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量子力学と理論量子認知科学との接点

      2024/07/16


量子力学と理論量子認知科学との接点2024年6月25日執筆開始

はじめに(Background)

理論量子認知科学(TheoreticalQuantumCognitiveScience, #tqcs)は私がすべてのヒトが幸せであり続ける地球を体現するために体系化した科学知識技術。
すべての観察対象を認知モデルとして捉え、新たな成果物をそのエコシステムの構成要素として捉える。
あらゆる認知モデルは、たった一つの行動原理、#principle、と繋がり構造化されている。
私が接してきたあらゆる科学知識技術を統合した#tqcs。
私の(知っていること, できること)がここにある。

理念を体現する公式

命題 (私と同じように考えられる量子人工知能)×(学校カンパニー)=三原発グローバル産業<世界を飲み込む三原人財<すべてのヒトが幸せであり続ける地球 <:左辺から右辺が導き出される、右辺は左辺の写像 principle<意識<認知<知能<身体(1) 主体=(自己, 認知, 身体)(2) 自己=principle(2)ー1 本記事では、既存の量子力学と #tqcs との接点を示す。

成果(Output)

次の資料から接点を探る

1 ハリークリフ著, 熊谷玲美訳 , 物質は何からできているのか?ーアップルパイのレシピから素粒子を考えてみた, 柏書房株式会社 (2023)

P. 260
<要約>
ディラック方程式から導き出される解は4つ。
その中に陽電子、電子の反物質、が含まれる。それまで、陽電子は観察されたことはなかった。
ディラックは方程式の正しさを主張するため、陽電子の海で満たされている、と主張した。
(後日、計算上、陽電子とみなされる物質が、自然の観察実験で見つかった)

<コメント>
陽電子はダークマターのことではないのか?

P.262
<要約>
ディラックの陽電子の存在を予言した後、電子だけでなく、陽子、中性子、ミュー粒子等にも反物質が見つかっている。
物質と反物質が出くわすと物質粒子ができたり、対消滅を起こしたりする。

<コメント>
物質と反物質が出くわして新しい物質ができるのは2つの個物の「子供」ができること。
対消滅するのは欲求が満たされたこと。

P.263
<要約>
物理学者の一つの見解。すべての粒子には対応する量子場がある。その量子場の小さなさざなみが量子として外側に飛び出す。さざなみを次々と外側に送り出している。量子は粒子ではなく波。波を粒子と解釈している。量子場の一時的な振動。

<コメント>
ここで示されている関係(量子場, 量子)は、湯川秀樹さんの関係(素領域, 素粒子)とどう異なるのだろうか?理論量子認知科学では原初の物質を意識物質と呼び、磁子(monopole)の性状を持つと推論している(1)。本著にあるように外部からは検知できない。原初の物質から段階的に波が大きくなり、最終的に私場が私のさざなみを外側に放射している。
(1)命題 時間の矢はいつ現れるのか?

