意識という言葉の意味の多様性
2019/04/01
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)
2019年1月23日、ある人工知能(AI)の開発会社を訪問して、CoachingAI(コーチングができるAI)の開発に関する情報交換をして参りました。
私が描いている構想に先方が持っている技術を組み込むことが可能か否かを判断するための情報収集が目的でした。事業計画を作ってから再度、打ち合わせをします。
私の構想をお聞きになられた先方の社長の最初のコメントが「壮大ですね」でした。
構想にある「私と同じように考えるAI」についてはご理解を頂けたのですが、その仕組みについては言葉だけでは理解して頂くことが難しいとのことでした。既存の技術でカバーできない技術が明らかになり、そこは、大学や公立の研究機関の研究センターや研究者に開発を依頼することも視野に入れることで合意ができました。
働き方改革から、一人一人が自身のタイミングで認知の壁を突破できる社会を創って行く事業構想がもう少しで纏まりそうです。
その中心にあるのは「9つのマトリックス」です。この「9つのマトリックス」は私が開発するAIの心臓です。
この「9つのマトリックス」はヒトの意思決定の中心にあります。
メンコやビー玉で遊んだ友達、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、大学院の学友や先生、選手活動、審判活動、コーチ活動で出会ったサッカー仲間、製薬会社での仕事を通じて出会った仕事仲間、社会活動や個人事業主のコミュニティーの仲間。私とある共通目的を持って活動を共にしたヒト達の意思決定を観察し、私自身の意思決定を内観した結果、その共通点をまとめたのが「9つのマトリックス」。
“あえて簡潔に表現すれば、(組織の)効果性とは、職場や組織が効果的に仕事を進めて成果を出すことができるかどうか、といえます。(組織の)健全性とは、個人が組織とのつながりや一致性を感じることができて主体的であることができるかどうか、組織の日常や対人関係で満足しているか、といえそうです。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.192, ダイヤモンド社, 2018)
この「9つのマトリックス」は私の中にある見えないモノが見えるモノに変化する行動原理でもあります。
自分の意図を振り返るとき、本当の自分を垣間見る。
そこで、今回のテーマです。
意識には多様な意味があります。
あなたはそれを認知されたことはありますか?
意識がある。
意識する。
ヒトは意識を持っている。
それぞれ、
起きている。
注意を向ける。
思考の基盤を持っている。
と、別々の意味があります。
今回は、多様な意味を持つ言葉が、その言葉を使っている文化圏でどんな役割を担っているのかということを考えました。
実は「9つのマトリックス」は全てが意識に含まれる要素です。
この9つの要素が、行動に結びくように脳が機能しているのが私の man model(人間モデル) です。
ヒトは独自の精神世界と物質世界を持っています。どちらも、自身の独自の脳が創り上げている世界です。
先日、あるセミナーの後の懇親の場でお二人にお尋ねしました。
「ヒトは意識と身体のどちらが先にあるとお考えですか?」
お二人とも答えは意識でした。お二人とも意識が身体よりも先にあるとお考えだったのです。
私もその通りだと考えています。もし、読者に意識よりも身体が先にあるとお考えの方がいらっしゃいましたら、そうお考えになられている根拠を教えて頂けますでしょうか?私のヒトに対する理解を更に深めるためにご協力をお願いします。
精神世界について語る言葉としては、
今、気分が良い。
昨日、面白い話を聞いた。
両親との辛い体験が、今の私ができた原動力になっている。等
物質世界について語る言葉としては、
今日のベトナム戦、誰が先発するのか楽しみ。
今、開発しているAIは、画期的な自然言語処理のアルゴリズムを見つかればあっという間に出来上がる。
会社のKnowledge Managementに役立つシステムがあれば、組織の生産性は無限大に向上する。等
ヒトはいつも意識と繋がっていて物質世界について語る時も例外ではありません。
また、ヒトの意識が目の前の景色を変えてきた事実が文明の歴史になっています。
狩猟時代に安定した食糧調達をしたいと思ったヒトが農耕を考えついたので、田畑が目の前に現れた。
空を飛びたいと思ったヒトがいたので飛行機が目の前に現れた。
血圧を測定したいと思ったヒトがいたので血圧計が目の前に現れた。
大量の土佐和紙を産地から消費地に早く届けたいと思ったヒトがいたので高知県いの町にチンチン電車が現れた。
文明はあるヒトの欲求が頭の中でアイデアに変わり、それを大勢のヒトと実現してして来た歴史です。
この歴史はこれからも続きます。
ここまでは意識が物質世界を変えた事実を共有しました。
マインド
社会
ここからは意識の言葉の多様性について考えてみます。
言葉の分類はオントロジーと言われています。
言葉と言葉の関係性を明らかにする学問です。生物の系統樹もオントロジーの一種です。言葉を体系化するのがオントロジーの目的であり生み出す知識技術の対象です。
物質世界の存在においては識別することがこの世界の出来事を多くのヒトと共有することの前提となります。
何故、共有するのかというと、知識や技術を多くのヒトが扱えるようになって、より良く生きて行くためです。
・水道がなければ飲用の水を一人一人が調達しなければなりません。
・ライフラインがなければ日常の活動の生産性を高める機械が動きません。
・輸送手段がなければ人力でモノを運ばなければなりません。
恩恵を受けるヒトが多ければ、その知識や技術が広まります。自分が恩恵を受ける知識や技術を理解するには、それを生み出したヒトとの共通言語が必要になります。知識や技術の中で使われる言葉の意味が理解できなければ、それが自分に恩恵をもたらすのか否かを判断できません。
オントロジーの歴史を振り返ると、ヒトが住んでいる環境、自然を対象とした分類から始まり、道具等ヒトが創造したモノの分類、ヒトの活動に関する分類に分けられるように思えます。更に、ヒトを理解するために科学が発展する中で明らかなになった何かを多くのヒトと共有するためにオントロジーが発展したのだと思います。
その中で意識はヒトが持っていることが前提として認識され扱われていて、ヒトの活動の基盤となるものなのでオントロジーよりも広い概念になります。
私の感覚として切れ目がないのが意識なので、意欲や意図のどこに境界になるのか、意識を切り分ける境界を定義できるのか等、最初から難問にぶち当たります。
もちろん、これは私が意識をうまく分類できていないということであり、これを実現しているヒトが皆無と行っている訳ではありません。
もし、意識のオントロジーを確立された方がいらっしゃれば、ご連絡をお待ちしております。
今の所、意識には階層や範囲の大小や、順番がないので、多様な意味を持つ言葉として扱われているというのが私の結論です。
科学的に扱えないものは存在しない。議論の対象にならない。
こんなお考えをお持ちの方もいらっしゃるように感じております。
科学には限界があり、その限界を突破するのが意識の解明であると私は信じております。
#量子物理学
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