第四回統合イノベーション戦略会議
2019/04/16
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)
2019年3月29日、第四回総合イノベーション戦略会議が行われました。
4月8日の時点で、議事録は公表されていないので、配布資料から、本会議で検討された内容を大まかにまとめます。
本ブログでは、人間中心のAI社会原則(案)の設立背景をまとめました。そこで取り上げたトピックは次の通りです。
・この技術を何のために使うのか?
・次にどんな人工知能を創るのか?
・情報弱者を作らない。情報リテラシー。
・個人情報の所有権とセキュリティ。
・Society 5.0 の実現に向けて。
・SDGs17の課題への対応
今回の会議でも扱うテーマの範囲はこれらのトピックでした。それぞれのトピックが深掘りされ、未来像がより明らかな内容になっていました。
未来像がより明らかなのですが、最終的にどんな社会になるのかというイメージの共有化は難しそうです。一人一人の幸福を実現する社会を目指しているので、最終像はなかなか描けないのだと感じております。一人一人が幸せな世界はどんな世界なのか。それは、国民一人一人の課題になるのかもしれません。
“アクション計画でクライアントによって計画された(または、クライアントとコンサルタントによってともに計画された)行動や改善が実行されます。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.216, ダイヤモンド社, 2018)
資料「AI戦略(有識者提案)及び人間中心のAI社会原則(案)について」に、
AI戦略の理念「人間尊重」、「多様性」 、「持続可能」
と
戦略目標「人材」、「産業競争力」、「技術体系」、「国際」
が示されています。
本資料のなかで、私が注目したのは「教育改革に向けた主な取り組み」です。小学生から社会人まで、AI戦略をどのようにして教育が支えていくかということが描かれています。データを活用できる人財を育成するのが、この教育改革の主目的であると読み取りました。知識や技術を提供する環境は素晴らしいものになって行くと予想されます。この環境の中で、一人一人がどんな幸福論で日々過ごすのか。次に、ここがポイントになる氣がします。
その他の配布資料は大きく分けて次の四種類でした。私は既述のテーマ「Society 5.0 の実現に向けて」に含まれる内容であったと理解しました。
・人間中心の AI 社会原則(案)
・スマートシティ/スーパーシティ
・起業環境
・研究開発制度
それぞれの内容を見てみましょう。
人間中心の AI 社会原則(案):人間中心のAI社会原則(案)の設立背景をご参照ください。
スマートシティ/スーパーシティ:部分的なAI活用ではなく、都市や町全体にAIを張り巡らせて、日常生活全体にAIによる恩恵を行き渡らせる実証実験の構想です。自動運転等の一部の機能だけでなく、あらゆるサービスにAIを活用する計画。
「以下のような領域(少なくとも5領域以上など)を広くカバーし、生活全般にまたがる。 ①移動、②物流、③支払い、④行政、⑤医療・介護、⑥教育、⑦エネルギー・水、⑧環境・ゴミ、⑨防犯、⑩防災・安全」(「スーパーシティ」構想についてより)
起業環境:スタートアップの戦略として次の7項目が掲げられています。戦略2には「初等中等教育段階における創業教育の支援」が含まれています。これで小学校、中学校で起業家教育が当たり前になって行きます。
戦略1: 世界と伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市の形成
戦略2: 大学を中心としたエコシステム強化
戦略3: 世界と伍するアクセラレーション・プログラムの提供
戦略4: 技術開発型スタートアップの資金調達等促進(Gap Fund)
戦略5: 政府、自治体がスタートアップの顧客となってチャレンジを推進
戦略6: エコシステムの「繋がり」形成の強化、気運の醸成
戦略7: 研究開発人材の流動化促進
研究開発制度:「ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議」が設置されます。従来の延長線上にない技術を開発するために設定された有識者会議です。本会議に関連して、内閣府では「最先端技術を応用して解決を目指すべき社会課題や挑戦的な研究開発の提案を募集」しています。食糧とエネルギーが無料化されたら、安全、安心な日常を送れると思いませんか?
私は食糧とエネルギーの無料化を期待したいです。
“だが、ポイントは、人間の文化という物語の幕を切って落とすためには、それ以外の何かが必要になるということだ。この「それ以外の何か」とは、動機づけに他ならない。ここで私が念頭に置いているのは、とりわけ痛み、苦しみからの健康、快に至る感情である。”
(アントニオ・ダマシオ著, 高橋洋訳, 進化の意外な順序, P.12, 白楊社, 2019)
最後に参考資料「AI 戦略 2019(有識者提案)~人・産業・地域・政府全てに AI~」にAI開発のロードマップがありましたのでそれを見てみましょう。
今後の研究開発重点項目は次の通りです。
・人と協調できる AI
・柔軟に学習できる AI
・信頼できる AI
・AI 工学の確立
・次世代チップ・コンピューティング・ネットワーキング技術等
・サイバーセキュリティに活用できる AI
・AI for Inclusion Technology
・AI for Real World Industries
・AI for Scientific Discoveries
この中から、私が開発しているCoachingAIとKnowledgeManagementSystemに関連の深い「人と協調できるAI」の具体的取組内容:目標(達成時期)を以下にお示しします。
意味
概念
人の意思決定過程の分析・把握:人個性判別手法を研究開発(2025年)
AI のヒューマンインターフェイス:自律系の高い AI と人の協調作業やタスク受け渡しを円滑にする技術の開発、複数の AI と人間の混成系の制御など人と AI の間の円滑なコミュニケーションを行うための計算の枠組みの確立 等(2025年)
人と AI の対話、ヒューマンインタラクション:現場の従業員等が AI と対話しながら、熟練者が持つ暗黙知や社会の有する集合知を構造化AI と人間が連携して学習できる手法の確立(2030年)
人と共進化する AI:文脈や意味を理解し、想定外の事象にも対応でき、人とのインタラクションにより能力を高め合う共進化 AI の開発(医療、行政手続きなどの具体的タスクを先行領域として推進)(2030年)
この4つの具体的取組内容は、ヒトと同じように考えて、ヒトと同じように対話するAIには必須の技術になると思われます。私の中では「概念」をコンピュータ上に実装できると実現が早まると思っています。そんな、意味で「人と共進化するAI」の技術開発に期待をしたいと思います。もちろん、私自身も取り組みますよ。
もし、あなたが、ヒトがどのようにして頭の中に概念を構築しているのか、その仕組みについてご存知である、もしくは、ご自身のケースを説明できるのでしたら是非、対話をさせて下さい。
これからの日本は人生の目標が明確であれば、それを実現しやすい環境にどんどんと変化をして行くと予測しています。魅力的な目標を設定すれば、多くのヒトの関心を集め、実現の確度が高まって行くでしょう。
是非、人生をかけた事業を立ち上げてください。期待をしています。
#マインドドリブンソサイエティ
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