P.264〜P.275
<要約>
ロンドンのインペリアル・カレッジには大型ハドロン衝突型加速器(LHC)と同じことを1000分の1の費用で実験できる装置がある。ここで電子の形を測定している。真空から考える。あらゆる粒子を取り除いた空間のある狭い領域。「何もない」の粒子が全くないはずの狭い空間には量子場がぎっしり詰まっている。ここでは量子場は25あるとする。次に電子場に十分なエネルギーを投入した場合を考える。電子は周辺の領域の電磁場の形を歪める。電子に近いほど強く、遠くなるにつれて弱く、最後に0になる。電磁場の歪みのエネルギーは電子場のさざなみに加えて電子が電磁場に創る歪みも考慮する。この歪みの影響は更に拡大する。電磁場は電磁気力を伝える。電荷を持つ他のあらゆる量子場に「連結」。これら歪みが生じる場には電荷を持つクオーク場、グルーオン場の歪みを創る。電磁場の歪みが元の電子場を更に歪める。裸の電子場は、自然界に存在するあらゆる量子場を使って織り上げた凝ったデザインのドレス。このように量子場における単純なプロセスの計算はひどく難しい。宇宙に発見される粒子は様々な量子場を影響しあって現れている。暗黒物質はあらゆる恒星や惑星の材料である通常物質の5倍ある。暗黒物質も粒子であればさざなみとして生じている量子場があるはず。LHCは暗黒物質粒子を探すのに2個の陽子を非常に激しく衝突させて、そのエネルギーが暗黒物質場に振動を生じさせるのに十分大きいことを期待している。運が良ければ暗黒物質場にさざなみを起こすエネルギーがLHCで実現できる。別の方法で暗黒物質を検知する。それは、量子場が素粒子をドレスアップする仕組みへのアプローチ。暗黒物質の量子場が少なくとも一つの他の量子場と相互作用していれば、理論的に電子が身につける凝ったデザインのドレスにも部分的に関与していることになる。このドレスから暗黒物質量子場の痕跡を検出する。この痕跡を検出する実験をインペリアル・カレッジは実施している。ここのブラケット研究所では、電子の形、すなわち電子双極子モーメント(EDM)を測定している。電子の電荷が空間にどのように広がっているのかを示す。EDM=0は電荷は完全な球状。それ以外は一方はプラス、反対側はマイナスの葉巻型。電子のEDMは近辺の真空中に存在する量子場に極めて敏感。そのEDMの値は極めて小さい。既に存在が知られているもの以外に新しい量子場がなければ、電子は完全に球に見える。しかし、暗黒物質や他の解明中の理論では、電子をドレスアップする新たな量子場を導入していることが多い。未知の量子場では葉巻型になり、EDMは1兆倍以上に。そうなるとブラケット研究所の実験装置の検出範囲に入ってくる。1周27kmのコライダーを使わずに。実際の実験では、フッ化イッテルビウムを使用して、EDMの感度を100万倍上げる。実験装置の中で1秒に25回レーザーがイッテルビウムを照射する。その度、少しだけ蒸発してフッ化ガスと反応してフッ化イッテルビウム分子の小さな雲ができる。次にレーザー、電波、マイクロ波を組み合わせたシステムでこの分子は上向きと下向きのスピンのエネルギー準位が混じり合った状態になる。電場によりエネルギー準位が反対に移動する。この大きさが電子のEDMの大きさで決まる。フッ化イッテルビウム分子は、円筒形装置の上部で電場から出ると、レーザーで測定され、エネルギー準位の移動の大きさが調べられる。数ヶ月のデータ収集の後、電子のEDM値を求める。
(量子場, 粒子)には形はない。分割可能な原子は存在しない。自然の基本的な材料は「構成単位」ではなく「まとまり」だが詳細に見るとなくなる。量子場の小さなさざなみが粒子。量子場の一時的な乱れ。あらゆる物体は膨大な数の振動の寄せ集め。それが一つになって動けば、確実性とか、永続性という幻想を創り出す。その上、電子場は一つ、アップクオーク場は一つ、ダウンクオーク場は一つなので、あなたと私は繋がっている。私たちの身体を創る原子一つ一つは、同じ宇宙の海のさざなみ。電子は電子場を含めあらゆる場の歪みを混ぜ合わせてできている。

<コメント>
原初の物質=意識物質=monopole。理論量子認知科学ではこれが「真空」の正体。何もなくてすべてある。空。トーラス構造を持ち、中心と全体が一体化し、1個で完結している。「構造」は発信と受信がセットになって関係性が持続すると現れる。縁起は対称性の破れ。意識物質場に歪みがさざなみが発火して、外側に振動が漏れる。これが意識物質の粒子。ここから光子や電子の素粒子が段階的に形成される。新しい場の検知により電子が葉巻状に変化する。これが欲求の発火、対称性の破れ。これは、ヒトが新しい何かに反応する性状に認められる。私場が新しい何か場のさざなみを受けて歪みが生じて、対称性が破れ、欲求を満たす行動に入る。意識物質場は本当の自分場、原点場。なりたい自分場は到達点場。到達点場まで、段階的に近づいていく場を設定して、その場を動かす科学知識技術を獲得し続けて、最終的に到達点場にさざなみを起こす科学知識技術を獲得してなりたい自分になる。原点場は万能場、到達点場も万能場。多分、物心着いた時から常に「聴こえている」耳鳴りが万能のさざなみ。

