戦略を30年間練り上げてきた
・深刻な危機が到来するのを待ち受ける
・市民がまだそのショックにたじろいでいる間に
・公共の管轄事業を細切れに分割して民間に売り渡し「改革」を一気に定着

フリードマン
「現実の、あるいはそう受け止められた危機のみが、真の変革をもたらす。危機が発生した時に取られる対策は、手近にどんなアイデアがあるかによって決まる。我々の基本的な役割はここにある。すなわち現存の政策に変わる政策を提案して、政治的に不可能だったことが政治的に不可欠になるまで、それを維持し、生かしておくことである。」
「新たな陣営が大改変を成し遂げるには半年から9ヶ月かかると予測される。その間にもし断固とした行動をとる機会を逸すれば、変革のチャンスは2度とやってこないであろう。」

1973年 チリ陸軍総司令官 #アウグスピノチェト さんの軍事グーデターの経済顧問
・軍事クーデターの直後、チリ国民はショック状態に
・国内も超インフレーションに見舞われ大混乱
・フリードマンさんは、ピノチェトさんに減税、自由貿易、民営化、福祉・医療・教育などの社会支出の削減、規制緩和、の経済政策を矢継ぎ早に強行するようにアドバイス
・国立学校は政府の補助金を得た民間業者の手に渡る
・かつてシカゴ大学でフリードマンから学んだ「シカゴ学派」が改革の中心に。
・以後、数十年にわたり、自由市場政策の徹底化を図る世界各国の政府が推進する「ショック療法」

経済的ショック両方に並行してピノチェトさんが採用した独自のショック療法
・数多くの拷問室
・資本主義的変革の抵抗勢力に対する拷問
・数千万人の国民を貧困に追いやる経済的ショック療法とピノチェト路線とは違う社会を願うことへの罰として数十万人への拷問
・軍事クーデター、経済改革、暴力的弾圧

30年後イラクで再現。

取材の軌跡
2005年 バクダット(米国のイラク侵攻)
2005年 スリランカ(自然災害)

CIAの元諜報員、民間セキュリティー会社カスター・バトルズ社創設者 #マイクバトルス さん(34歳)
「イラクに広がる恐怖と無秩序は、我が社に有利な将来を約束している」
「恐怖と無秩序は躍進の新たな一歩を導くきっかけになります」

1999年 世界貿易機関(WTO)閣僚会議
・大企業支配の肥大化への市民の異議が取り上げられた
・企業優遇策がIMFの融資条件に盛り込まれていた

#911事件 以降の変質
・他国に軍事侵攻した後の占領体制下や自然災害による激変の直後に(民営化, 規制緩和, 社会支出の大幅削減)強行
・世界各地の国々がそれを望むかどうかは別に「衝撃と恐怖」の軍事力を行使してアメリカ流(自主市場, 民主主義)を推進しても構わないと自己判断。

フリードマンの経済モデルのビジョンを全面展開するには独裁主義的状況が必要
1970年代のチリ
1980年末の中国
1990年代のロシア
2001年 #911事件以降のアメリカ

#911事件 以降の変化
・「惨事便乗型資本主義複合体」
・公的な資金の提供を受けた民間企業があらゆるレベルで関与するグローバルな戦い。
・テロとの戦いから国際平和維持活動、自治体の警備活動、頻発する自然災害の対処。
・複合体の中核企業(営利追求型の政府モデル, 非常時において著しく急速に発展する)
・政府の民営化

ブッシュ政権は国民に信を問うことなく慘事便乗型資本主義複合体をスタート
・政府の中枢部門、機密レベルの任務をアウトソーシング化
・兵士の医療保険サービス
・捕虜の尋問活動
・国民の個人情報収集とその「データ解析」
・政府は国家予算を投入して、新規事業の最大の顧客となる。
・セキュリティ産業が急成長。2000億ドル規模。2003年3512件→2006年8月115000件
・学校建設はユニセフではなくベクテル。
・ミシシッピの被災者は観光用クルーズ船に収容
・スーダンのダルフールへは国連平和維持軍ではなくブラックウォーター。

アメリカの軍事機構を企業の論理に追従させたネオコンの世界観
・(公共領域の縮小, 企業活動の完全自由化, 社会支出の大幅削減)
・シカゴ学派の政策を実施した国に現れた強力な支配同盟(一握りの巨大企業, 裕福な政治家階級)
・ロシアのオリガルヒ、中国の太子党、チリのピラニア、アメリカのパイオニア。
・公共領域にあった貴重な国家資産を私物化。
・大きな政府と大きな企業の境を取り払うコーポラティズム国家の誕生。
・コーポラティズム国家の特徴(露骨な監視活動, 大量の人々の監禁、市民的自由の制限, 拷問)

