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Knowledge Management

      2019/04/20


Knowledge Management「ヒトは独自脳が創り上げた世界に住んでいて他者と自分の世界を完全に共有できません。この事実はヒトを不安にします。不安を解消するための行動が相互理解。共通点を見出して同じである安心感を持つ。」
(シモムラタクジ, (シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)

2018年1月11日、高知県いの町を訪れました。
目的は、菊池省三さんを招かれて教育改革3年目を終えられたいの町の教育改革の現状を教えて頂くことと、学校と図書館に地域のヒトが自然と集まる導線を創ることについての意見交換です。もう一つ、4月から新しい学校の立ち上げ準備をされているfb友達との子供の教育についての意見交換です。

早朝、高知駅に到着した後、JRで伊野に向かいました。
電車の発車時刻を過ぎても、接続の電車が到着しなければ発車しません。

時間の流れがゆったりとしてました。

役場に到着して、3名の職員の方と1時間半、情報交換をさせて頂きました。
3名とも初対面なのですが、最初からリラックスした雰囲気でした。特に、3番目に名刺交換をさせて頂いた方が最初からニコニコされていらっしゃったので、私もリラックスしてこの場に臨むことができました。

最初の雰囲気を和やかにしていただけた職員の皆様には感謝の気持ちしかありません。

私の自己紹介と、今回、この地を訪れた理由をお伝えし、当町の人財育成の取り組みと経緯と未来について教えて頂きました。

当町が人口が減少して来る中で、その減少に抑制をかけることを到達点として、そのための目標を4つ掲げています。
基本目標1 地産外商により安定した雇用を創出する【しごと・雇用の創出】
基本目標2 新しい人の流れを創る【移住促進・人材誘致】
基本目標3 若い世代の結婚・妊娠・出産・子育ての希望をかなえる。女性の活躍の場を拡大する【子育て支援の充実・強化】
基本目標4 コンパクトな中心部と小さな拠点との連携により人々のくらしを守る【集落活動センターの開設・強化】

この基本目標を達成し、人口減少の抑制に繋げる取り組みとして、菊池さんを教育大使としてお迎えした「菊池学園」を開催されています。
菊池さんの実践的な教育体系を理解され、ご自身の生徒さんの教育に活かせる教員を生み出し、町全体が菊池さんの教育体系を理解して、実践されることを目指されています。

“また、環境の変化が起こりそうだと予測された場合には、将来起こり得るホメオスタシスの混乱を回避するために、ホメオスタシスの設定値の変更を行う。環境の変化に対応できるように、身体の状態を準備するのだが、これをアロスタシスという。”
(乾俊郎, 感情とはそもそも何なのか, P.14, ミネルヴァ書房, 2018)

自然と学校と図書館にヒトが集まる導線をつくる。

地域のヒト達が学校運営に協力をするコミュニティー・スクールの事例をご紹介したところ、既に、当町では地元のヒト達の関与を制限しないといけないくらい貢献意欲を持たれているとのことでした。

当町の図書館では移動図書館をお持ちということと、外部から要請があればサービスを提供されていました。

また、町で事業を起こして行くという観点から、地元の銀行と連携を取りながら活動をする機会が出てきたというお話をお聞きしました。

<頭に浮かんだこと>
人工知能時代には情報リテラシーが重要になる。
そのために、学校と図書館では地域住民への情報提供やトレーニングの場を提供する。

一つの町を人工知能時代にすべてのヒトが幸せになれる地球のモデルとして捉える。

この問題意識を解決する目的で、役場から徒歩圏にある名所、旧跡、施設を探しに観光案内所に向かいました。この町の歴史を知ることで、町で事業を起こす手掛かりを見つけられると感じたからです。

“ジョハリの窓 「Ⅲ.隠された」の領域は、私は知っているけれど、他者は知らないことで、自分の中で隠している自分の気持ちや他者からの影響がこれに該当します。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.159, ダイヤモンド社, 2018)

職員の方が自前のリストをご提示されて、徒歩圏にある町の特徴を知ることのできる場所をご紹介頂きました。

紙の博物館
いの大国様
吉井源太翁生家

観光案内所を後にしてこの3つの施設を回ることにしました。

紙の博物館では、当町が和紙の産地として栄えたこと、今のチンチン電車は和紙を運ぶために敷設されたことを知りました。
更に、吉井源太さんは、和紙を大量生産する技術を編み出して、海外にタイプライター用の紙として輸出を始められたこと、日本全国に和紙を生産する技術を広められたことを知りました。