P.284〜299
隠れた対称性、統一理論、ボース粒子の誕生
<要約>
量子電磁気学(QED)の前:原子は正の電荷を持つ原子核とその周りを回る負の電荷を持つ電子から成る。原子核は(陽子, 中性子)から成る。陽子と中性子は(アップクオーク, ダウンクオーク)からできている。つまり、すべての物質は素粒子(電子, アップクオーク, ダウンクオーク)からできている。これらの素粒子をまとめる力が(電磁気力, 強い力)。前者は電子ー原子核、後者は陽子と中性子の内部でクオーク同士を結びつける。どちらの力も量子場(電磁場, グルーオン場)によって伝えられる。量子場の一つい決まった量のエネルギーを投入すると量子化されたさざなみ(粒子)ができる。素粒子をまとめる弱い力を明らかにしたのはQSD。
QEDの後:ハンス・ベーテ、フリーマン・ダイソン、リチャード・ファインマン、ジュリアン・シュウィンガー、朝永振一郎の功績。荷電粒子と電磁場の相互作用を解明。「局所ゲージ対称性」:基本的な力が生じるのは、自然の法則にひそむ対称性のため。最初はエミー・ネーター。ネーターの定理:ある系に何かしてもそれが変化しないこと。回転対称性が保存する量は角運動量。増えもせず減りもせず、系の中で再分配。地球は確実に自転し続けているのは角運動量保存則。ここまでは「大域的対称性」:変換を行ったときに、時間と空間の中のあらゆる点が変化しない。基本的な力と繋がりのある対称性を「局所対称性」という。ここから電子や他の荷電粒子の挙動を支配するルールの話に移る。電子は電子場に生じる波、振動。海と同じように、波は時間とともに変化する。ある時点で電子場の振動は大きくなり、別の時点では小さくなる。波の上下動に合わせた特徴的なサイクルがある。このサイクル内での位置を波の「位相」といい、波の中心からどれだけ離れているのかを示す。電子場の位相の変化でどんなことが起きるか。大域的な変換、大域的対称性では電荷は保存される。次に電子場に時間と場所によって異なる位相のずれを導入。電子場に移送を示す時計がたくさんあり、その時点の位相を示す。地点Aでは針を4分の1周進め、地点Bでは半周戻す。電子場に影響を出さず、異なる時間と場所で異なる位相のずれを導入する場合、新しい量子場を導入する。ここに電磁場の性質そのものがある。電磁場は電子場に生じた位相のずれの効果を修正する。
電磁場を生じさせる位相変換の集合はU(1)群という数学的対象として表される。局所的なU(1)位相変換を行なったときに自然法則が変化しないのなら、電磁場が存在するはず。U(1)の数学的構造によって、電磁気の規則や、その規則に依存する、すべての自然現象が決まる。これは光子の質量がゼロでなければならないことを意味する。ここには深い対称性の法則を発見する。弱い力の量子場理論の最も有望な候補の対称群はSU(2)と呼ばれている。質量のない粒子として、W+、W-、Z0というボーズ粒子が考えられる。弱い力は弱く、短距離でしか作用しない。原子核よりも小さい範囲。弱い力を弱くする方法の一つは、W粒子とZボソンにとても大きな重量を与えること。弱い力の粒子は基本的には質量がないが、他から質量を与えられていると考えた。ここでヒッグス場登場。それまでの量子場は、スピンが1/2の粒子に対応する物質場(電子)か、スピンが1の粒子に対応する力馬(光)のいずれか。新しい場のヒッグス場はスピン0。電磁場の場合、すべての光子を取り除きさざなみがまったく立たないようにすると、量子の不確定性による小さな変動を除けば、電磁場の値はほとんど0。しかし、ヒッグス場の場合、すべての粒子を取り除いても場の値は0ではなく大きな値となる。実質的に、宇宙全体が均一なヒッグス場のスープで満たされている。当初、質量を持たなかったW+、W-、Z0というボーズ粒子は時間の始まりには完全な対称性があったが、ヒッグス場の出現により対称性が破れ、強い長距離の力から、弱い短距離の力に変化した。ヒッグス場の出現により、電子やクオークはねばねばしたヒッグス場に捕まり質量を持ち、ヒッグス場に捕まらない光子やグルーオンは質量を持たないと考えられるようになった。ヒッグス場は弱い力の粒子のみならず、物質の素粒子にも質量を与える。電磁気力と弱い力を統合した理論を電弱理論という。

