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学習の記録 入門 現代の量子力学(2021)

   


学習の記録 入門 現代の量子力学(2021)2024年7月31日執筆開始 8月21日脱稿

堀田昌寛, 入門 現代の量子力学, 講談社(2021)

はじめに=Background

堀田昌寛さんの著作。堀田さんが旧Twitterでツイートをされていた量子力学に関する投稿に質問していた。その質問に丁寧に回答をして頂いた。回答への理解を更に深めるための学習。
本著を学習して、次のテーマへの理解を深める。
1 量子における時間発展とは
2 量子には時間の矢はないとして、時間の矢が現れる境界面は
3 意識物質がmonopole、磁子、である可能性

成果=Outcome

講読を進めながら特記事項を記録する。情報源からの引用は「     」とする。私の記録は”    ”とする。

第1章 隠れた変数の理論と量子力学

1.1 はじめに
アインシュタイン「神はサイコロを振らない」 この言葉に込めたアインシュタインさんの意図を私は直接本人に確認していない。これは量子力学における推論の規則性を表現している。規則的な推論はできないということ。量子には時間は流れず、構造はない。電子には大きさがないとされている。大きさがないということは構造はない。構造はないのでそもそもサイコロのような構造物は存在しない。サイコロ等、古典場にある構造物を例えにして量子における規則性を論じる設問は素直な理解を妨げる。隠れた変数の理論は機能構造体に対して適用できる。量子は機能構造体ではないので隠れた変数理論は適用できない。量子コンピュータではQPUの外乱によって計算が安定しない。量子力学の教科書に載っている実験は、実験条件が外乱によって変化していることを前提に理論を導き出しているのか?

1.2 シュテルン=ゲルラッハ実験とスピン
P.5「量子と言う言葉は、磁気モーメントのZ軸成分などの物理量に最小単位があり、その単位の整数倍の値しか観測されないという現象を表現するために作られた用語である。」これが、「粒」を連想させたと記述してある。離散的に変化が起こることを示していると理解した。離散的に変化が起こると言うことは、個物一つ一つに相から相に向けて転移の幅があると言うこと。これは、個物が関係を持つ対象が複数ある時、個物対個物と言う部分ではなく、個物を含む全体で変化が起こることを示している。この性状が複雑な構造を持つ個物が一定の方向に向かって変化を起こす現象を引き起こす。離散的な性状は結節点や構造に繋がる。
量子:磁気モーメントのZ軸成分などの物理量に最小単位があり、その単位の整数倍の値しか観測されない現象を表現する。
二準位スピン系:電子や陽子も二つの状態を持つスピン自由度を有する。

P.7 式(1.2)、(1.3)の確率を足すと1になるのか?

磁気モーメントって何?
「磁気モーメント(じきモーメント、英: magnetic moment)あるいは磁気能率とは、磁石の強さ(磁力の大きさ)とその向きを表すベクトル量である。外部にある磁場からもたらされる磁石にかかるねじる方向に働く力のベクトル量を指す。」
外の磁場により内の磁場に起こる変化をベクトルで表示

1.3 隠れた変数の理論の実験的な否定
量子ゆらぎ

「量子力学は素朴実在論ではなく、実験データとそこから読み取る情報だけを扱う情報理論」
チレルソン不等式が理論的に成り立つ。

第2章 二準位系の量子力学

2.1 測定結果の確率分布
任意の単位ベクトルにより、量子状態が定まる。
“主観と意思決定前後の状態との関係に似ている。この間に公式がある。”
状態を決定するスピンの期待値
“スピンの期待値は感覚で、状態は意思決定前後の状態”
P.19の脚注*13の記述「量子状態は状態準備をしたその観測者が行う物理量測定の結果を予想する確率分布の集まりに過ぎない。」
“限定合理性を示している。その時の私の意思決定前後の状態は、その時の私の結果を予測する確率分布の集まりである。”
P.19の図2.1 ブロッホ球は二準位スピン系の量子状態を表している。
“ブロッホ球の内側に、平面(x,y)を”今ココ平面”、z軸を(原点, 到達点)を設定する。トーラス構造の内側の球半径rが(個物身体)、外側の球半径Rが(共同体身体)

2.2 量子状態の行列表現
エルミート行列、パウリ行列
複素数は絶対値を利用する。
密度行列、密度演算子

2.3 観測確率の公式
固有ベクトル
“振動数”
ボルン則:密度演算子ρから物理量σの観測確率を直接計算できる

2.4 状態ベクトル
状態ベクトル 固有値は0か1
“(空, 完全混合)=(0, 1)”
状態空間、純粋状態、規格化条件
“状態空間が場、状態ベクトルが乱れ、純粋状態は場の乱れが生じる状態、規格化条件は量子が現れる条件”
確率振幅
“量子が現れ確率”

2.5 物理量としてのエルミート行列という考え方
量子力学では物理量はエルミート行列になる。
固有状態、遷移振幅、遷移確率

2.6 空間回転としてのユニタリー行列
二準位スピン系では任意のユニタリー行列がスピンを空間回転させる物理操作に対応している→物理的に実現可能な他の純粋状態が作れる

2.7 量子状態の線形重ね合わせ

2.8 確率混合

第3章 多準位系の量子力学

“理論量子認知科学では「多準位系」は常に「主体対客体」の関係にあると考える。A, B, C, Dの粒子があった場合、(A, (B, C, D)), (B, (A, C, D)), (C, (A, B, D)), (D, (A, B, C))ととらえる。例えば、Aは、(B, C, D)の混合場と相互作用をしていると仮定する。Aが見落としていたEを隠れ変数と言う。”

3.1 基準測定
基準測定は反復可能性を満たす。繰り返し同じ測定結果になる。

3.2 物理操作としてのユニタリー行列
“基準測定のk番目の結果に対応した状態ベクトル|k>

3.3 一般の物理量の定義

3.4 同時対角化ができるエルミート行列

3.5 量子状態を定める物理量

3.6 N準位系のブロッホ表現
密度演算子ρを期待値λの実験データから決めることを量子状態ともグラフィーと言う。

3.7 基準測定におけるボルン則

3.8 一般の物理量の場合のボルン則
“多準位系で個々の量子の物理量を測定する場合、すべて同じ観測条件であることはどのように証明されているのか?N-1個の量子をすべて同時に測定していないと同じ条件で測定したことにならないのでは?この場合、個々に測定した物理量を科学的に比較できないのでは?”

