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会社員の悩み

      2019/07/07


会社員の悩み「サッカー型組織ではアイデアは『1枚の絵』で提示する文化が根付いています。特に、社会における自分の役割を『1枚の絵』に描く能力をメンバー全員が常に磨いています。短時間で信頼関係を結び、お互いの専門性が上手く噛み合って共通目的を達成できるチームをあなたが作れると嬉しくないですか。」

(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)

2019年7月6日、昨日は朝活からスタートして、仕事を幾つか終えた後、大学のクラブのOB会に参加しました。

朝活の参加者とOB会の後輩との話の共通テーマが「会社員の悩み」でした。

朝活でお話をした方は、生活のために会社員をされていらっしゃって、仕事に前向きなれなくて悩んでおられました。
私が会社員を卒業したとお話をしたら、「卒業する時に不安ではありませんでしたか?」とお尋ねになられました。

「もちろん、不安でした。しかし、会社員では自分のやりたいことができないと思い卒業をしました。」と回答しました。

OB会の後輩は、ずーっと会社員をしている自分をイメージできないので今の仕事で資金を溜めて機会があったら独立をしたいと言ってました。
後輩は、個人事業主や会社を経営しているヒトと会ったことがないので、このヒト達に話を聞いてみたいと言っていました。
仕事の合間に個人事業主や経営者のいる交流会に参加するアドバイスをしました。
そして、私が所属している次回の朝活に招待することに。

そういえば、数日前、カフェで仕事をしていたら隣の女子高生の話が耳に入ってきました。
スマホの動画をずっと見ていた女子高生が、勉強をしていた女子高生に、「ねえねえ知ってる?高校生の時勉強ができなくて、このまま、自分は将来餓死すると思った女性が、どうせ餓死するなら今から好きなことをやり続けようと決めて親のお金で好きなことをやり続けていたら、着物にハマって、いつの間にか着物で起業したらしいよ。」と言っていたのを思い出しました。

この「着物にハマっていつの間にか起業した女性」の事例を、苫米地式コーチングでは「want toの人生を送る」と言います。

努力をするから成功するのか、幸せだから成功するのか。

ポジティブ心理学では、後者のモデルを提唱しています。

“②民主的な価値観 マーシャクは「民主的な原理(domocratic principles)」という言葉を用いています。物事を決定する際には、それに関連する、できる限り多くの人が参加し関与した方が決定の質が高まり、決定が実行されると捉える考え方です。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.279, ダイヤモンド社, 2018)

私自身の会社時代を振り返って見ますね。

私の会社人生は「want to」から始まりました。

製薬会社への入社試験の面接時に「新薬開発を希望します」とお伝えしたところ、「当社ではまず営業を経験してもらいます。そして、適性を見ながら異動をしてもらいます。それでも良いですか?」と人事担当者がお答えになられ、「はい、わかりました」と答えました。

めでたく採用通知を頂き、営業で入社しました。

営業の新人研修を終えた後、なんと私は新薬開発部門に配属となりました。
天にも昇る心地、私は非常に幸運でした。
後から知ったのですが、当時の新薬開発部門の部長が私を呼び寄せてくれたのです。

“人にはそれぞれ、「行動の仕方に現れる、特有の感情や意思の傾向」があるのも確かです。”
(苫米地英人, 「性格」のカラクリ, P.16, 誠文堂新光社, 2019)

「want to」の会社人生がスタートしました。
13年間は新薬開発。
しかし、ある時、新しく立ち上がった「安全性管理部」の部長が私を指名されたのです。
その方は新薬開発部門で懇意にして頂いていた方でした。
この「安全管理部」は新薬と市販薬の安全性情報は別々の部門ではなく同じ部門が管理した方が良いと考えて、新薬開発部門で私が何度もその設立を提案し、新薬開発の統括部門に所属していた時、部門長が稟議書を上げられた結果できた部門でした。

「画期的な新薬を開発して、薬がなくて困っていらっしゃる世界中の患者さんの自発性を回復する」

この思いで突っ走っていた私は、安全管理部に誘って頂いた時、新薬開発では意見はほぼ通る位に専門家として信頼されていました。
転職も考えたのですが、私に「want to」の会社人生を送らせてくれた会社が望む異動なので、この会社への貢献と、安全性情報の専門性を高めて、新薬開発に戻ることを胸に秘めて異動しました。

安全性管理部の仕事は医学の基本である「疫学」を取り入れた仕事でした。疫学は簡単に言うと「大規模な健康調査」です。
世界単位、国単位、地区単位、季節単位で病気の発症や健康状態を調査して、国民、市民の健康に役立てる学問。
新薬開発も「疫学」は必要でしたが、安全管理部に要求されるレベルは桁違いに大きかったのです。