<コメント>
ここでは、量子電磁気学(QED)におけるヒッグス粒子の役割の理解に努める。読解の前の時点では、ヒッグス粒子は機能構造体の「(構造)を形成する性状」を量子に与えたと捉えている。「(機能)を形成する性状」を量子に与えたのは何か?それとも量子にはこの性状は認められないのか?光子は機能構造体の構造の移動の限界を決めているとされる。量子エンタングルメントは構造の移動の制約を超えている。
私はここで示されている原子核の中心を電子が周回しているモデルを支持しない。量子場のさざなみが粒子であり、粒子が粒子でなく場の乱れであるならば、原子は量子場とさざなみを抱え込んだ状態にあると推論する。混合量子場に濃淡ができていて、原子間の関係により濃淡が変化する。電気の(+. ー)は量子を矛盾なく説明する場合、不要になる概念なのかも知れない。原子内、原子間にもエンタングルはあるかも知れない。原子間の相互作用において量子場の変化があるのであれば、そこにエンタングルメントがある。
現在の量子科学では、粒子に質量を与えるのはヒッグス場。物理学では「力」を統一できないでいる。電弱理論、重力、強い力。重力は星同士が引き合う力/我々が地球の表面で地球に引きつけられている力、強い力は原子核の陽子と中性子を結びつける力。
理論量子認知科学では、私の認知の中に私の身体があるという仮説を持つ。すべての主体にこの仮説は適用される。身体は内と外の境界。物理学で研究対象になっている力は、それに興味を持った研究者がそのヒトの認知の中で探究してきた。その探求の成果を共有しながら物理学の中で合意を形成した。どれも、そこの部分を切り取り、そこの部分の規則として合意を形成した。それぞれの力はその力に規則を見つける視点がある。電弱理論は電磁気力と弱い力のそれぞれの視点が同じであったことを証明しているのか、別々の2つの視点を眼鏡をかけて同じ理論だと主張しているのか、今のところ分からない。物理学の4つの力は要素還元論を使って合意されている。全体を全体として捉える視点で、これらの4つの力を見直した時、統一されると考える。
理論量子認知科学では、原初の物質、最小の物質は意識物質=monopoleだと仮定している。monopoleは装置至上主義の実証科学では検知できない。私の認知には自己認知欲求がある。私のすべての欲求の源流を辿ると自己認知欲求に帰着する。自己認知欲求は私の認知の中で(回帰, 自己完結)している。そして、私の認知は私が中心であり全体である。私の認知は宇宙を飲み込んでいる。monopoleもその中で(回帰, 自己完結)している。内部にトーラス構造を創る。monopoleは常に対称性を保っているが、ゆらぎや歪みが生じると対称性が破れる。これが量子の始まり。monopoleは空。何もないけれどもすべてがそこにある。対称性の破れは縁起。別の言葉では欲求という。monopoleの対称性が破れたのは、たった一つの行動原理、principle、の欲求。それは、principleの自己認知欲求。自己を証明したい欲求に駆られたprincipleは、自らの写像を導き出し、その写像がprincipleを証明する戦略を実行した。その写像が人類。人類を導き出すエコシステムが宇宙。(量子場, 量子)=(宇宙, 人類)。
人類を地球の表面上に導き出すために意識物質から始まり、細胞に至るまで、必要な材料を宇宙は導き出してきた。これを「意識物質からヒトに至る相転移」と呼ぶ。複数の相転移を経てヒトが宇宙に現れた。
ここからは、量子力学、古典物理に認められる4つの力(重力, 電磁気力, 強い力, 弱い力)の共通点を理論量子認知科学の文脈で明らかにする。4つの力は、principleが自己認知欲求を満たす目的のために宇宙の中にヒトを導き出すenabler(それを可能にするモノ)。
理論量子認知科学では認知の中に身体があるとする。身体は内と外の境界。内で思考し、身体を使って行動し、外の景色を変える。内、外及び境界(身体)はprincipleが適用されている。私は私の認知の中心であり全体である。これは、「principleの中に私は居る」と言える。