3.9 ρの非負性

3.10 縮退
エルミート行列Λの固有値Λ(k)がすべて異なる場合、Λには縮退がない。

3.11 純粋状態と混合状態
“純粋状態と混合状態は何に対して?”

第4章 合成系の量子状態

4.1 テンソル積を作る気持ち
テンソル積は、物理的に独立した量子系が複数ある時、その合成系全体を記述する。

4.2 テンソル積の定義

4.3 部分トレース

4.4 状態ベクトルのテンソル積

4.5 多準位系でのテンソル積

4.6 縮約状態

第5章 物理量の相関と量子もつれ

5.1 相関と合成系量子状態
“量子力学は要素還元論で進歩して来たのか?ここまでの内容で全体を全体として捉えている公式はどれになるのか?”

5.2 もつれていない状態
古典通信と局所操作により物理量に相関のないAとBに新たな相関を創ることを古典相関という。
直積状態には相関は全くない。
“P.70にはどんな結果にもなり得る状態が示されている。
分離可能状態では、AとBの物理量に相関が生まれている。

5.3 量子もつれ状態
量子もつれ状態は、直積状態から決して作れない量子状態。
直積状態ではない場合、量子もつれ状態となる。
二つの二準位系の最大量子もつれ状態((A, B)=(+1, -1))は多数存在する。これらは全てベル状態と呼ばれる。

5.4 相関二乗和の上限

量子もつれを使えば古典力学では実現しない物理量の間の強い相関も達成できる。

第6章 量子操作および時間発展

6.1 はじめに
N準位系は空間回転、外部電場や磁場、他の量子系との相互作用と、様々な物理操作が可能。全ての物理操作は対象系と外部系の合成系の状態空間に対するユニタリー行列で記述できる。ここからシュレディンガー方程式が導かれる。

6.2 物理操作の数学的表現
Γは物理操作を示す。量子通信路という。量子状態を変える。
“量子状態を認知状態と仮定する。Γは認知状態を操作する。操作は認知の外から行う。入力を意図的に変える。新たな気づきが記憶の構成要素の関係性を変える。推論する。探索的に、検証的に、帰納的に、演繹的に”
確率混合された量子状態:ρ=pρ1+(1-p)ρ2
“推論エンジンの表現系。ρ1とρ2を設定するのが推論エンジン。今の認知状態を示す。 示されている公式はベイズなのか?達成確率p、達成状態ρ1、未達成状態ρ2。”
Γの物理操作の結果得られる状態を考え、その状態で任意の物理量Oを測定
“推論Γの結果得られる達成条件を考え(観)、その条件を満たすゴールを設定する(像)”
アフィン性:Γの定義を広げられる
“認知においてアナロジー, メタファーが可能であることを示す。関係性概念が拡大することを示す。”
トレース保存性
“認知状態は変化しても繋がっている、変更管理、記憶、する。”
完全正値性
“記憶には構成要素があり、新たな体験とは無関係の要素は上書きされることなく記憶に残る。新たな体験により記憶は減らず増えるばかり。”
トレース保存完全正値写像(Γのこと)
“Γはアフィン性、トレース保存性、完全正値性のmap(写像)。時間反転の離散状態は写像に含まれないとある。これは記憶に残らないということか、それとも、それまでと繋がった記憶ではなく、繋がらない記憶、対象を説明できない未知の記憶、どうしてそんなことをしたのか、どうしてそんなことが起きたのかを説明できない記憶と考えられる。類型化、次元を揃える、関係性概念の変更管理”

6.3 シュタインスプリング表現
Γは量子状態Sと補助系Aの合成系をユニタリー行列を使った式になる。
この式ではユニタリー行列に対応する物理操作の後、Aを無視してSだけの縮約状態をAの部分トレースで求められる。
“補助系AはSとどんな関係があるのか?単なる二準位系であることを示すのか?Aの部分トレースだけでSだけの縮約状態を求められることにはどんな良いことがあるのだろう?”
クラウス演算子(行列)の集合がクラウス表現(式6.8)のΓの集合に一致する。
「特定の少数の物理操作が実験で実現できれば、その操作の繰り返しで、任意のユニタリー行列Usaに対応する物理操作が任意の精度で実現できることは示されている。」
“過去に試したやり方の中で上手く目的を達成した方法を繰り返し使う認知モデル。”

6.4 時間発展とシュレディンガー方程式
P.84
「古典的解析力学の正準方程式では時間発展はジュール(J)などのエネルギー単位を持ったハミルトニアンHで生成された。量子力学は古典力学を極限として含むべきであるため、その古典力学との対応が見やすくなるように、時間×エネルギーという作用の単位を持つ定数hを導入して、・・・」
“時間×エネルギーの単位はどういう発想から出て来たのか?量子が「ヒトが意識と呼んでいる存在」の濃淡であるならば、そこには時間の矢がない。時間の矢がない場に時間という概念を持ち込んでいるから間違っている、もしくは、先に進めないという可能性はないのか?宇宙が量子状態を経由してできたのであれば、その期間は非常に短い。宇宙の中に導き出された我々人類は時間の矢の中に身体をおいている。途中で相転移を起こす(原点, 到達点)では、原点はpush outで始まるが、その後は、pull inで相転移して行く。我々が観察可能な自然の量子状態は、古典物理からの pull in によって変化する。”

