強みを活かす
「今、治療に使われているすべての医薬品は社会と製薬会社との協働作業により、医学的な不明領域を明らかにしながら製品化した人類の財産です。」
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)
9月15日、澁澤ドラッカー研究会に参加して来ました。
「ドラッカー、そして彼が尊敬した渋沢栄一をはじめとする西東古今の知恵が、次代の推進力となるだろう。本研究会はすでに私たちに与えられた知識をいかに明日の糧にするかを問うためにある。」
地域社会の中で地元に貢献をする。これを貫いていらっしゃる建築業の社長のお話を聞きしました。
社長が米国で社員にサーフィンをさせる会社があると聞いて、その会社に憧れて現地に見学まで行かれました。帰国後、ある時、会社に何か刺激が欲しいと考え、普段、近所の方から頂いている野菜等の食材を使って昼食BBQを毎週開催することに決めました。
最初、言い出しっぺの社長が当番。普通にお肉を焼くBBQでは面白くないので、焼きそばを料理。その時、次回、誰か当番お願いできますか?と尋ねても手をあげる社員がいませんでした。結局、最初の3回は社長が担当して、4回目からは手をあげた社員が担当。そして、合計500回ほど開催。
担当者はご家族に相談しながらレシピを考えて、おもてなしの心を存分に発揮されています。レシピは担当者が考えますが、実際の料理、片付けは全員参加。傍観者は一人もいません。仕事ではわからなかった一人一人の個性が出る場面もあります。
20分で料理して、20分で食べて、20分で片付ける。13時には全員仕事を始める。このスケジュールを守っていらっしゃいます。
途中から社員だけではなく、取引先の方も参加されるようになりました。この外部参加者は、普段は接することのない業種の方で、社員の刺激になっている。
この毎週開催されるお昼のBBQが社員の皆さんの世界が広がる場になっていると感じました。そこに参加される外部の方にとっても同様に世界が広がる場なのでしょう。どちらにも、それまで知らなかった「不明領域」を明らかにする機会になっているのだと私は考えています。
世界をどう見るのかは、あなた次第です。
研究会の本会の後に懇親会がありました。
そこでは、ドラッカーさんに纏わるお互いの世界観を交換するような会話を楽しみました。ドラッカーさんには現実しかないとお考えの方がいらっしゃいました。私はドラッカーさんがクラスのみんなとフリーグラー牧師から尋ねられた「あなたは何によって憶えられたいですか?」の質問がドラッカーさんをドラッカーさんにしたのだと考えています。私自身が30代半ばでこの質問を知った時、答えられませんでした。その後、自分の答えを見つけるまでに2年かかりました。この2年は私が自身の「不明領域」を明らかにするために要した期間です。
この質問のエピソードは、強みを活かすことがドラッカーさんのマネジメントの中核にあり、マーケティングのみが唯一外注できない企業の機能であるというドラッカーさんの組織論とも私の中では繋がっています。それ故、私はドラッカーさんのマネジメントを「それぞれ強みの異なる人財の関係性を構築して共通目的を達成させる知識技術」と理解しています。働き方改革の中には生産性の向上も含まれています。ドラッカーさんのマネジメントは生産性を向上させると私は確信しております。
ドラッカー経営学を学べる学校の設立準備をされていらっしゃる方ともお話しできました。マネジメントとは「望ましい状態にすること」。理想とは異なるそうです。今の学校教育の限界をお感じになられて、この学校の設立を決められました。現状の学校教育の枠の外側で活動を展開されるそうです。きっと、この方はドラッカー経営学を学べる学校を現状の学校教育の枠の外側で機能させるという「不明領域」をこれから明らかにされて行くのだろうと思いました。
ヒトは誰もが「不明領域」を抱えて人生を送ります。多分、「不明領域」をすべて明らかにした人生を送られる方はいらっしゃらないと思います。自分の中にある「不明領域」、新しい何かを始める時に頭の中に現れた「不明領域」。どちらも、自分一人で明らかにはできません。その後、「不明領域」を明らかにしたいと思いながら、様々なヒトと接することになります。そして、ある時、それまであった不明領域がなくなります。伝えきれなかった想いを伝えた時、相手がどんな気持ちになるのか。これもその場面に遭遇するまでは不明領域のままです。
“ゲシュタルト療法を応用して組織開発に取り組む実践者の一人であるジョン・カーターは「No anxiety, No fear, No emotion, you are learning」と言う言葉を残しています。「不安や、恐れや感情が動かされない限り、あなたは学ぶことができない=変化することはできない」というその言葉は、レヴィンのこの3段階モデルと、繋がるところがあります。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.147, ダイヤモンド社, 2018)
働き方改革の現実は、一人一人が自分自身を幸せにするために仕事の環境を自ら変化させることです。仕事で幸せを感じられるように「不明領域」をどんどんと無くして行きましょう。
#働き方改革
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