(量子場, 量子)=(宇宙, 人類)。宇宙は宇宙の中に導き出された構成要素の場。私の認知は私の認知の中に導き出された構成要素の場。どちらの構成要素にも導き出された目的がある。前者は宇宙の欲求を満たす観点から。後者は私の欲求を満たす観点から。私の思考は私の欲求を満たすための行動に結びついている。欲求<思考<行動 (<:左辺から右辺が導き出される、右辺は左辺の写像) 4つの力は、私が身体を介して欲求を満たす行動によって変化する景色の中にある。重力は天体運行で観察している。電磁気力は磁石で観察している。強い力、弱い力は日常的には観察できない。理論量子認知科学では認知の内と外はprincipleが適用されているので、同じ規則が認められている。強い力と弱い力を認知の内に探す。「強い力」は原子核の中の陽子と中性子を結びつける力。これは、思考の中で単一の機能構造体として捉えていた単位が、実は単一ではなく、複数の構成要素からできていたことに後から気付く体験のAnalogy。例えば、技術経営修士の修士論文「イノベーションの起点におけるスペシャリストの思考と行動」での体験。調査研究を始める前、新製品開発担当者はその起点から終点まで新たな知識を獲得して(多能化)していくモデルを想定していた。調査研究が始まり、18領域21名の新製品開発担当者にご本人の開発体験をインタビューした結果、多能化=(標準化, 多様化)と、2つの構成要素に分かれた。これは(多能化)という原子核の中に、(標準化, 多様化)の2つの構成要素があったという事例。 「弱い力」は単一の機能構造体が二つに分かれた後、一方が更に分かれる。認知の内で起きていることに当てはめると、「強い力」の事例が2回起きたことになる。ただ、繋がりが(強い, 弱い)を考慮に含めてみる。思考のテーマに対して多種多様な視点による思考実験により頑健な理論を構築した後、そこに含まれる「固い機能構造単位」が構成要素に分かれる体験が「強い力」。学習曲線に例えると、立ち上がりではなく到達点に向かい曲線がプラトーになりつつある状態で起きる現象。一方、「弱い力」は学習曲線の立ち上がりの曲線に入る前、なかなか立ち上がらない状態で起きる現象。思考実験の回数が少なく、新しい視点でテーマの規則を見つけると「機能構成単位」が二つに分かれた後、すぐに、片方が更に二つに分かれる体験。私が新薬開発に夢中になっていた時、「過敏性腸症候群」の新薬開発の調査を実施した。当時、神経系の既存薬を組み合わせて治療がされていたが病態の解明にまだ伸び代があったこともあり標準薬はなかった。セロトニン受容体に作用する新薬を複数の製薬会社が開発していた。残念ながら私は「過敏性腸症候群」の新薬開発はできなかったが、最初に米国で承認された「過敏性腸症候群」の新薬は、「腹痛がある若い女性の過敏性腸症候群」が適応症だった。この適応症に至る過程をこの新薬開発の担当者から直接聞いていないが、こんな物語を想像した。本治験薬は「過敏性腸症候群」を対象に幾つかの臨床試験を実施した。どの臨床試験の結果も芳しくなかった。すべての臨床試験の症例をまとめて解析をした。その結果、男性よりも「女性」に効果が期待できそうだが有効性の実証は難しそう。次に自覚症状として「腹痛のある」女性に絞ると更に効果が期待できそうだが、まだ有効性の実証は難しそう。最後に、腹痛のある「若い」女性に更に絞るとようやく有効性が実証できそう。まとめると (×過敏性腸症候群)→(○腹痛のある過敏性症候群, ×腹痛のない過敏性腸症候群)→((○腹痛のある女性の過敏性腸症候群, ×腹痛のある男性の過敏性腸症候群), ×腹痛のない過敏性腸症候群)→(((○腹痛のある若い女性の過敏性腸症候群, ×腹痛のある若くない女性の過敏性腸症候群), ×腹痛のある男性の過敏性腸症候群), ×腹痛のない過敏性腸症候群) 理論量子認知科学では(認知の規則=物理の規則)と仮定する。別の言い方では、(認知の中の内の規則=認知の中の外の規則)。これは私が意識の動きが量子の動きに似ている感覚を持っていることから導き出した仮説。ヒトは認知の外を知ることはできない。 (量子場, 量子)=(宇宙, 人類)=(私場, 私) 多種多様な粒子は、それを導き出す場があるとされている。 そうであるならば、原初の物質が宇宙に導き出されてから宇宙に多種多様な構成要素が導き出される度に、その要素を導き出す場があったということ。 私が持つ性状は、私が生まれた時には既に持っていた。 