1階の展示室を回っていると、和紙をすく体験のできるコーナーがありました。
ハガキ大の大きさの和紙をすくのに40分、そして、それを乾かすのに2時間ほどの時間がかかるそうです。
時間があれば紙すきの体験をしたかったのですが次を急いでいたのでその場を後にしました。

2階で開催されていた2019草流舎 素朴な干支展のコーナーに足を踏み入れると多種類の張り子の人形が展示されていました。

お店の方にお話をお聞きすると、無印良品の福缶に入っていたり、青山店で「白いイノシシ」が販売されていたり、北鎌倉で展示会をしたりと、当町と彼の地を結ぶ一品として認知が広まりつつあるようです。和紙と漆喰で作られた人形はここのオリジナル。

干支の記念切手の図柄に2回選ばれています。

縄文にインスピレーションを感じられた作家のオリジナルの人形もありました。
悠久の時間を感じる作品。

“時間のやっかいなところはそれが存在しないことだ。過去は過ぎ去り、記憶と記録に痕跡を残すだけだ。未来はまだ生まれていない。粒子の時間と空間をくぐる旅が時空での紆余曲折する線で描けるなら、過去と未来が出会う点ー現在ーは線上の一点でしかない。空間内の、広がりのない一点のように、時間の中の点には持続時間がない。数学的な理想化であり、抽象物であり、観念だ。”
(ハンス・クリスチャン・フォン・バイヤー著, 松浦俊輔訳, 木村元解説, QBism, P.171, 森北出版, 2018)

北鎌倉では2月に展示会がありました。
ご興味のある方はご連絡ください。詳細をお伝えします。

紙の博物館を後にして、いの大国様、吉井源太翁生家を回った後、当町で新しい小学校を4月から開校される方とお会いして、どのような小学校を開校されるのかお話をお伺いしました。
この方とはfb友達で、今回、高知市を訪問する機会にお時間を頂きました。当日も県庁に学校申請の書類提出でお忙しい時間の合間を縫ってお時間をとって頂きました。

廃校を活用した小学校で、追加の校舎を建築中でした。
一般的な一斉授業の形態を取られず、毎日、テーマを決めて、それにあった授業をつくって行かれることをご検討中とのことでした。
当町が教育改革に取り組まれていたのですが、この町の動きとは別の新校建設。

一人一人の子供の良さを輝かせるカリキュラムを用意されています。
自然豊かな立地条件を活かした教育モデルを目指されていると感じました。

人工知能時代には標準化された作業には人手が要らなくなって来ます。
そして、情報リテラシーのポイントは必要な情報を正確に入手するために、不必要な情報や間違った情報の識別に労力がかかるようになって行きます。

受け身なままでは、情報の洪水の中で迷ってしまうことになるかも知れません。
一方、主体的な行動は、情報に対する感度を高め、情報収集から行動までの時間を短縮します。
誰かがやったことの後追いの価値はどんどんと低くなるので、新しい何かを形にする能力が求められます。
多くの場合、始めてみないと実際のところ、どうすれば新しい形になるのかがよくわかりません。
つまり、小さく始めて、徐々に全体像が明らかにする手順を取らざるを得ない時代になって行くということです。

新しい何かを始める時に、お勧めなのは強みの活用。
町つくりとして新しい何かに取り組む場合、その強みは、その場所が持っている文明や文化の中にあります。
文明や文化を考えるときに、その場所でどのような人的、経済的な交流があったのか、どのような気候なのか。
地理的なBackgroundを考慮せざるをえません。
そこに住むヒトが安全・安心な生活を営むために知恵を出し合って、社会システムを構築してきた。
それは、途切れることなく先人が繰り返し、我々が繰り返していることです。
主体的な活動の前には、必ず理解する過程が必要になります。

“感情と文化の構築
感情は三つのあり方で文化的プロセスに貢献する。
1.知的創造を動機づけるものとして
a ホメオスタシスの不備を検知し診断することによって
b 創造的な努力に値する望ましい状態を特定することによって
2.文化的な道具や実践の成功や失敗の監視役として
3.時間の経過につれ文化的なプロセスで必要になる調節を調整する参加者として”
(アントニオ・ダマシオ著, 高橋洋訳, 進化の意外な順序, P.25, 白楊社, 2019)

先人が繰り返し実行して来たことの表現方法を変える。
捉え方を変える。
環境の変化を先回りする。

多くの地方で、新しい事業を起こす試みが行われています。
その成果を出すためには、フレームが必要となります。

新鮮な眼で地元の良さを見る機会をもっと持ちましょう。

#街つくり

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