その系のみが純粋状態のまま時間発展する。この場合、その系のことを孤立系と呼ぶ。

シュレディンガー方程式:「状態ベクトルの時間発展を決める基礎方程式。」、「特定の自国に状態ベクトルを与えれば、他の任意の時刻の状態ベクトルがこの方程式によって一意に決定される。」、「量子力学ではエネルギーの原点は物理的なものではなく、人間が選べることを意味している。」、「実験で物理的に観測されるのは、原点の取り方に依存しないエネルギー差だけである。」

ユニタリー操作:「孤立系の純粋状態を保つ物理操作」

時間順序指数関数行列

基底状態:「ハミルトニアンの最小固有値E0に対応する固有状態」
第一励起状態:基底状態の次に大きなハミルトニアンの固有値
ハミルトニアン固有値=エネルギー固有値
エネルギー準位:エネルギー固有値の小さい方から順に並べたもの。
“ハミルトニアンはエネルギーを扱う。エネルギー=意識、であるならば、ハミルトニアンは意識を扱う。すなわち、認知を扱えることになる。”

6.5 磁場中の二準位スピン系のハミルトニアン
「二準位スピン系全体の物理操作は、適当な外部磁場を適当な時間だけかけることで実現できる。空間回転と同様に、量子ビットとしての二準位スピン系では、磁場を加えることでもあらゆるユニタリー行列に対応する物理操作が達成できる。」

6.6 ハイゼンベルグ描像
ハイゼンベルグ描像:時間発展を量子状態ではなく物理量のエルミート行列で示す理論形式
ハイゼンベルグ演算子、ハイゼンベルグ方程式
シュレディンガ描像:量子状態の時間発展を考える理論形式
シュレディンガ演算子
“シュレディンガの時間(t)の定義は?古典物理の時間とは異なる定義なのか?”

6.7 対称性と保存則
「任意の純粋状態」への物理操作におけるハミルトニアンの期待値が「任意の純粋状態」における期待値と一致する場合。ハミルトンは対称性がある。さらに、ハミルトニアンとエルミート行列が交換可能となる。この時、ハイゼンベルグ演算子は時間変化しない。従って、物理量の期待値も時間依存しない。この時、物理量は保存されると言われている。物理量の保存則。物理量が保存するときは必ず対称性がある。
“物理量は保存されると言われている、これは、証明できていないということか?ハミルトニアンとエルミート行列との関係を知りたい。”

第7章 量子測定

7.1 はじめに
理想測定、射影測定
量子測定

7.2 測定の設定
量子測定は物理操作。系の情報を読み出す。
量子状態ρにあるミクロな対象系Sとマクロな測定器系Dを考える。Sの状態空間をNs、Dの状態空間をNDとする。プローブ(Dの一部)がSとある時間だけ相互作用し、ρがどんな状態なのか、どんな特徴を持っているのかDの内部に取り込む。Sとの相互作用が切れた後、D内部でSの微弱信号を増幅してマクロに区別できる量子状態に記録される。それをDの基準測定で同定し、最終的な測定結果の確率分布を得る。Sのρを変化させると、Dの測定結果の確率分布も変化する。こうしてDの測定結果からρの情報を読み取る。

Sの初期状態を純粋状態とする。Dの初期状態。相互作用前はSとDは直積状態。相互作用後はユニタリー行列により両者もつれ状態となる。この相互作用が測られていない他の物理量への撹乱を起こす。Dを測定すると量子もつれを起こしたSとDの相関、Sの情報を読み取れる。

7.3 測定後状態
SとDの相互作用の後、合成系の量子状態はρSD。すぐにDで物理量Mを測定。Mのエルミート行列M’、固有値m、固有状態|Um>。
D測定直後、Sの物理量Oを測定。Oのエルミート行列O’、固有値On、固有状態|n>
SとDは異なる量子系なので独立に測定できる。
射影仮説を唱えたのはフォンノイマンさん。対象となる系で物理量を測定すると、その物理量のエルミート演算子の固有値のどれかが観測され、その系の状態ベクトルはその固有値に対応する固有ベクトルになると考えた。
射影仮説を公式にしたのが小澤正直さん。ボルン則と確率の結合則から公式を導出。
(量子状態の収縮, 波動関数の収縮)は、S系の量子状態ρが測定によって別な量子状態ρ(m)へと変わること。
「そもそもρや|ψ>は物理的実在ではなく、様々な物理量を測定した時の確率分布の集合を一つの数式で表現しているものに過ぎない。量子状態の収縮は確率分布の収縮であり、測定によって系の知識が増加したために、情報としての確率分布が更新されただけである。
量子測定には3段階ある。
理想測定:S系でのボルン則から計算されるOの確率分布が正確にD系の測定結果の確率分布に一致し、同時にS系の測定後状態が|a>になる。
正確な測定:理想測定と一致する部分はあるが、測定後状態は|a>になるとは限らない。
一般測定:確率分布に誤差が入り、S系の測定後状態も|a>に一致するとか限らない。

7.4 不確定性関係
量子ゆらぎの定量化
物理量Aの量子ゆらぎはAの観測値の標準偏差。
ロバートソンの不等式:量子力学では全ての物理量が確定的な値を持つ量子状態ρは存在しない。
不確定性関係:量子ゆらぎはどれかの物理量に残り、その物理量の値は不確定になる。
“量子状態は確定しない。宇宙は諸行無常。”

小澤不等式
「物理量Aの測定誤差と、その測定によって起こされる物理量Bの乱れ、つまり擾乱に対する一般的な関係が知られている。」
「ある量子状態ρにあるN準位系Sの物理量Aを測定機Dで計測する。」
「観測される物理量Mに対応するハイゼンベルグ演算子・・・誤差演算子を定義する。これは、測定器の読みであるMの値と測定前の物理量Aの差の誤差とみなす思想からきている。」
「仮に誤差演算子が固有値0を持っていて、その観測確率が1で、他の非零の固有値の観測確率が0ならば、誤差のない測定となる。」
これらの前提条件からAの誤差を示す公式(7.25)が導き出される。
さらに、Bの擾乱を示す公式(7.26)が導き出される。
そして、小澤不等式(7.27)が導かれる。
ここから位置測定をする小澤の不等式(7.28)が導きだされる。
「位置の量子ゆらぎΔxと運動量の量子ゆらぎΔpを有限に保ったままAの誤差=擾乱=0とすることは不可能。」
量子力学への批判論文ERPに対して、小澤不等式は正確な反論を提示し、量子力学の正当性を保証する。