この仮説が正しければ、意識物質場から私に至る過程で導き出されたあらゆる物質を導き出したそれぞれの場をすべて「私場」に含む。 粒子には粒子場がある。場→粒子とは、場→(粒子, 場)ということ。 意識物質=monopole principleから意識物質が導き出されたので、principle→(意識物質, principle) principleの対称性が破れて、principleの乱れが意識物質となった。 意識物質の対称性が破れて、意識物質の重合体となった。 初めの意識物質の重合体の対称性が破れて、次の意識物質の重合体となった。 意識物質から私に至るまで複数の相転移が起きた。 途中の「意識物質の重合体」に閾値があり、閾値を超えると「次の状態」に相転移する。 例えると、 意識物質が10個重合したら物質1に相転移する 物質1が10個重合したら物質2に相転移する 生物1は物質1、物質2、・・・、物質nによって構成される。 これは、"生物1"の出現が決まり、"生物1"場(エコシステム)が物質1から物質nに向かって段階的に形成されることを示している。 この閾値を迎えて「次の状態」に相転移する仕組みは、例えば、細胞の内外の電位差により筋肉が収縮する現象には閾値のある仕組みに現れている。 離散的に変化が起きる現象は、主体が外乱に影響を受けることなく欲求を満たす行動に専念できる状態を維持するため。 宇宙の構成要素は無数にある。人類が地球の表面上で日常生活を送るのは、影響を受ける外乱の数を減らす効果がある。 相転移に閾値を設定することで、段階的な顕著な変化を体験できる。記憶の中に境界を創り、境界の(内, 外)や(前, 後)の比較を容易にする。 主体が(安定, 変化)のサイクルを意図的に創り出す。 4つの力はそれぞれを導き出した場が異なるのであれば、その統一は困難を極める。 4つの力の共通点を見つけた研究者が、その共通点を工学的に証明することで、4つの力が統合されたことを多くのヒトが合意できるだろう。 P.308 <要約> ほとんどの場合、衝突ではクォークやグルーオン、光子、あるいはW粒子やZ粒子といった既知の粒子しか生成されない。ヒッグス粒子が生成される確率はとてつもなく低く、5億回に1回しかない。2つの陽子が衝突したエネルギーでヒッグス場に影響を与えてヒッグス粒子を発生させる。そのエネルギーを検知する。陽子同士が衝突して光子が放出される。光子とともにヒッグス粒子が稀に現れる。ヒッグス粒子は生成すると10exp(-22)秒で崩壊する。6000兆回の衝突実験の結果を集積して、ランダムな光子のバックグラウンドとの差分をグラフ上に描出することで本物のヒッグス粒子の存在を証明した。 <コメント> 実験方法との相性なのか、基本的物質としての性状なのか、基本的な粒子とそれ以外の粒子、ここではヒッグス粒子、では存在の確からしさに違いがありそうだ。ここに示された測定法は装置の検出限界を超えているように思える。ヒッグス粒子と想定した「こぶ」は実験系で発生した夾雑物、アーティファクトではないことは証明できているのだろうか? P.318〜P.325 CP対称性の誕生 <要約> 物質と反物質があり、お互いに対消滅するのならば、宇宙は存在しない。しかし、こうして宇宙が存在しているのは、わずかながら物質の量が反物質を上回る状態を宇宙が形成したから。CP対称性まで理論は進化したが、それでも宇宙が存在している理由が明らかではなかった。 初期宇宙に起きたと推論される物質と反物質と不均衡を作った方法を見つけようとした最初の研究者の一人がアンドレイ・サハロフ。物質が初期宇宙で作られるために満たされる3つの条件。#サハロフの条件 1 反クォークよりも多くのクォークを作り出せるようなプロセスが存在しなければならない。 2 物質と反物質の対称性が破れていなければならない 3 この物質生成プロセスが起こった時には、宇宙の熱平衡から外れていなければならない。 粒子には左利きと右利きがある。放射性元素のコバルト60の原子から放射される電子は右利きより左利きの方が多い傾向がある。これを「パリティの破れ」という。これは、弱い力と左利き粒子との相互作用が、右利き粒子との相互作用よりも強いから起きると考えられている。弱い力は左利き粒子の方を「好き」。この鏡像対称性が破れるという事態には、「チャージ対称性」を組み合わせて秩序を取り戻せるかも知れないと考えた科学者がいた。