ジョンメイナードケインズさんとミルトンフリードマンさんとの対峙

ジョンメイナードケインズさん:ニューディール政策と近代福祉国家建設

1929年の株式大暴落後、自由放任主義は破綻し、政府は富の再分配と企業活動規制のために経済に介入すべきとのコンセンサスが広く形成。

この後、新自由主義が台頭するまで、フリードマンさんとその師フリードリッヒハイエクさんは、共同で富をプールしてより公正な社会を築こうというケインズ派とキッパリ一線を画し、純粋資本主義の灯火をじっと守り続ける。

1969年のタイム誌はフリードマンを「害悪を撒き散らす厄介者」

1975年にピノチェトさんに宛てた手紙「私が思うに、他人の金を使って善政を行う、といった考えがそもそも大きな間違い」この論に耳を傾けるのはごく少数。大多数は、政府は国民のために善政をなすべきであり、できるはずと主張。

1980年代、マーガレットサッチャーさんとロナルドレーガンさんの登場。自由放任主義を再現。
ソ連崩壊後の連邦諸国はフリードマン流革命に加わる。共産主義から資本主義に転じた中国も同様。

政治指導者は選挙で選び、経済はフリードマン流のルールに従って進める。

本著の主張

次の主張に真っ向から異を唱える。「規制なき資本主義の成功の源泉は自由にあり、歯止めのない自由市場主義と民主主義とは矛盾なく両立する。」
資本原理主義のこの形態がいかに残忍な弾圧によって育まれたか、それが政治団体及び幾万の人間の身体を痛めつけてきたかを明らかにしていく。

世界中の民の社会的共通資本を収奪するショックドクトリン
・裕福な政治家と裕福なグローバル企業の株主と経営者とのコーポラティズム同盟
・石油経済、災害関連事業、兵力供給。国民の同意を得ようとしていない。
・目標達成のために暴力がエスカレート。
・911事件のブッシュ政権は、完全な企業自由化を目指す過去半世紀にわたる運動の暴力性と創造性が頂点に達した姿。

閉鎖的・原理主義的なイデオロギーの危険性

・異なる思考体系との共存を許さない。
・多様性を嫌い、自らが完璧と信じるシステムを構築するために絶対的自由裁量権を要求する。
・今ある世界を消去して、そこに自分たちの信じる純粋な世界を打ち立てようとする。
・そのロジックは、元を辿れば聖書に書かれた大洪水は大炎上のエピソードに根ざし、不可避的に暴力へと繋がっていく。
・(ショックドクトリン)現実にはありえない白紙状態を渇望し、それを唯一の手段である大異変によって実現しようとする。

コメント”COVID19事件では、ありえない人工ウィルスによって引き起こされた。そして、遺伝子特許を取得したmRNA製剤を軍事対策品として開発し、それを医薬品としてありえないフェイクを使い、世界中の民に接種させ、健康被害を蔓延させた。

共産主義国家で実行された犯罪

ソ連時代
・飢餓に追い込まれた人々
・強制収容所での死
・暗殺
イデオロギーによる犯罪なのかスターリンさん、チャウシェスクさん、毛沢東さん、ポルポトさんの個人に起因する犯罪なのか。
ステファヌクルトワさんの著作「共産主義国書」
・国家テロリズムと呼ぶに至る大規模な抑圧を行なった張本人は生身の共産主義者たちである
教条主義的・権威主義的で多元的共存を嫌忌する共産主義理論の解釈がスターリンさんの粛清や毛沢東さんの労働改造所を生み出した。

現代の自由市場主義改革運動の犯罪

企業優遇の政治体制を導入し、維持するためにクーデターや戦争や虐殺が行われる。
1970年代のアルゼンチン、現在のイラクでコーポラティズム経済モデルに徹底して反対する者が組織的に排除される。
シカゴ学派の説く資本主義には他の危険思想との共通点(極端なまでの純粋性, 理想社会を構築するための白紙状態への希求)が認められる。
終末的規模の大災厄が起きないと自由至上主義者にとって不都合。
ショックドクトリンの信奉者たちは、社会が破壊されるほどの大惨事、洪水、戦争、テロリストの攻撃など、が発生した時のみ。真っ白で巨大なキャンパスが手に入ると信じている。

