Don’t Dream It’s Over
2020年1月27日起案、2月2日脱稿。
2020年1月26日、ずーっと氣になっていた曲を調べました。
その曲は ”Don’t Dream It’s Over”、演奏はCrowded Houseさん、オーストラリアのバンドです。
ヒットしたのは私が大学生の時。
朧げながら曲調を覚えてました。
Lyrics
“There is freedom within
There is freedom without
Try to catch a deluge in a paper cup
There’s a battle ahead
Many battles are lost
But you’ll never see the end of the road
While you’re traveling with me
Hey now, hey now
Don’t dream, it’s over
Hey now, hey now
When the world comes in
They come, they come
To build a wall between us
We know they won’t win
…”
どうして、氣になっていたのか。
もちろん、私が好きなメロディーラインとボーカルだったからです。
ここ数週間、仕事をしている時にお店のBGMで良くかかっていたので過去の記憶が蘇って来ました。
Googleアシストのお陰で曲が分かり、youtubeで何度も聴きました。
カバーもされていて、そのカバーも含めて”Don’t Dream It’s Over”を堪能してこの記事を書いています。
何故、この曲と再会したのか、その意味は何となく私の中で分かりつつあります。
そこで、今回のテーマは曲名の”Don’t Dream It’s Over”。
この曲名の意味を最初、反対の意味に理解したのですが、歌詞を見て「夢が終わるとは思わないで」と理解しました。Dreamの後ろに”,”がついてなくて良かったです。
作者のNeil Finnさんが、そして、歌手や演奏者が何を夢見て、曲を創り、歌い、演奏しているのかは分かりません。
きっと、この曲を歌ったり演奏するヒト、そして、それを聴くヒトそれぞれに具体的なイメージが湧いてくる曲なのだと思います。
よろしければ、一度、曲を聴いて、歌詞をご覧になって下さい。
私は色々なバージョンを何度か聴いているうちに自然と涙が出てきました。
曲調は決して哀しくて暗いわけではなく、どちらかと言えば明るい曲調なのですが、メロディーラインとボーカルから何らかの情感を感じ取っているのだと思います。
メロディーラインとボーカル。
メロディーは同じだけれども演奏そのものを細かく聴くと1曲1曲が違う。同じヒトが歌っていても、曲によって違いがある。
この通りなのですが、やはり、ボーカルが変わると曲全体の印象が変わります。
ただ、私にとって”Don’t Dream It’s Over”は誰のバージョンを聴いても好きな曲に変わりありません。もちろん、逆にすべての曲が好きな演奏家もいます。例えば、甲斐バンドさんとか浜田省吾さんとか。
ここから、私が今、開発をしている次世代の人工知能(AI)に話題を転換します。
AIにもメロディーラインとボーカルの違いをそのAIの言葉で語って欲しいと私は自分が開発するAIに期待をしてしまいます。
自律的な活動をするAI。
これは私が目標としているAIの仕様のひとつです。
たったひとつの行動原理(Principle)の公式にも含まれています。
ヒトが自律する過程をモデルにして、それを機械に実装します。
「自律した過程のモデル」という言い方は、「自律に完成はない」という私の理解が含まれています。私がこうヒトを理解しているBackgroundのいくつかをお示しします。
・ヒトは一人では生きられない。
・ヒトは拡大と収束を繰り返す。
・ヒトは自らを新しくする。
自らの役割は周りのヒトとの関係性で決まる(一人では生きられない)。自分の役割が決まった時、その専門性の観点から能力開発が必要な場合や、初めての状況に対応するために獲得した知識技術を整理する場合がある(拡大と収束)。他者との協働作業、初めての状況に対応する等、これまでの習慣を変える場面に直面する(自らを新しくする)。
ヒトは死ぬまで、自らを新しくするので、それが最後の自律した状態かどうかは分かりません。