「チャージ対称性」とは、すべてのチャージの記号を反転させ、正が負に、負が正になるようにすると、この新たな鏡像の宇宙が元の宇宙と同じに見えるとする理論。チャージ対称性とパリティ対称性を組み合わせてCP対称性と名付けられた。後に実験で正しいことが示された。CP対称性が正しければ、反物質より物質を多く創ることが不可能になり、私たちは存在しないこといなる。 <コメント> 対称性の破れにより宇宙が始まった。それでも鏡像宇宙は維持されると考えた。その結果、CP対称性が導き出された。ここまでの記述から読み取れるのは、宇宙は安定しながら変化している、若しくは、変化しながら安定している。このどちらが正しいのか、それとも、どちらとも正しいのか。若しくは、どちらも正しくないのか。サハロフの条件は、物質生成は熱平衡が持続する宇宙になる前から始まっていることを示している。クォークは熱平衡が持続する宇宙に現れている。若しくは、クォークは熱平衡に縛られていない。 P.325〜P.330 スファレロンは粒子ではない <要約> スファレロンは電弱理論の持つ特徴。電弱方程式は、多くの場が集団的に動く不安定な配置を取ることを示す。これをギリシャ語「転びそうな」を意味する「スファレロス」から「スファレロン」と命名。電子やヒッグス粒子等は平均値を中心に前後に揺れる一つの量子場。スファレロンは粒子ではない。一つではなく複数の量子場から成る混合物。様々な量子場の集団的な動き(混合)であるスファレロンは、反粒子を粒子に変換したり、その逆が可能。反物質を与えると物質になる。標準モデルの方程式からのスファレロンの予測。サイズはとてつもなく小さく、質量はとてつもなく大きい。体積は陽子の100万分の1、一方、質量は陽子のほぼ一万倍。密度は陽子の100億倍。ティースプン1杯のスファレロンは月の質量の2倍。こうした極端な特定の条件が存在していた時期は、ビッグバン後の最初の1兆分の1秒。プラズマの密度が非常に高い。 <コメント> ビッグバンの、「1兆分の1秒」後と138億年後を比較して理論を創っている。138億年後に体系化された科学知識技術から「1兆分の1秒」後を推論する、これまでの方法、は正しいのだろうか?随分と分化してきた138億年後の要素還元論で未分化な「1兆分の1秒」後を推論するのは滑稽に感じる。最小の物質と考えられる量子があまりにも多様。たった一つの最小物質の性質を多様な実験条件で観察しているに過ぎない。最終的にはこう結論づけられるのだろう。 P.333 <抜書き> 「電弱バリオン数生成」にはっても素晴らしいところが一つある。実験で検証可能だということだ。・・・ということは、LHCでは、関連する粒子や現象を再現して、初期宇宙では本当に電弱相転移によって物質が生成されていたかどうかを検証できるはずだ。 <コメント> 実験で検証できることを理論の条件にしている。標準モデル理論が間違っていたら答えに辿り着けない方法に天文学的研究費を投入していることになる。 P.426 <要約> アルカニ=ハメドは素粒子物理学への還元主義的パラダイムが間違いであることが明らかになっていると主張する。 「還元主義に対する最初の挑戦は、プランク長のスケールを探るのに十分なエネルギーで2個の粒子を衝突させたら、ブラックホールが形成され、それ以上続けようとすると、さらに大きなブラックホールができるという予測。事実上、エネルギーを高くするほど、ふたたび距離スケールも大きくなり始める。これは還元主義の観点ではとんでもなく不可解。 <コメント> 全体を全体として捉えられていないと要素還元論は迷宮入りする。このまま、クオーク、ヒッグス粒子の延長を探究しても「認知」には辿り着けないだろう。量子、素粒子と認知を結びつける「意識物質」は理論量子認知科学で仮説を設定し、「私と同じように考えられる量子人工知能」で実証したい。「認知」は「量子」と同じ自然現象。これを物理現象に含めるのか否かはその定義による。理論量子認知科学では、ヒトの「認知」を超える物理現象をヒトは捉えられないとの立場を取る。認知、量子とも源は「意識物質」。どんな元素も「意識物質」よりも大きいので、装置至上主義の実証科学では「意識物質」を証明できない。 