第1部 ふたりのショック博士ー研究と開発

第1章 ショック博士の拷問実験ーユーイン・キャメロン、CIA、そして人間の心を消去し、作り変えるための狂気じみた研究ー

#ゲイルカストナー さんとの面会
“「私はショックに関する本を書いています。戦争やテロ攻撃やクーデターや自然災害などか、いかに国家にショックを与えるかについてです。そしてこの第一のショックが引き起こす恐怖や混乱に乗じた企業や政治家が、今度は経済的ショック療法によって国家に2度目のショックを与え、さらにこうしたショック政治に果敢に抵抗しようとした人々が、警察や軍、刑務所の尋問官などによって三度目のショックを与えられるという、そのメカニズムを探っているのです。私があなたの話を聞きたいのは、私の推測する限り、あなたは最も大きなショックを与えられた一人だからです。電気ショック療法(ECT)をはじめとする”特殊な尋問方法”を使った米中央情報局(CIA)の秘密実験を生き延びた、数少ない生存者の一人だからです。そして、1950年代にマギル大学であなたに対して行われた研究が、現在ではグアンタナモ・ベイの米軍基地やアブグレイブの刑務所で応用されていると考えられる理由が十分にあるのです。」”

“「あなたが今言ったことは、CIAとユーイン・キャメロンが私にしようとしたことそのものです。あの連中は私を抹消して作り直そうとしたのーでもうまくいかなかったのよ」”

(カストナーさんの身体は)”背骨には細かい骨折がたくさんあり、関節炎が悪化するとひどく痛むのだという。これは脳の前頭葉に150〜200ボルトの電流を63回流され、そのたびに処置台の上で体が激しく痙攣したこと、そしてその衝撃で骨が折れたり、捻挫したり、唇が切れたり、歯が折れたりしたことの名残なのだ。”

カストナーさんは20歳より前の記憶がほぼなかった。
1992年カストナーさんはある新聞記事を読んだ。次の文字が目に飛び込んできたから。「洗脳実験 犠牲者補償へ」。記事には「赤ちゃん言葉」「記憶障害」「失禁」。
その記事にはこんなことが。
・1950年代にCIAの依頼を受けたカナダ、モントリオールの精神科医が、患者を実験台に常軌を逸した実験。
・患者は何週間も眠らされて隔離。強力な電気ショック、幻覚剤を混合した実験的薬物を大量に投与。
・患者は言語習得前の幼児のような状態に退行。
・マギル大学附属アラン記念研究所所長、博士の #ユーイン・キャメロン さんが指揮。
・情報公開によって1970年代、この実験にCIAが資金を提供していたことが明るみに。その後、何度も米国上院の公聴会が開催された。
・元患者9名が、CIAとカナダ政府を相手に訴訟。
・元患者らは軽い精神症状を訴えキャメロンさんを受診。本人には何も知らされず、承諾もなしに、人間の心をいかにコントロールするかに関するCIAの研究のマスコットにされた。
・1988年、CIAが総額75万ドルの賠償金を支払うことに、更に、4年後、カナダ政府は患者一人当たり10万ドルを支払うことに。

キャメロンさんは、人間の脳に一連のショックを与えることで、欠陥のある心を消去し、白紙状態になったところに新しい人格を再形成できると考えた。

カストナーさんは、自分が本記事の元患者と同じ体験をしたと判断した。

ショック室

カストナーさんはアラン記念研究所から全138頁の医療記録を取り寄せた。担当医はキャメロンさん。
・1950年代、18歳のカストナーさんの自由が制限され、政府や医師が権力を濫用した物語。
・当時、マギル大学看護学科の成績優秀な学生「これまではまずまずバランスの取れた人格を保ってきた」
・診断名は不安神経症。原因は繰り返し心理的虐待を行う彼女の父親。
・入院当初、カストナーさんは看護師から好かれ「明るく」「社交的」で「きちんとしている」と記録。
・入院が長くなると性格が激変。数週間後「子供じみた振る舞い、突拍子もない発言、幻覚、破滅的」
・数は六までしか数えられず、「人を操作しようとする、敵意向きだし、攻撃的」無表情で受動的、家族の顔も見分けられない。
・最終的な診断は「著しいヒステリー性の特徴を伴う精神分裂病」
・治療を逃れようとした。「出口を探す、自分は虐待されていると言い張る、注射の後、ECTを拒否」抵抗のたびにショック室へ送られた。

