情報は食事のアナロジー
「サッカー型組織は誰かの指示を受けなくても個人が自律的に仕事をしている組織です。各自がお互いの専門を認識して、必要な協働作業が即座にできる体制が取れている。そして、意見の違いを自然とコントロールしてしまう文化が根付いています。」
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)
2019年7月2日、昨日はコンサルティングの合間を縫って、今執筆中の著作の作図をしていました。
これまでは文書での執筆が主だったのですが、作図に入ると文書では氣付かなかったコトに色々と氣付きます。
“「代謝」は、この偉業の達成を可能にした科学的な経路の名前である。このプロセスは、環境内に存在するエネルギー源から必要なエネルギーをできるだけ効率的に引き出し、破損した装置の修復や老廃物の排出のために利用するよう細胞に求める。”
(アントニオ・ダマシオ著, 高橋洋訳, 進化の意外な順序, P.48, 白楊社, 2019)
例えば、我々は日々、食事をします。
この食事はエネルギーの確保と身体を作る原料を確保するためです。学校で習いましたね。
私の専門が意思決定なので、この食事と意思決定の共通点を考えました。
“行動は知能があってのものだが、それが存在することの第一の特徴でも、主要な定義でもない。少し考えればわかるように、暗闇で横になっているだけでも、思案と推理をめぐらすことで、知能は発揮できる。頭の「中」の働きを無視し、外に現れる行動に重点を置くことは、知能の解明と、それを備えた機械の実現において、大きな障害となっている。”
(ジェフ・ホーキンス, サンドラ・ブレイクスリー著, 伊藤文英訳, 考える脳考えるコンピュータ, P.40, ランダムハウス講談社, 2005)
意思決定には目的があります。
この目的を「次世代の人工知能の社会実装」とします。
それを決めるために必要な情報を集めてきて自分の行動を決めます。
例えば、次世代の人工知能に必要な技術は何か、次世代の人工知能の設計はどうしたら良いか、協力者は何処にいるか、最初の実証実験はどの分野が良いか、リスクマネジメントをどうするか・・・。
今はAIに実装するprinciple(たった一つの行動原理)を第三者に説明できる資料を作成しています。
これが今の私の最優先課題です。
コンサルティングの合間を縫って、この事業を進めるのはモドカシイので、「次世代の人工知能の社会実装」を主な仕事にする方向で事業を見直し中です。
“そもそもわれわれはどのようなところに注意を向けるのだろうか。主に、視覚的注意の研究を通じて、文脈に合わないようなものがあったときや、他とは著しく異なる特徴をもっているもののほか、突然何らかの変化が生じた部分などに素早く注意をむけることがしられている。”
(乾俊郎, 感情とはそもそも何なのか, P.63, ミネルヴァ書房, 2018)
この意思決定をするまでに集めた情報は、今回の意思決定だけではなく、私の世界観にも取り込んでいます。
つまり、収集した情報は活動そのものに使うとともに、そのBackgroundの世界観にも取り込んでします。
まとめます。
食事は、
1.活動のエネルギー源
2.体を作る材料
情報は、
3.意思決定の源
4.世界観の材料
私にとって情報は食事のアナロジーです。
1→3
2→4
更に、気付いたことがあります。
身体にはグリコーゲンや脂肪のように身体の一部を形成しながら後にエネルギーに変換される部位があります。
世界観の中には新しい情報ではないけれども意思決定の源になる情報があります。
例えば、サッカーが上手くなるために自分よりも上手い選手のプレーを観察したり、その選手に教えてもらったりした記憶(情報)がありました。
新薬開発の仕事を始めてから新薬開発の知識を持っている先輩に、自分の解決したい課題を相談して解決策を一緒に考えてもらいました。
自分よりも知識技術を持っているヒトに教えを乞う。
身体の一部のエネルギー源は使うとなくなりますが、世界観の一部の意思決定の源は何回でも再利用できます。
“マーシャクが挙げる組織開発の価値観は以下の4つ、「①人間尊重の価値感」「②民主的な価値観」「③クライアント中心の価値観」「④社会・生命的システム指向の価値観」でした。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.278, ダイヤモンド社, 2018)
今、こんな文書が頭に浮かびました。
私は
「意識」の中の「世界観」
「物理空間」の中の「身体」
私には私の世界観の中に身体があるという感覚です。
“ブリーフは、その人が物事を判断する際の基準となる「評価情報」である、とも言えるかもしれません。”
(苫米地英人, 「性格」のカラクリ, P.20, 誠文堂新光社, 2019)
あなたは如何ですか?
今回取り上げたアナロジーはある分野で認められている関係が他の分野でも認められている関係を指します。
このアナロジーはあなたの抽象的な思考力を高めるための手段になります。
抽象的な思考力を磨いて、俯瞰力と洞察力を高めて行きましょう。
日々、どのように訓練をしたら良いのかをお知りになりたい方はこちらまでご連絡を下さい。
一緒に抽象的な思考力を高めて行きましょう。
#意識と物理空間における代謝
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