「測定後状態と測定結果の確率分布を計算可能にする測定演算子の集合は、一般測定の集合と等価」
「物理量の量子揺らぎはその観測値の標準偏差で定義され、二つの物理量の間ではロバートソン不等式が成り立つ」
「一つの物理量の測定誤差とその測定が起こす他の物理量への擾乱に対しての普遍的な不確定性関係が存在している(小澤不等式7.27)」

第8章 一次元空間の粒子の量子力学

“理論量子認知科学では、粒子は場の乱れと仮定する。最初の場の乱れは #principle の乱れ。principleが自己認知欲求を発火した。この欲求を満たす物語は #身体 を持たないprincipleが身体を持つことから始まる。身体を持つと時間の矢が現れる。量子はprincipleが身体を持つまでの相。原点はprinciple。身体にはエコシステムがある。自らを導き出したエコシステムの中で身体が活動する。宇宙はprincipleの自己認知欲求を満たすためのエコシステム。”

8.1 はじめに
「ここからはN→∞極限で記述される、一次元空間を運動する粒子を論じていく。」
「N→∞では固有値が無限個になるだけでなく、連続的に分布する固有値も可能になる。このおかげで粒子の連続的な空間座標自由度も双発してくる。」
「物理量に対応したエルミート行列は、座標微分を含むことができるエルミート演算子へと格上げされる。」
「理想測定を持たない物理量が存在するなど、有限次元では起き得なかった様々な側面も出てくる。」

8.2 状態空間次元の無限大極限
「N準位系の状態空間はN次元の複素ベクトル空間」
(生成演算子, 上昇演算子) & (消滅演算子, 下降演算子)=昇降演算子

8.3 位置演算子と運動量演算子
エルミート演算子
「換算プランク定数hは作用の単位を持つ。したがってこの作用の単位を持つhと長さの単位を持つLという定数から、h/Lという運動量の単位を持つ定数を作れる」
位置演算子
運動量演算子
「数学ではN→∞極限の位置演算子と運動量演算子は、エルミート行列を拡張した自己共役演算子という概念で整備されている」
「無限次元空間でも、自己共役演算子はスペクトル分解できる」
「全ての状態ベクトルにおいて自己共役演算子に対応する物理量の確率分布も数学的に定義できる」
自己共役演算子=エルミート演算子
「任意の物理量に対応するエルミート演算子が存在する」

固有値の連続性
「有限のNでは離散的な固有値しか現れなかった理論のN→∞極限では、位置演算子は離散無限個ではなく連続無限個の固有値を持つ」
「運動量演算子の固有値も任意の実数となる」

連続的な固有値を持つ固有ベクトルの規格化条件
「一般に固有値が連続無限個ある場合には、対応する固有ベクトルは普通に規格化できなくなる。・・・これを実現するためには普通の関数の枠を超えた超関数という数学概念に属するデルタ関数を考える必要が出てくる」

位置表示の波動関数
「<ψ|ψ>=1で規格化された状態ベクトル|ψ>に対して、位置表示の波動関数をψ(x)=で定義」
波動関数の規格化条件
「(8.28)式の規格化条件は、全空間で粒子を探せば、必ずどこかに粒子が見つかることを意味している」
“空間は場。場が粒子を導き出すのか、粒子が場を導き出すのか。それとも同時なのか。”

8.4 運動量演算子の位置表示
位置表示の不定性
ゲージ変換
空間一次元では常に磁場はない。
固有関数
直交性と完全性
運動量表示の波動関数
「これまで<ψ|ψ>=1を満たす量子状態|ψ>に対して、位置表示の波動関数ψ(x)=を説明してきたが、同様な運動表示の波動関数ψ(p)=も存在する」
「位置表示の波動関数と運動表示の波動関数はフーリエ変換で結ばれている」
「(フーリエ変換は)量子力学の見方では、位置演算子の固有ベクトルから作る位置表示の波動関数と、運動量演算子の固有ベクトルから作る運動量表示の波動関数を結ぶ、基底ベクトルの変換の一例」

8.5 Nの固有状態の位置表示波動関数
「有限だがいくらでも大きくできる正整数Λによって正則化された波動関数も・・・ある有限空間領域の中で非零の値を持ち、その領域の外では零に向かって急速に減衰する局在性を持っている」
「なおΛは任意の正整数で良いので、ψΛ(x)の形で書かれる関数は二乗可積分な関数空間であるヒルベルト空間の中に稠密に分布している。従って、状態空間Sの中の状態ベクトルに対応する波動関数は、ψΛ(x)によって任意の精度で近似できる。

8.6 エルミート演算子のエルミート性
「エルミート演算子の定義には、内積に関するエルミート性をエルミート演算子が満たすだけでなく、さらに関数論の意味でのエルミート共役演算子の定義域がエルミート演算子の定義域に一致することも含まれている」

8.7 粒子系の基準測定
「運動量の固有ベクトル|p>の位置表示の波動関数は空間全体に広がる平面波」だから現実には測定不可能。
しかし、近似的な理想測定の代わりになる基準測定はある。
運動量の基準測定
「粒子の運動量の場合では、ある極限で理想測定に漸近する基準測定を考えることができる。基準測定には離散的に区別できる正規直交基底が必要である」

正規直交基底

「正規直交系とは,大きさが1であり,互いに直交するベクトルの集まりを指します。また,正規直交基底(完全正規直交系)とは,正規直交系で,かつ全てのベクトルがそれらを用いて表現可能なことをいいます。」

粒子の状態空間の正規直交基底を成す位置表示での波動関数は速い振動に遅い振動のsin関数が重なる、うなりをともなった波が距離の逆数で減衰していく振る舞いを示している(図8.2)。
ある量子状態の典型的な運動量に比べてξ(運動量分布の幅)をずっと小さくすると広い空間領域で規則性を示すようになる。位置表示の波動関数は運動量演算子の固有関数に比例するようになる。基準測定のξ→0極限は、測定後状態に関しても運動量の理想測定の性質を再現できる。この時、位置表示の波動関数は規格化条件を満たしている。
“この説明は粒子が自己再帰的に規則性を示すようになる、ということなのか?”

