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教育システムとリーダーシップ

      2019/08/19


教育システムとリーダーシップ「チームで勝利して幸せを感じるために、ゲーム観とプレイ観を探求しました。
Footballは単純な競技です。ゴールが2つあり、相手ゴールを奪い、自ゴールを奪われない。試合が終了した時、ゴール数の多いチームの勝利。様々な体験を知識として蓄積したり、複雑な状況を単純にして行く態度はFootballから学びました。」
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)

マインド・ドリブン・ソサイエティの中心は人財育成です。

2019年2月20日、21日と「自己をめぐる冒険  現象学・ロボティクス・神経科学・精神医学の境界を超えて」に参加しました。哲学から現れた「自他の重ね合わせ」を脳科学、ロボティクスで解明し、現実世界に適用するプロジェクトの説明会。

私の参加目的は「ヒトのprinciple(たった一つの行動原理)を明らかにする」でした。

新たに理解した概念
・ミニマルセルフ
・ナラティブセルフ
・予測誤差の最小化

これらの概念がprinciple(ヒトのたった一つの行動原理)に繋がりそうです。

この感覚
・自分の純粋な気持ちから生まれた才能を感じ取ることができる。

この認識
・ヒトは独自の脳と独自の身体を持っているので各々が独自の脳の創り上げた世界に住んでいる。
・一人一人が独自の脳の中で幸せを探求している。

この事実
・コミュニケーションの対象は「ヒトが意識と呼んでいるモノ」である。

principleはヒトにこの感覚を齎し、この認識を持たせ、この事実を明らかにします。

“またヘルムホルツは感覚と知覚を区別して知覚が感覚の原因である事象を推理することで初めて得られるものであると考えた。またあらゆる知識の形成に先立ってその働きを規制する根本に因果律があると考えた。そのような立場から数学及び自然科学とりわけ物理学の基礎づけを行い、ヘルムホルツは時間的に普遍的な力(エネルギー)を考え、自然現象はこういう力を持つ物質の運動として把握すべきであるということを力説している。”
(乾俊郎, 感情とはそもそも何なのか, P.34, ミネルヴァ書房, 2018)

人工知能(AI)の開発は、裏返すとヒトの認知の理解を深めて行く過程を伴います。
そして、認知はやがて量子物理学によって説明できるようになって行くでしょう。このprincipleは社会のあらゆる課題の解決に適用できます。

今回、私が今、事業の対象としている働き方改革にこのprincipleを適用したシミュレーションを試みます。

仕事は課題設定と課題解決の繰り返しです。課題にはその真因があります。ここにも、principleはあるのですが、課題の真因はprincipleそのものではなく、principleが反映されていない「何か」になります。

私が考える働き方改革とは、仕事の課題の真因を明らかにし、それを取り除いて課題を解決する時間の最短化と扱う範囲の最小化です。

たまたま、こんな記事「テクノロジーによる自動化は『若者』と『地方』を襲うを見かけました。
“最初に自動化される仕事は、職業の入り口になる単純労働。その結果、若者と地方の仕事が機械に置き換わる。”

この記事では仕事の自動化と課題(若者と地方に仕事がなくなる)との因果関係を次の通りに推量しています。
仕事の自動化の対象は商品の梱包等の単純作業です。この単純作業は仕事の入り口として若者が従事している。単純作業の組み合わせである工場は敷地や賃金との兼ね合いで地方に多くある。故に仕事が自動化されると若者と地方の職を奪うことになる。

社会がこれまでの延長線上で進んでいくとこの記事が推量している未来がやってくる可能性は高いと思われます。

今回のシミュレーションは、「働き方改革により若者と地方が活き活きと働く姿に変貌する」を対象とします。

まずは、現状の確認です。

国会で取り上げられている働き方改革のテーマは「長時間労働の是正」と「組織の生産性向上」です。

組織の生産性の向上と切り離せないのがAIの活用。仕事の自動化の範囲や生産性そのものをAIが劇的に高めることが期待されています。
2018年12月27日、内閣府が発表した「人間中心のAI社会原則(案)」について取り上げたブログ記事です。

サッカー型組織とサッカー型社会
“(原則案からの引用)AI が広く浸透した社会において、教育環境は、一方的かつ均一的に教える教育の在り方から、個々人の持つ関心や力を活かす在り方へと変化すると考えられる。そのため、社会は、これまでの教育環境における成功体験に拘ることなく、常に最適な形へと柔軟に変化し続ける意識を全体として共有する。教育において、落伍者を出さないためのインタラクティブな教育環境や学ぶもの同士が連携できる環境が AI を活用して構築されることが望ましい。”