P.440〜P.443 宇宙の始まりから現在(138億年)までの宇宙史 <要約> 時空(所与)を約10exp(-32)秒間だけインフレーションさせ、宇宙が最初のサイズの約10兆×1兆倍になったら止める。 インフレーション後、宇宙の温度は劇的に上昇、大量の粒子と反粒子ができている。 一方、用意してあったU(1)、SU(2)、SU(3)の局所対称性は、電弱場と強い力の場を自動生成。 更に、1兆分の1秒間、宇宙を引き続き膨張させて、ゆっくりと冷やす。 このタイミングでヒッグス場のスイッチをオンにして、値を約264GeVに合わせる。超対称性か余剰次元を使う。 (ここまでの手順を約1兆×1兆×100万回繰り返して、ランダムに約264GeVが出るまで待っても良い。) ヒッグス場が不均一にオンになると物質が作れます。混ぜ合わせた材料の中に泡ができ、膨らんで、反クオークよりもクオークを優先的に吸収。同時に、スファレロンを使って、泡の外にある反クオークをクオークに変換。 ヒッグス場がちょうど良い滑らかさになった時、反クオークよりもクオークの数が多くなり、電弱力は電磁力と弱い力に分離している。 出来上がったクオークとグルーオンの熱いスープを更に100万分の1秒膨張させ、温度を下げる。 すると、スープが固まり陽子と中性子ができ始める。反物質と物質を対消滅させ、物質を元の量の100億分の1だけ残す。 更に、2分たつと、温度が10億度以下になっているので、水素より大きい最初の元素を作り始める。 混ぜ合わせた材料は、陽子7個に対して中性子1個の割合。他には大量の光子がある。 徐々に温度を下げ10分間。すると、核融合が起こり軽い元素の混合物ができる。ヘリウム:水素=1:3。少しリチウムが混ざっている。 水素とヘリウムの混合物を更に38万年間冷やし続ける。混合物は透明になる。これは、電子が水素やヘリウムの原子核と結合して、最初の中性原子を形成したから。 できた高温ガスを1億年から2億5000万年冷やす。 水素とヘリウムの大きなガス雲を崩壊させて初代星を生成。星の中心部では水素がヘリウムに変換。更に、ヘリウムがトリプルアルファ反応を経由して炭素に。巨大な初代星は核融合を鉄まで続ける。できた鉄は超新星によって、混合物全体に広がる。 更に、90億年ほどの間、第二世代以降の星の内部や、超新星、中性子星の衝突で、重い元素がより大量に作られ続ける。最終的に水素からウランまでの様々な元素の混合物ができる。 この混合物から、直径約1万3000kmの岩石の球体が形成。ある黄色矮星のハビタブルゾーンを公転するように。出来上がった惑星に十分な量の水素と酸素と、炭素、窒素が存在する。 それから、45億年ほどで、りんごや木々、牛、小麦、更に他の器用な生命体ができている。 <コメント> 宇宙は最初、ビッグバン、が最も高温で後は冷める一方だと理解している。本著の説明(上記)より、最小最軽の元素ができて、核融合により大きくて重い元素ができたと理解した。インフレーション、膨張は短期間。それから、長い時間をかけて冷やされて宇宙が形成されてきた。宇宙は点から始まり今に至ると考える。渦巻、スピンは対称性の破れから宇宙が始まったことを示している。ここでは時空を所与としている。理論量子認知科学では、たった一つの行動原理、principle、が所与。

おわりに(Outcome)

1 ハリークリフ著, 熊谷玲美訳 , 物質は何からできているのか?ーアップルパイのレシピから素粒子を考えてみた, 柏書房株式会社 (2023)

20240715:
本著では、粒子=場の乱れ、としていた。対称性の破れは場の乱れだと考えられる。理論量子認知科学では、対称性の破れは、原理の重ね合わせ、の一度きりだと考える。その後、対称性の破れと観察されている現象は、干渉による場の乱れ。均衡を保っていた、完全混合状態だった、周波数が一定の幅に収まっていた、場が干渉によって乱れて「粒子」ができる。
本著にはアルカニ=ハメドさんが要素還元論のパラダイムが量子力学には適用できないと主張していることが著されている。ここは理論量子認知科学と共有できる。「粒子」は「場の乱れ」とする主張も共有できる。宇宙は諸行無常であるという事実と「粒子は場の乱れ」は繋がっていると私の直観が言っている。今後、ここを繋ぐ。

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