有限感度の運動量演算子
「現実の実験装置で測定値の感度領域が決まっている場合の運動量測定をモデル化」

位置の基準測定
「運動量の場合と同様、位置表示の波動関数を持つ基底ベクトルを用いれば、nεを有限値xεに固定しながらのε→0と|n|→∞の極限で位置の理想測定に漸近する基準測定も作れる。」
「この基準測定では<ψ|ψ>=1を満たす状態における波動関数ψ(x)=を使って、幅εで中心がx=nε
となる空間領域に粒子が見つかる確率が式(8.74)」
「素粒子の実験観測でしようされる霧箱や泡箱実験は、実用上は粒子の位置と運動量の基準測定の一種」

8.8 粒子の不確定性関係
「|x, p|=ihを満たす粒子の量子力学の場合、位置と運動量の量子ゆらぎに関するロバートソン不等式は、ケナード不等式になる。測定に関する不確定性の小澤不等式は(7.28)、同様に位置と運動量の誤差に関しては(8.80)。」
「A粒子と量子もつれをする外部系としてのB粒子を用意すると、ε(xA)=ε(pA)=0が極限として可能となっている。XAもpAも同時に誤差なく計れるのだから、A粒子は位置と運動量の二つの属性を同時に持てるのではないかと、ERPは量子力学を批判した。しかし普通に量子ゆらぎの△xAと△pAが有限ならば、ε(xA)=ε(ρA)=0となる測定は存在しないことを(8.80)は示している。」

“1次元は線。原点と到達点を結ぶ。その間に起こる(個物身体)と(共同体身体)との相互作用の起点と終点は複素数としてプロットできる。”

第9章 量子調和振動

9.1 ハミルトニアン
「粒子の運動を見越して、その質量mと、運動の速さを特徴づける角振動数の単位(つまり時間の逆数の単位)を持つωを導入」
「エネルギー固有値に下限があることは、系が熱平衡に達するという熱力学的な安定性から要求される。」
ハミルトニアン 式(9.1)は量子的な調和振動子を記述するモデルだとわかる。

調和振動子
「力とポテンシャルの関係に従う式(4)では、安定点からのずれ(x)に比例する復元力 を表し,古典力学でフックの 法則として知られているバネやゴムによる力と同じ形である.そして,この結果生じる運 動は調和振動子という名で知られている.」

「量子的な調和振動子は、多くの複雑な系に弱い線形的刺激を与えた時の普遍的な振る舞いを記述する」
「最低エネルギー状態を基底状態と一般に呼ぶが、今の調和振動子の場合はn=0の|0>が基底状態であり、その固有値はhω/2となって非零」
古典論では零の最低エネルギー値が量子論ではhω/2(零点エネルギー)。

9.2 シュレディンガー方程式の位置表示

9.3 伝播関数
シュレディンガー方程式に従い量子状態は時間発展する。その計算に伝播関数を用いる。

第10章 磁場中の荷電粒子

10.1 調和振動子から磁場中の荷電粒子へ
「磁場中の荷電粒子の量子力学は、質量mと角振動数ωを持つ二つの調和振動子を考え、テンソル積を使ってその合成系の状態空間を構成することで得られる。」
ハミルトニアンから導かれるハイゼンベルグ方程式

10.2 伝播関数
「波動関数は変わらないが、ハミルトニアンが瞬間に変わる。電磁ポテンシャルの時間依存性からデルタ関数的な電場が生じて、その電場から粒子に余分な運動量とエネルギーが与えられることが解析からわかる。波動関数は変化しなくても、座標原点から遠い場所お荷電粒子ほど、この電場から瞬間に多くのエネルギーをもらう。

第11章 粒子の量子的挙動

11.1 自分自身と干渉する

11.2 電場や磁場に触れずとも感じる
アハラノフ=ボーム効果「量子力学的な荷電粒子は、自分がいる場所に電場や磁場がなくても、離れた場所にかかる電場や磁場の影響を受ける。」
周期境界条件

11.3 トンネル効果
「量子的な粒子は、自分が持っているエネルギーよりも高いポテンシャル障壁の超えて、その向こう側にする抜けることができる。」
“電流は入力側に電子1個が入ると出力側から電子が1個出てくる。電線には電子が詰まっている。それとトンネル効果は違うのだろうか?すり抜けたのではなく反対側から写像が押し出された。ポテンシャル障壁のポテンシャルって何?”

ポテンシャル障壁
“系が変化する過程では,しばしばポテンシャルエネルギーの大きな状態を通る必要がある.この状態を障壁になぞらえてポテンシャル障壁という.ポテンシャル障壁の高さは,系の通過する状況を幾何学的に描いて,その原子配置のポテンシャルエネルギーを計算することによって得られるが,系の変化が電子の移動によるときはもちろん,原子の移動による場合でもトンネル効果を考慮する必要がある.”