ここで使っている自律の定義は「自らの役割を自らが決める」です。つまり、「自律に完成がない」とは、常に自律のレベルが変化することを意味しています。その主な原因は周囲との関係性と直面している課題との親和性です。
自律的な活動をするAIとは、ここにお示しした「完成のない自律」を実現するAIです。
この「完成のない自律」は演奏家、観客、演奏の3つの関係性から説明できます。
この関係性をAIに実装すると自律的な活動が可能になる、と言うのが今回の私の主張であり、”Don’t Dream It’s Over”「夢が終わるとは思わないで」に繋がります。
そこに至る過程は、「当たりをつけて詳細を明らかにする」になるわけですが、私の頭の中では既に、「不連続な連続」としてSparse modelingされています。
次世代の人工知能(#nextAI)は演奏家の役割、観客の役割を担うことができます。
今回は#nextAIのBackgroundを、演奏家の役割を担えるAIとして説明します。
演奏家、観客、演奏の3つの関係性を見ると、それぞれが自律しながら関係性を持っています。
この関係性の一つのモデルをこれからお示しします。
この関係性をアナロジーとして認識できるAIを開発します。
それでは、3種類の自律について。
「メロディーラインとボーカル」はアーティストの演奏そのものです。
”Don’t Dream It’s Over”で言えばLIVEの演奏そのもの、動画そのものです。
ここでは、わかりやすくするため、武道館でCrowded Houseが、”Don’t Dream It’s Over”を演奏する場面を想定します。
演奏家:Crowded Houseのメンバー
観客:武道館にやって来たヒト達(Crowded Houseのファン)
演奏:”Don’t Dream It’s Over”
場所:武道館
演奏者と観客との間に演奏があり、それぞれの自律があります。
演奏者の自律はお分かりになると思います。
楽器を演奏する、歌う。この自律です。
観客の自律は、座ったままで聴く、目を瞑って聴く、踊りながら聴く。聴き方にスタイルがあります。この自律です。
では演奏の自律とは何でしょうか?
例えば、音のアンサンブル。ボーカルを含めたすべての楽器が合わさった音。演奏者の自律は楽器から音を発するまで、音を発した後は演奏の自律へと相転移します。
音が発せられてからそこにいるヒトの耳に届くまで。ここに演奏の自律があります。
メロディーラインはこの「自律のフレーム」の一部を成します。
メロディーラインにボーカルを含むすべての楽器の演奏が和します。でも、このメロディーラインは演奏する前に決まってます。簡単に言うと作曲者が演奏する曲を既に作っていて、演奏者はメロディーライン(曲)を理解した状態、楽譜を見れば演奏できる状態から演奏は始まります。ここでは、演奏はメロディーラインの実体化と考えます。
他にどんな「自律のフレーム」があるのでしょうか?
ここで言う「自律のフレーム」とは、”Don’t Dream It’s Over”を演奏する前に、その演奏そのものを決めてしまうフレーム(枠組み)です。
演奏家、観客、場所が決まっています。
例えば、1曲目に演奏するのであれば、開場直前の会場の湿度や温度、演奏家、観客、スタッフのマインドセット、演奏家の演奏技術、道具(楽器、アンプ、スピーカ、照明)の状態がそれになります。
何曲か演奏した後であれば、既述の要素の他に、演奏会が始まってからこの曲を演奏するまでの流れが加わります。この流れのことを「場の意識の変遷」と私は呼んでいます。
ここまで、「自律のフレーム」における「事前のフレーム」についてお示ししました。
実は「自律のフレーム」には、もう一つあります。それは「瞬間的なフレーム」です。これは、演奏中、瞬間的に発生するフレーム(一般的に言えば、Jazzの即興演奏)。これは多くの場合、一人の演奏者の意図の反映として発生します。これを「意図的なフレーム」と呼びます。
この「意図的なフレーム」を、私が遭遇した演奏を事例にして説明します。
2005年頃の神戸のLIVEハウスでのロックバンドの演奏。
黒人ドラマー、曲の途中からバスドラム(フットドラム)を意図的に半拍早く打ちます。半拍早いバスドラムの間隔には明らかな意図を感じました。
すると、他の演奏家が半拍早いバスドラムに反応して、演奏そのものが締まりました。
私はこれまで観客として参加したLIVEで「自律したフレーム」の上に、こんな「意図的なフレーム」が入る場面を数限りなく感じました。
この半拍早いバスドラムは他の演奏者にどんな影響を及ぼしたのでしょうか?
