Quality Assurance
2019/04/17
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)
2019年1月12日、フットボールカンファレンスの1日目でした。
午後からだったので午前中、PCで仕事を終えた後、小雨の中、宿から高知市内に向かいました。
お昼時だったので「ひろめ市場」に向かい、かつおのタタキ定食を頂きました。
塩タレのタタキは美味でした。
その後、会場に向かい受付を済ませた後、ホールに入りました。
たまたま、お隣の方が、以前、お世話になったチームがあり、住んでいた堺市からの方で、堺市の話題、サッカーチームの話題で盛り上がりました。
“情動とは、外的刺激や内的な記憶の想起に伴って個体に生じる生理的な反応をさす。したがって、これは他者により観察や計測が可能である。一方、感情は、情動の発生に伴う主観的な意識的体験である。そのため、これは基本的には本人にしかわからないものと考えられる。”
(乾俊郎, 感情とはそもそも何なのか, P.7, ミネルヴァ書房, 2018)
初日はRussia2018の振り返り、日本サッカー協会のテクニカルレポートとFIFAのテクニカルレポートの紹介がありました。
詳しくはご紹介できませんが、概略を簡単にお伝えしますね。
何度も出てきたのは決勝トーナメントのベルギー戦。
ベスト16の壁を突破できなかった原因の探求というよりは、日本のスタッフ、ベルギーのマルチネス監督のメッセージからそのヒトの視点から見たベルギー戦を参加者と共有しました。
“ジョハリの窓 「Ⅳ.未知」の領域は、私も他者も知らない、つまり、グループの中では誰も知らないし、氣づいていないことです。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.159, ダイヤモンド社, 2018)
格上の相手にリードしている試合。
私には日本人が慣れていない状況だと感じています。
これには歴史的な背景があると考えております。
Footballは、今、欧州中心で動いています。
欧州がFootballの発祥の地であり、Footballのシステムを欧州を中心として創ってきた歴史があります。
昔を振り返ると、1970年代はヨーロッパスタイル、南米スタイルと称して、前者はパス等の組織力、後者はドリブル等の個人技で試合を組み立てる2極論として語られていました。
日本では読売クラブは南米スタイルのサッカーで多くのファンの支持を得ていました。
クラブワールドカップ(旧インターコンチネンタルカップ、トヨタカップ)の成績を見ると、
1960年から1969年 欧州4 vs 南米6
1970年から1979年 欧州6 vs 南米4
1980年から1989年 欧州3 vs 南米7
1990年から1999年 欧州7 vs 南米3
2000年から2009年 欧州6 vs 南米4
2010年から2018年 欧州8 vs 南米1
1990年代から欧州優位の状況が続いています。
ワールドカップの成績を見ると、
1回(1930年)から10回 欧州5 vs 南米5
11回から20回 欧州6 vs 南米4
21回(2018年) 欧州1
これまでは五分五分です。
そして、21回の歴史の中で優勝国は欧州か南米の国に限られております。更に、自国の監督が指揮を執っています。
クラブチームでは欧州優位ですが、国対抗では五分五分です。
南米の選手は上手くなると環境の良い欧州のチームに移籍する傾向があります。
欧州チームは欧州選手+南米選手と個人レベルの高い選手で固められているから欧州のクラブチームが優位になったのだと考えられます。
国対抗のワールドカップになると欧州のチームに所属していた南米の選手が自国のチームに所属するため、チームの力が拮抗しているためだと考えられます。
このように欧州と南米には歴史的に強国となる背景があるのです。欧州のチームに所属する日本人選手が増えると、南米の国のように日本も強国になって行くでしょう。因みに日本サッカー協会はアジアの国々のレベルを上げるために、コーチを派遣したり、アジアの国のコーチに公認ライセンスを受講する機会を設けています。また、本カンファレンスにはアジア各国のサッカー協会関係者も参加。そして、アジアサッカー連盟は元スコットランド代表監督で、欧州サッカー連盟(UEFA)技術委員長を長らく務め、Russia2018でTSGのメンバーとなるのは7度目のアンディ・ロクスブルグさんをテクニカルディレクターに招聘をしました。アジア諸国のレベルが上がれば、欧米でもなく南米でもない国がワールドカップで優勝する確率が高まります。
“QBイズムの世界観では、自然法則は漸近的に信頼水準を上げていき、変化する率をだんだん小さくしながら、次々と確定へ近づいていく。放射性原子が崩壊している確率が0から1へと上がりながら決して1にはならないように(観測されていないかぎり)、自然法則が確かに成り立つ確率も0(最初に仮説が立てられる前)から、1へと上がっていくが、決して1に達することはない。クロムウェルの差し止め確率だけでなく、自然法則にも当てはまるはずだ。無限小であっても疑いの余地を残して絶対の妥当性を弱めることによって、私たちは将来更新せざるを得なくなるような改良や修正に備えられる。”
(ハンス・クリスチャン・フォン・バイヤー著, 松浦俊輔訳, 木村元解説, QBism, P.160, 森北出版, 2018)
ワールドカップは4年に1度ですが、各国のプロリーグは毎年開催されるので、各大陸、各国の協会はプロリーグを中心動くことになります。
欧州は国の数が多く、自国のみならず欧州のリーグ戦、カップ戦があり、日常的にレベルの高い試合を選手達は体験しています。
コーチングの理論も欧州が先行していることもあり、欧州のコーチが世界中のチームで指揮を執っている実情があります。
11回目を迎えるフットボールカンファレンスも毎回、欧州、南米のトップレベルの技術指導のリーダーのレクチャーがあります。
今回は海外のスピーカーは欧州のみの布陣となりました。
イングランド、フランス、アイスランド。あとは、UEFA、欧州の大陸の協会から。
Quality Assurance: inputからoutputまでの一連の情報処理の品質を仕組みとして保証する
発表内容に共通するのはピッチ上で選手が自由にプレイできる時空間がどんどんと小さくなってきているということです。
もっともっと、素早い判断、素早いプレイが求められ、それに対応できる思考と行動を選手は獲得する努力を続けます。
“人間の心を他の生物の心から根本的に区別する、問いを立て、理解し、問題を解決するプロセスの媒介として機能しているはずだ。そうすることで人間は、日常生活で遭遇する苦境に対処するための巧妙な解決策をあみ出し、自らの繁栄を促進する手段を築いていくことができたのだろう。そして衣食住に関するニーズを満たし、身体の損傷を治癒する手段を考案し、医術を発明するに至った。(他者をどう感じるかによって、あるいは他者が自分をどう感じているかを認識することで)痛みや苦しみが他者によって引き起こされたり、死に直面するなど、自分が置かれた状況を考慮することで痛みが引き起こされたりした時は、人間は拡大された個人的、集団的な資源を利用し、道徳的な決まりや正義に関する規範から社会組織、政治的ガバナス、芸術表現、宗教的信念に至るさまざまな反応を生み出してきた。”
(アントニオ・ダマシオ著, 高橋洋訳, 進化の意外な順序, P.23, 白楊社, 2019)
次のビッグゲームで成功するために、ベルギー戦での選手、監督、コーチ、スタッフ、それぞれの感覚を共有したいと思いました。
#感覚の共有
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