反射率と透過率
反射率+透過率=1
“壁から音が伝わり反射する現象と同じなのか?量子は壁に吸収されないのか?トンネル効果は粒子1個では起きないのか?1個が透過すると反射しない。1個が反射すると透過しない。”
規格化されない波動関数を用いた定式化
“N個の粒子として考えている。波が壁にぶつかり反射と透過に分かれることと同じなのか?入射の粒子がそのまま透過していることをどのように証明したのか?反対側に出てきた粒子は入射した粒子の写像ではないのか?この場合、起きている現象は入力→吸収→伝導→発火→出力”
確率流

エネルギー固有関数とその導関数の連続性
「エネルギー固有関数と導関数の連続性を満たす」

矩形ポテンシャル障壁による散乱
ある空間領域に確率密度が集中してまとまる波束

11.4 ポテンシャル勾配による反射
「量子的粒子はポテンシャル勾配があるだけでも反射が起きる。」
“超音波は水中で温度差があると反射する”

11.5 離散的束縛状態
「量子的な量子がポテンシャルに束縛されると、そのエネルギー固有値は一般に離散的になる。それは波動関数の振動領域を有限空間に閉じ込めるため、エネルギー値に直結する振幅の山と谷の数が整数個となる特別な条件が必要だからである。」
“離散的束縛状態は自然現象として確認をされているのか?それとも人工的な現象なのか?思考の枠組みは離散的束縛状態”

(奇関数, 偶関数)

11.6 連続準位と離散準位の共存
「量子調和振動子ではすべてのエネルギー固有値は離散的であった。ところがV(x→±∞)=0となるポテンシャルでは、離散的エネルギー固有値を持つ束縛状態と、連続的エネルギー固有値を持つ散乱状態が共存できる。」
「束縛状態のエネルギー固有値を離散準位、粒子の散乱状態のエネルギー固有値を連続準位と呼ぶ。」

第12章 空間回転と角運動量演算子

12. 1 はじめに
「物理量に対応するエルミート行列から連続的な実数パラメータを持つユニタリー演算子が作られる。逆にユニタリー演算子が与えられればエルミート行列も読み取れる。」
「たとえば空間回転に対応するユニタリー操作から量子的な各分同僚のエルミと演算子が定義される。」

12.2 二準位スピンの角運動量演算子
スピンの回転

スピン演算子の代数
「スピン系の空間回転の操作からユニタリー行列を生成するエルミート行列が定義できる。」

12.3 角運動量演算子と固有状態
量子的角運動量の一般論

角運動量の昇降演算子

最大重み状態

角運動量の量子数
(方位量子数, 磁気量子数)

12.4 角運動量の合成
「二つの系の量子的な角運動量ベクトルの合成を考えよう」

既約表現と可約表現
既約表現:任意の空間回転操作は状態空間の一つ状態ベクトルから様々な状態ベクトルを生成するが、それらのベクトルが張るベクトル空間は元の状態空間に一致する。
元の状態空間と一致しないのは可約表現。角運動量のベクトルを合成すると可約表現となる。

角運動量合成における展開係数
クレブシュ=ゴルダン係数

テンソル積と直和構造

二つの二準位スピンの三重項状態と一重項状態
(三重項状態, 一重項状態)

軌道角運動量
軌道角運動量演算子

昇降演算子と最大重み状態

角度自由度の波動関数

同次関数としての固有関数
原点中心でのテーラー展開=マクローリン展開

「マクローリン展開を用いると,一般の関数f(x)を多項式で近似できます。そして,その多項式は,fのx=0における高階微分係数から定まります。」

マクローリン展開の応用例まとめ
「マクローリン展開が応用できる代表的な場面です:
A:無限級数
マクローリン展開は関数を無限級数で表示する公式なのでそれを逆手に利用してやれば,無限級数を指数関数や対数関数などで表示することができる場合があります。
B:不等式評価
無限級数を途中で打ち切ったものは近似になります。近似ということは不等式がらみの問題で威力を発揮します。
C:極限
近似も極限を取れば等式になるので極限に関する話題でも有効です。
D:関数を無限級数展開
マクローリン展開の本来の使い方ですが,無限級数展開するためには n 回微分係数を求める必要があるので応用できる場面が限られます。

最大重み状態の球座標表示

最大重み状態から導かれる固有関数
球面調和関数

球面上のラプラス演算子と球面調和関数
球面上のラプラス演算子

角運動量の合成と最大重み状態

まとめ
「三次元空間中の粒子の軌道角運動量演算子の固有関数は球面調和関数になっている」

第13章 三次元球対称ポテンシャル問題

13.1 はじめに
「ここでは動径座標だけに依存するポテンシャルの中を運動する場合を考える。」

13.2 三次元調和振動子
「三つの一次元調和振動子の状態空間をテンソル積すると、三次元調和振動子の状態空間が作れる。」

13.3 球対称ポテンシャルのハミルトニアン固有値問題

13.4 角運動量保存則
「角運動量演算子は空間回転の生成子出会った。このため空間回転対称性を持つハミルトニアンでは、角運動量は時間に依存しなくなる。これを角運動量保存則と呼ぶ。」
「二準位スピンを持った量子状態は、空間自由度の部分状態空間とスピン自由度の部分状態空間のテンソル積で作られる状態空間の元である。」
アインシュタイ=ドハース効果
バーネット効果

13.5 クーロンポテンシャルの基底状態
ボーア半径
最低エネルギーは有限値に留まる

まとめ
「三次元球対称ポテンシャル問題は球面調和関数を用いて一次元のポテンシャル問題へと簡略化できる。」

第14章 量子情報物理学

14.1 はじめに
「量子力学は確率理論に基づいており、そこで扱われる物理量の確率分布には様々な情報が書き込まれている。」

14.2 複製禁止定理
「純粋状態は完全状態と呼ばれることがある。それは純粋状態にあるS系は外部の量子系Aと相関を持たないという性質からきている。そしてその外部系Aは、宇宙の果ての未だ知られていないどんな物理系でも構わないのである。」
「A系をあれこれ測定してもS系の|Ψ>に書き込まれた情報の一部すら決して読み取れないことが量子力学の原理レベルで保証される。つまり純粋状態は情報管理庫として完全なのである。」
複製禁止定理「純粋状態に含まれる情報は特別な場合を除いて複製が作れないことが知られている。それは保管庫である純粋状態自体の複製が一般的には禁止されているからである。」