空白を求めて

ここではキャメロンさんを中心に、研究者が(拷問, 洗脳)の技術を蓄積したかが描かれている。
・キャメロンさんは、会長(米国精神医学会,カナダ精神医学会, 世界精神医学会)だった。1945年、ニュルンベルク裁判でナチ党副総統 #ルドルフヘス さんの精神鑑定を実施した三人の医師のうちの一人。(以下、キャメロンさんの軌跡)
・CIAが資金提供した洗脳実験の記録は多数公表されている。
・1950年代初めには当時主流のフロイトが創始した「会話療法」をやめ、「精神誘導」という患者を作り変える独自の手法を用いていた。患者の健全な行動を取り戻すため「古い病的な行動様式を破壊する」。第一段階は「脱行動様式(デパターニング)」、白紙状態に戻す。脳の正常な機能を阻害するあらゆる手段を使う。人間の心に対する「衝撃と恐怖」。(以上、キャメロンさんの軌跡)
・(以下、キャメロンさんの研究の前からあったECT)ヨーロッパと北米の精神科医の間にETCが広がる。前頭葉を切除するロボトミー手術よりもダメージが少なく効果が認められた。ヒステリーの患者の多くは症状が治り、電気ショックによって患者の意識が正気に戻る場合もあった。
・副作用があった。最も多いのは健忘。そして、退行。(以上、ECT)
・(以下、人工的に記憶を喪失させる事がもたらす状況)治療による記憶喪失は患者にとっては埋め難い空白。一方、キャメロンさんにとっては、悪しき習慣が除去され、新たなパターンを書き込むことのできる白紙状態。
・(以下、キャメロンさんが人工的な記憶喪失を治療に用いた理論的背景)1962年の論文「単に時間的・空間的イメージが消失するだけでなく、すべての感覚が消えてなくなる必要がある。この段階で患者には、他の様々な現象が現れる場合がある。例えば第二言語が話せなくなったり、自分の結婚歴も忘れてしまうなど。更に進んだ形として、支えがなければ歩けない、自分で食事ができない、大小便の失禁などがある。記憶機能のあらゆる側面が大きく阻害されるのである」
・「ページ=ラッセル法」、「デパターニング」の強力版。連続6回まで電気ショック。人格が完全消失していないと中枢刺激剤、鎮静剤、幻覚剤を使用。見当識を混乱を増強。1956年の論文「脱抑制をきたし、心的防衛を弱める事ができる」
・「完全なデパターニング」ののち、精神誘導を開始。例えば、アファメーションのテープを繰り返し聞かせる。白紙状態から患者がアファメーションのメッセージを吸収すればそれまでとは異なる行動を取ると考えた。(以上、理論的背景)
・(以下、CIAの取り組み)1950年代半ば、CIAはキャメロンさんの手法に興味を持つ。(完全隔離, 薬物や化学物質の使用)を含む特殊な尋問技術を研究する秘密プロジェクトをスタート。ブルーバード→アーティチョーク→1953年MKウルトラ。

“故 #デイビッドロックフェラー さんの #小児性奴隷の被害者、#アンナルーカス さんが受けた洗脳の技術がMKウルトラ”

・MKウルトラは、共産主義者あるいは二重スパイに白状させる新しい方法。研究開発に25000万ドル、44の大学、12の病院を含む80機関に依頼。
・1951年6月1日 モントリオール リッツカールトンホテルに3カ国(カナダ防衛研究委員会会長オーモンド・ソラント、英国防衛研究製作委員会会長サー・ヘンリー・ティザード、CIAの代表2名)が集まり会議。共産主義国の洗脳技術に対抗するために臨床研究を実施することに。西側の兵士が捕虜になった時、いかなる洗脳にも対抗できるようになることが目的。CIAの関心は新たな尋問方法にあった。
・この会議にマギル大学心理学科長ドナルドヘッブ博士が参加。感覚遮断による洗脳の仮説を実証するために秘密の実験を計画。カナダ国防相から研究資金を調達。学生の被験者63人に1日20ドルを支払い実験。何日間かの視覚、聴覚、触覚の遮断により極度の混乱と幻覚を引き起こし、一時的に著しい知的能力の低下があった。心の一部が消去され、そこに加えられた新たな感覚的刺激により、新たなパターンが書き込まれたかのようだった。

下巻

終わりに=Outcome

ごく一部の勢力が圧倒的多数から搾取して支配する仕組みを昔から作ってきた。
欧州が王政時代、領土を奪い合い覇権主義を突き進んだ。
その後、植民地主義が始まり、世は大航海時代に突入。

武力による制圧搾取から、経済による搾取に手段を移して今でも継続している。

私はこの人類史を全体主義の変遷として捉えている。

戦争好きなイギリスの王様が戦費を調達する見返りに通貨発行権を英国の銀行家に渡してしまった。
金本位制による通貨発行制度から、債務通貨による管理通貨制度に切り替わったのはニクソンショック(1971)。
以後、Goldとの兌換紙幣から、不兌換紙幣に切り替わった。

ショックドクトリンは惨事便乗型資本主義。

自然災害や戦争によって地域が荒廃した後、表向きはそこを復興する目的で法を整備して(民営化, 規制緩和, 社会保障の削減)を実行し、本当の目的である富の収奪を行う手法。1970年代の南米から始まり、2024年10月27日時点でも実行されている。例えば、ロシアウクライナ戦争のどさくさに紛れて #ブラックロック がウクライナの農地の半分を取得した。能登半島地震の後、復興が進んでいない、この先、ブラックロックの資金を投入して復興することになるかも知れない。

 - パラダイム, 論理 ,

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