私が扱う疫学のレベルが桁違いに大きくなり、市販薬での日常使用の調査や目的を持った試験の実施についての専門知識を身に付けました。
そして、コンピュータシステムを使った情報処理を新薬開発から市販薬まで網羅できるデータマネジメントの専門知識を身に付けました。

「安全管理部」の次は「品質保証部」。
新薬開発の「臨床」から離れて「モノの品質」の世界に入ってしまうのでこの時も転職を考えました。
しかし、一人で製薬会社を経営できるだけの専門知識を身に着ける機会だと考え、品質保証部に異動しました。
品質保証部の仕事は市場に供給している医薬品の品質を保証すること。
工場ではなく本社機能としてそれを実行していました。
つまり、システムとして医薬品の生産から市場供給を保証する役割だったのです。
もう一つ、製品のライフサイクルマネジメントの起点でもあります(安全管理部もこの役割があります)。
品質上の課題を解決するために製品を変更したり、新製品を出したりします。
安全性情報においては薬の説明文書である添付文書に安全にお使い頂けるように新たな副作用情報を追加します。
また、目的を持った試験の結果として、抗がん剤に免疫抑制剤の適応を追加したり、味が苦い抗生剤にシロップ製剤を追加したりします。
この仕事で目標「製薬会社を一人で経営できるようになる」ことを達成するために新たな知識技術を獲得しました。その知識技術は経営品質(意図した通りの経営)の保証。

“ニューラルネットワークが脚光を浴びていた時、理論家の一部が主流を離れ、振る舞いを重視しないモデルを構築した。これは自己連想記憶と呼ばれ、やはり単純な「ニューロン」がたがいにつながっていて、ある閾値を超えると興奮する。だが、そのつながりに特色があり、数多くが逆方向に戻ってくる。誤差逆伝播ネットワークのように情報が前に流れるだけでなく、それぞれのニューロンの出力にふたたび入力される。まるで、自分自身に電話をかけるようなものだ。この逆戻りによっていくつかの面白い特徴があらわれる。”
(ジェフ・ホーキンス, サンドラ・ブレイクスリー著, 伊藤文英訳, 考える脳考えるコンピュータ,P.41, ランダムハウス講談社, 2005)

私の役割の「再定義」

私が「want to」の新薬開発以降、部署を変わる度に行って来たのは「私の役割」の再定義でした。
私は部門を異動する度に「相転移」を果たしたと感じています。

私は嫌嫌、仕事をするのが嫌だったので、自分が納得できるように「今やっている仕事」を自分のキャリアに役立てるよう位置付けました。
これは「脳と心の扱い方」の訓練になりました。

この会社では仕事を嫌嫌していたヒトは少なかったと感じていましたが、社外のヒトでは少なくはなかったようです。
今でも嫌嫌までは行かなくても主体的に仕事に取り組めないヒトに出会います。

小学生から父に「公式を使えばどんな問題も解ける」と言われ続けていたので、嫌嫌仕事をしないための「公式」を無意識のうちに作って実行していたようです。やがて、それは、どんな場面でも通用する「公式」に「相転移」して行きました。

“細胞は、いくつかの「安定した状態」を取り得るが、その能力がピークの状態にあるとき、正のエネルギーバランス、すなわち生命を最適化し、未来に向けて発展するために使える余剰が最も得られやすい安定状態へと自然に向かう。その結果、細胞は繁栄を享受できるのである。この文脈では、繁栄とは、生存に資するより効率的な手段の確保と繁殖の可能性の両方を意味する。”
(アントニオ・ダマシオ著, 高橋洋訳, 進化の意外な順序, P.48, 白楊社, 2019)

部門が変わると、
一緒に仕事をする同僚が変わり、同僚との関係性を再構築します。
必要な専門知識が追加され、知識技術体系を再構築します。

生まれてこれまで結んで来た関係性、獲得した知識技術は増える一方であり、私の世界観に整理して組み込んで来ました。

この活動を嫌嫌ではなく「主体的、対話的で深い学び」ととも継続できたのには理由があります。

私はプログラミングは出来ませんでしたが、幸い、データマネジメント(目的を持った情報処理の設計と実施に渡る品質保証)の才能が飛び抜けていたようで、新薬開発、安全管理部、品質保証部のすべての部門で統括業務を任されました。

部門の全体を知ることができる仕事をしていたからです。

部門の全員と対話をする機会に恵まれ、私の専門知識はどんどんと拡大し緻密になって行きました。
これは私が扱う専門領域が拡大し、私の役割も拡大して行った歴史に他なりません。

新薬開発の専門家→新薬開発の専門家2.0→製薬業の専門家

私は製薬会社に入社してから製薬業の専門家に向かって安定して成長を続けました。

”抽象的に言うと、生起確率が小さいと思われていた事象が生じた場合に、素早くその部分に注意を向けると指摘できるかもしれない。これは、情報科学の分野ではシャノンのサプライズとよばれ、このような考えを新規性検出仮設という。また、人間を含むすべての動物は、環境に対してサプライズが小さくなるように学習するようになっている。”
(乾俊郎, 感情とはそもそも何なのか, P.63, ミネルヴァ書房, 2018)