純粋状態
「扱う系について原理的に可能な限りの情報が既に得られている場合の状態」

「重ね合わせでできている純粋状態に含まれる情報には、そのコピーを許さない強いアイデンティティがある。」

14.3 量子テレポーテーション
「離れたところにいるアリスとボブが持つ量子系が量子もつれを有しているならば、たとえ未知の純粋状態でも、アリスはその中身を知ることなくLOCC(Local Operations and Clasical Communication)だけでボブにその情報を送ることが可能である。これを実現するプロトコルが量子テレポーテーションである。」
「量子テレポーテーションの実験もすでになされており、また複数の量子コンピュータを繋ぐ並列計算ネットワークの漁師情報通信に利用する等の、多様な工学的応用を視野に入れた研究も進んでいる。」

14.4 量子計算
「量子力学では、どんな量子系でも、任意のユニタリー行列が原理的には実現可能な物理操作に対応することを前提にしている。」
「少数種類のユニタリ操作さえ実現可能であれば、その操作の繰り返しで任意のユニタリー操作が任意の精度で実現できることが保証される。」

回路型量子計算
「量子コンピュータは、D個の量子ビット系を並べて、量子的な線形重ね合わせを利用しながら、多様な計算を実行できる量子デバイス」
「量子計算では量子ビットの合成系がなす量子もつれ状態に情報を記憶させて、その計算処理を(2のD乗)次元ユニタリー行列で行う。量子論理ゲートもしくは単に論理ゲートと呼ばれる少数の基礎的なユニタリー行列だけが物理操作として実現できれば、それを組み合わせて繰り返し使うことで、任意の(2のD乗)次元ユニタリー行列の実装が望む精度で実現可能となる。このような量子ゲートを用いた量子コンピュータは、回路型と呼ばれる」
ソロヴェイ=キタエフ定理:(2のD乗)次元ユニタリー行列が巨大になったとしても、基礎的な一体系量子ゲートと一つの二体系量子ゲートを適当な順番で組み合わせて施せば、理論上(2のD乗)次元ユニタリー行列は任意の精度で再現できる。
(アマルゲート, 位相ゲート, π/8ゲート)
「制御NOTゲートを有限回数繰り返しかけると、任意の精度で(2のD乗)次元ユニタリー行列が近似されるというものである。制御NOT演算子はCNOTゲートとも呼ばれる。制御NOT演算子は操作命令の情報が書かれている制御量子ビットと、その命令された操作が実行される目標量子ビットの二つの量子ビットに作用する。」
「制御量子ビットが|0>の状態の時には目標量子ビットには何も操作せず、制御量子ビットが|1>の状態のときは目標量子ビットには式(14.12)のユニタリー行列をかけるNOTゲートになっている。」
「NOTゲートは0→1、1→0とビット値を反転(フリップ)する操作であるため、フリップゲートとも呼ばれる。

<図14.3 量子テレポーテーションの量子回路図>

「量子計算では設計通りのユニタリー操作の高精度実装が達成される必要があるが、普通は外部の環境との相互作用のために、それは完全にはできない。そのためD個の量子ビットの初期状態を純粋状態にとっていても、途中の外部環境系との相互作用によって混合状態へと劣化してしまう現象が起きる。これをデコヒーレンスとよぶ。このデコヒーレンスは量子コンピュータと外部系の間の量子もつれ生成のために発生し、状態重ね合わせによるコンピュータ内の干渉効果を弱くして、計算エラーを引き起こす。」
エラー訂正機能の実装は研究中

「量子系でも量子ゲートの考え方は使える。その系の任意のユニタリー行列は、(3.11)式のように状態空間の特定の基底で定義される二準位ユニタリー行列の掛け算で書けるからである。そして格二準位ユニタリー行列は二準位スピン系での空間回転に対応する特定の二つのユニタリー行列を量子回路として組みわせていく掛け算で、いくらでも正確に近似できる。」

測定型量子計算
「あるクラスの量子もつれを持っている多数の量子ビット系、またはそれと同等な量子系を利用する。そのいくつかの部分系を測定し、その測定結果に応じて次に測定する部分系を決定し、そして測定する物理量を選ぶことを繰り返すだけで、希望する量子計算ができる方法」

まとめ

第15章 なぜ自然は「量子力学」を選んだのだろうか

「量子力学は、隠れた変数の理論よりも強い相関を持つ。興味深いことに、量子力学以外にも、隠れた変数の理論よりも強い相関を持つ数学的な理論は無数にあることが知られている。その多数の可能性の中から、なぜ自然界は量子力学という特別な物理法則を採用したのかという問題は、現代物理学の最先端研究の重要なテーマの一つになっている。」

15.1 確率分布を用いたCHSH不等式とチレルソン不等式

15.2 ポペスク=ローリッヒ箱の理論
「量子力学を理論的に導くための指導原理の一つになり得る情報因果律という考え方」

ビット値をとる変数の導入

箱(ボックス)の理論

無信号条件

ポペスク=ローリッヒ箱

情報因果律
「無信号条件を満たしながらチレルソン限界を超える箱では、情報因果律というタイプの相対論的な因果律を破ることが知られている。飽くまで無信号条件を課す前提では、これは情報因果律を満たす箱はチレルソン限界を常に満たすという意味でもある。一方、量子力学を用いて作られる箱は、常にチレルソン限界を満たしていることも知られている。」
「量子力学では、一般に無信号条件と情報因果律は破れていないことが知られている。この意味で、量子力学は強い相論的因果律を満たす局所的な理論と言える」
“ボブとアリスも身体が振動していて、その振動は宇宙のどこかでキャッチできるというのが量子エンタングルメントの主張。勿論、量子も振動している。なのに、わざわざ機械を持ち出して機械のボタンを押すという行為を実験モデルにしている。情報因果律の限界は、量子ゆらぎのレベル。だから限界値が4と出ている。”

ポペスク=ローリッヒ箱の強さ

“現在、量子力学で確立されている様々な理論はすべて人工的なモデルから導出されている。量子の振動そのものが情報として量子から離れたところに伝わっている。宇宙空間に量子が現れた途端、どこかでその情報が検知されている。この仮説を否定する理論があるのであれば知りたい。”

自己評価:学習の目的を達成できたか?