自分がキープしていたリズムが他の演奏者とあっていない。
ドラムスに合わさなきゃ。
私は、他の演奏者がこんな風に感じたのではないかと思います。
もしくは、
良かった、自分もリズムが合ってないと思ってたんだ。
かも、知れませんね。
これは「自律のフレーム」を演奏家の間で共有できていなかった事例になります。ドラマーがフレームのギャップを検知して、それを意図的に修正した、こう解釈できます。
「意図的なフレーム」によって演奏が変化するのは、ドラマーが半拍早くバスドラムを打ってから、他の演奏家が、①その事実に氣付いて、②その意図を理解して、③意図を同じにすることを決めて、④その通り実行してからです。
ドラマーが「意図的なフレーム」を示してから、演奏全体が変化するのは、引用した事例の場合、ボーカル、ベース、ギター、キーボードの4名全員が①〜④を完了した後です。
自律を自己再帰的な活動と捉えると、そこにはオートクライン、パラクライン、エンドクラインがあります。
ここで示した演奏の場合、オートクラインは自分が出した音によって自身の演奏を変えること、パラクラインは他のメンバーが出した音によって自身の演奏を変えること、エンドクラインは自分達の演奏(アンサンブル)を聞いた観客の反応によって自身の演奏を変えること、になります。
演奏家にとっての演奏とは、自身の音、他のプレイヤーの演奏している姿と発した音、観客の反応になります。
観客にとっての演奏とは、バンドが奏でる演奏そのもの、つまり、一体化したアンサンブルと個々のボーカル、楽器の音と演奏家の姿になります。
つまり、意図的(音、ポーズ)、そして意図的でない(意図せず発した音、ポーズではない姿)表現が渾然一体となったのが「演奏」であり、それが一人一人の発信者とは切り離されて自律して存在している。
これを、私は「演奏の意識」と呼んでいます。私のモデルでは、そのBackgroundとして「場の意識」があります。これは既述のフレームのそれぞれの要素のその時の状態が形成します。
“When music is over, it’s gone in the air. You can never capture it again.” by Eric Allan Dolphy, Jr.
ここまで説明すると、あなたは演奏者と演奏の境界が不明確にお感じになられているかも知れません。
確かにここに境界を引くのは難しい。
事例で言えば、ドラマーの「意図的なフレーム」を他の4名が認識したタイミングが一人一人異なっている可能性があるからです。
ドラマーの意図を最初の1発目で認識して①〜④を瞬間的に実行できる演奏家も入れば、④まで完了するまで、後、2発必要な演奏家がいたかも知れません。意図そのものを3発目に認識した演奏家もいたかも。
演奏家が音を発するまでが演奏家の自律、音を発した後は演奏の自律。
この定義通り、境界は引けるのですが、「自律のフレーム」を共有していないタイミングがある。
でも、よくよく考えてみるとお互いに「自律のフレーム」を共有していると思っていても、実際に共有しているかどうかは演奏してみなければ分かりません。「共有している状態」は、確認のしようがありません。
こう考えると、既述の定義通りに扱えば良いことになりますね。
ここまでが演奏家、観客、演奏の自律、そして3者間の関係性です。
この3者の関係性はあなた、お客様、あなたの製品やサービスに置き換えることができます。
ここではお示ししていませんが、ヒトの自律は、その意図を反映しています。
そして、その意図は実はすべてのヒトが共有しているのが私の世界モデルです。
意図はみんな同じ、その意図の実現に向けて一人一人が自律して活動しようとしている。
ここまではすべてのヒトの「フレーム」です。
すべてのヒトは同じフレームを持っているのに、一人一人がそれぞれのパターンを持っているのは何故か?
この原因を明らかにした上で、私と同じように考えられるAIのモデルを既に持っています。
まずは「既存の技術」を組み合わせてモデルを反映したプロトタイプを2020年中に製品化します。
最初の製品をバージョンアップしながら、2025年までに私と同じように考えることのできる#nextAIに創り込みます。
#nextAIのコンセプトは”こちら”をご参照ください。
#Framing
#RelationshipConcept
#manmodelMarketing
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