学び直しの機会

品質保証部の在籍中に私費で立命館大学テクノロジー・マネジメント研究科に通常の仕事をしながら通い、技術経営の修士になりました。
土日と平日の夜、大学院に通い、ものづくりを体系的に学びました。調査研究テーマは「イノベーションの起点におけるスペシャリストの思考と行動」。
先行研究を調査して、プロセスとしてのイノベーションモデルを仮説として設定。9領域、24名の新製品開発担当者にインタビューして、この仮説を検証しました。仮説に対する新たな発見があり、調査の結果、プロセスとしてのイノベーションモデルとコンセプトとしてのイノベーションモデルを現しました。この研究をある学会で発表し、優秀賞を受賞しました。

私が担当した新薬開発はイノベーションそのものであり、安全管理はイノベーションを安全に普及する活動であり、品質保証は新薬開発から安全管理までのシステムをデザインし、その実行を保証する活動でした。
私はご縁を頂いた製薬会社のお陰で、イノベーションをデータマネジメントする理論を体系化しました。

私はこの理論を

変化と安定を同時に実現する日常の仕事

に適用しました。

変化する安定
安定する変化

“実は生命とは何かという問いは、古代ギリシャ時代以来、これまでに何度も繰り返されてきた。事実、人類の知性に絶大な影響を及ぼしたアリストテレスの哲学の支柱は「神は知性であり、理性は生(命)であり、生(命)は活動である」という三位一体であった。”
(志村史夫, こわくない物理学, P.15, 新潮社, 2002)

原点に戻る

ある時、会社員のままでは、私は8歳で立てた目標「すべてのヒトが幸せであり続ける地球の実現」を会社員のままでは実現できないと思うようになりました。

自らを刷新する。

そこで、2014年に会社員を卒業して2015年からイノベーション人財の育成を核にした経営コンサルティングを行うことにしました。
この卒業も私は「相転移」だと感じております。

意思決定コンサルタント(商標登録済み)を名乗っているのは、イノベーション人財の意思決定には共通点があり、その共通点を一人一人の中に再現して行くのが私のコンサルティングだからです。

会社員を卒業してからコンサルタントになる決めてから、いつかは実業を持つと決めてました。

その実業が「次世代の人工知能(nextAI)とそのエコシステム(生態系)」です。

新薬のエコシステム
・新薬開発
・新薬の安全な普及(社会実装)
・開発から社会実装のデータマネジメント(経営品質の保証)

nextAIのエコシステム
・nextAIの開発
・nextAIの安全な普及(社会実装)
・開発から社会実装のデータマネジメント(経営品質の保証)

対比してご覧になればお分かりだと思いますが、nextAIの開発は新薬の開発のアナロジーです。
私が25年間、仕事を楽しみながら理論化したイノベーションモデルは、十分にnextAIのエコシステムをカバーしています。
このブログ「理念の体現」にもnextAIのエコシステムをいくつかの記事にしていますし、拙著「マインド・ドリブン・ソサイエティα」は、このエコシステムを著しています。

個人を起点とするイノベーションの品質保証の専門家→個人を起点とするイノベーションの品質保証の専門家2.0

そして、新薬のエコシステムはあらゆる新商品や新規事業を開発するアナロジーだと私は考えています。

会社員の悩み

冒頭の二人の会社員の悩みを私の体験に対比すると次の状況が想定されます。

・自分が置かれた状況を(    )「脳と心の扱い方」
・(  )における自分の役割の(    )
・何を(   )今の(  )をするのかという観点
・「本当の(  )」からの(    )

もし、今、あなたが抱えている悩みの原因がこの4つに含まれるとお考えであれば、私はあなたの悩みを解決できます。

更に、あなたのイノベーション(独自の商品やサービス)を社会実装するためのコンサルティングをご提供できます。
ご希望であれば、その立ち上げをご一緒させて頂きます。

これから、日本は国家の枠組みがどんどんと変わって行きます。
新しい枠組みのハードな社会基盤となるのは間違いなくnextAIです。

この変化にあなた自身がリーダーシップを発揮されることが、あなたの今後の人生におけるリスクマネジメントとなります。
今、あなたが会社員であったとしても、今後も会社員であり続ける選択をされるにしても、人生におけるリスクはマネジメントできます。

その知識技術を私が伝授致します。

詳細をお知りになりたい方はこちらまでご連絡をください。

#過去は関係ない
#永遠の今を生きる

 - イノベーション, コーチング, データマネジメント, モデル, リーダーシップ, 下村拓滋, 人工知能, 体系, 意思決定, 自己効力感, 苫米地英人 , , , , , , , , , ,

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