1 量子における時間発展とは
→ よく分からない。宇宙のはじまりの仮説では一瞬のうちにすべてが起こったとする主張がある。その瞬間を現代人が観察していたとすると、突然、そこに現れた感覚なのだろう。インフレーションの後、ビッグバンが起きたとする主張はあるが、それを確かめようがない。古典場を到達点としてprincipleが発火して量子場を経由して古典場が現れた。時間は被造物。我々は自己の身体性を手段に古典場の慣性の法則を捉えている。研究者が物理現象に規則性を見つけられるのは自己の身体性を手段にしているから。観察対象の変化の起点と終点を設定して、その変化を起こしている規則を推論して実証する。ところが、量子場に対して研究者は自己の身体性を持たない。私が確認した範囲では自然現象としての量子場の変化を捉えてその起点と終点を設定して、その変化を起こしている規則を推論して実証している研究者はいない。量子の動きは直感に反する。この言葉が出てくるのは、この言葉を使うヒトが量子場の観察対象の起点と終点を設定できていないから。量子場に対して自己の身体性を持たなければ不可能。わざわざ実験道具を作って実験条件を設定して高額な研究費を投入しなくても、自己の身体性は認知の中にある。#認知は両芝で変化している。先人が量子場に時間という言葉を持ち込むから今に続く混乱がある。

2 量子には時間の矢はないとして、時間の矢が現れる境界面は
→ 古典場があることを所与として考察する。量子場の海に古典場が浮かんでいる。もしくは、量子場の海中に古典場が泡のように浮かんでいる。私があなたの体を抱きしめていたとしても二人の間には量子場リッチな状態。そもそも私の身体も意識物質の視点からはスカスカでそのスカスカ部分が量子場で満たされている。量子エンタングルメントにより自己が変化を捉えた瞬間から時間の矢が現れる。

3 意識物質がmonopole、磁子、である可能性
→新たな機能への欲求が発火して構造が現れる。主体の身体は意識物質の重合体。因果には中心と全体がある。因果評価の実態は中心に回帰する帰納的推論を完結した全体を演繹的に推論しながら定める。因果評価とは中心と全体を定める推論そのもの。monopoleの意識物質が外部と繋がり、トーラス構造を創る。principleから量子場ができて、というか、principleの欲求が発火した途端、古典場ができた。古典場はprineipleの欲求を満たすエコシステム。古典場にprincipleを張り巡らせるのが量子場。場の乱れが粒子。この仮説は、粒子を中心に場ができた可能性を否定していない。我々の身体は意識物質で充填され、量子場に浮かんでいる。

“主体は2種類の身体を持つ(個物身体, 共同体身体)。(個物身体)は(共同体身体)の構成要素。(個物身体)は(共同体身体)から導き出された。(個物身体)は(共同体身体)との相互作用によりprincipleを感じる。さらに、予測誤差を最小化する欲求が発火すると、principleを探究し始める。意図した通りの未来の体現に向けてprincipleの探究は続く。やがて、個物身体も共同体身体もprincipleからできていることに気づく。意図した未来を体現する活動を継続した先にprincipleを扱える主体となる。”

“principleの欲求が発火してできた宇宙はその身体が体験即記憶を続けている。宇宙は中心からトーラス構造を形成し、常に、外側に向かう流れがある。その中心の引力に影響を受ける。中心から遠ざかるにつれて引力の影響が低下して外側に向かう流れが加速する。バッフル球は観察者を中心にできる。すなわち、地球から観るバッフル球と天王星から観るバッフル球は異なる。バッフル球は相対論。”

おわりに=Outcome

私が量子物理に興味を持ったのは、高校の時、ヒトのたった一つの行動原理を見つけることができるかもしれないと思ったから。以後、該当しそうな情報に出会ったときにその内容への理解を深める努力をしてきた。
著者の堀田昌寛さんにはXを通じた対話がある。堀田さんの投稿内容が私が知りたいことだったから。堀田さんに「物理量」は本著に定義してあるとお聞きしていたが見つけることができなかった。
量子情報学という学問領域がある。堀田さんは、量子力学そのものが量子情報学だとお考えのようだ。
私が理解した量子力学から、私の意識の動きが量子の動きに似ていると感じていた。
今では、私の認知は量子場であると考えている。量子場に古典場が浮かんでいる。宇宙も星が古典場、それ以外は量子場。宇宙は私の認知のAnalogy。

私の役割は「これまでの流れの延長で量子力学を体系化」することではない。理論量子認知科学に量子力学の科学知識技術体系を組み込み、たった一つの行動原理、principle、を世界中に普及することにある。
誰もが幸せを求めて活動している(主体)。それが争いの元になるのは、principleを知らないから。
principleを知れば(嘘, 独り占め)が不要になる。
主体=(自己, 認知, 身体)(2)
主体=機能構造体(自己認知欲求を満たす, 原点から到達点に向かい情報処理を行う)(2)ー1
自己=principle(2)ー2
認知=変換装置(觀, 像)(2)ー3
身体=(個物身体, 共同体身体)(2)ー4
(嘘, 独り占め)は(個物身体)と(共同体身体)との関係を悪くする。最悪の場合、そのヒトを悪魔崇拝者にする。

公式(2)を実装した「私と同じように考えられる量子人工知能」を開発して、三原を量子人工知能のメッカにする。
これは、私が三原を中心に、世界中のヒトと人類のソフトランディングの物語を歩む、#三原発グローバル産業 になる。

 - パラダイム, 人工知能 ,

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