人間中心のAI社会原則(案)の設立背景
“(第7回の記録の要約)経団連ではSociety 5.0にはOpportunity, Productivity, Diversityがあり、最終的にはHappinessを目指す。それを実現するのが「AI readyな社会」。このフレームの中で戦略的枠組みと企業のあり方の改革、そして教育改革を検討している。”

この「人間中心のAI社会原則(案)」の叩き台になったと思われる「AI戦略(案) 全体俯瞰図
この全体俯瞰図が実現した時、すべてのヒトが自分はどんな人生をあゆみたいのかをイメージできるようになれたら良いですね。

内閣府の社会原則(案)を受けて経団連から発表されたAI活用戦略
“(おわりに、より)われわれは、その一つの方向性として、「Society 5.0 for SDGs」を掲げ、さらに「多様性を内包する成功のプラットフォームとしての日本」を目指している。”

ここまでが、働き方改革に多大なる貢献をすることが期待されるAI開発および社会実装の日本の現状です。
個人の幸せに役立つAIを実現し、個人はそれを使いこなす能力を身に着ける。それが「AI readyな社会」の実現に繋がり、人間中心のAI社会のモデルとなる。課題先進国である日本は、今後、世界の国が経験することになる課題解決のリーダーシップを発揮して世界にその存在感を示す。

次からが働き方改革です。

私は自分が製薬会社に勤務した経験から、ヒトが仕事を通じて幸せを感じることができると素晴らしいなあと思っていました。
それを実現するための一つの組織として、「サッカー型組織」を1990年代から提案しています。個人が一人一人主体的に仕事ができる態度と環境を会社の中で創り、会社は社員一人一人が自律的に仕事をした結果、knowledgeが蓄積され、未来の経営に活かされる。
このモデルを持っています。

このモデルを使った働き方改革の提案を本ブログの記事にしています。

働き方改革→個人の能力開発
「働き方改革に役立つシステムの要件を『同じ労働は同一賃金。』『長時間労働の是正。』『個人の生活に合わせた働き方。』『高度プロフェッショナル人財。』の実現とします。
この前提は、その企業で働いているヒトが幸せを感じることです。
自分を幸せにするのは自分。これは他人に期待するのではなく、自分に期待するという態度が求められます。」

働き方改革を考える ヒトの認知の壁を突破する。
「7つ目、事業をデザインする人財を育成する。機能毎に専門化した組織の仕事では、会社全体の動きをなかなか掴めません。それができる人財もなかなかいません。その人財を内部で育成をしましょう。一番は本人の志向にあるので、働き方改革で会社の制度を変更する時に、この課題に対応する仕組みも組み込みましょう。社員の自発性を高めて会社の生産性を高めるにはマネジメントの力量が問われます。その制度設計は全体を俯瞰する力と、会社の共通目的達成に向けて、経営資源を効果的に組み合わせる洞察力と、全体像を完成させる実行力が必要です。この制度がシンプルなルールでデザインできると日常のマネジメントのポイントが絞られて社員も自分の役割、専門に専念できます。一方、複雑なルールでデザインしてしまうと日常のマネジメントのポイントが増えて、社員は自分の役割以外の何かを負担するようになり生産効率がこの分下がります。この能力を発揮できる人財の有無が会社の安定した成長の実現を左右してしまいます。」

ヒトの幸せと仕事の効率化
「私が仕事をしているヒトと自分を観察した結果として、そのヒトの仕事における幸せのフレームは次の3つです。
・そのヒトの世界観における仕事が占める割合(多いのか少ないのか、仕事の定義)
・自分がどこまで繋がって行きたいと思っているのか(職場の仕事仲間、全社員、日本、全世界等)
・未来志向(どの程度現状維持を望んでいるか)」

自律分散型組織のティールから学んだ
「組織では個人で完結する仕事はまずありません。仕事を始める前に仲間と合意しておかないと、仕事の実行ではなく調整に大半の時間を費やすことになります。従って、お互いが無駄を排して仕事をするためには、様々なレベルの標準や方針が必要になります。これを必要だと感じた個人が起点となって自律分散型組織でみんなで決めます。」

“さらに、経営戦略論という、環境への適応を課題としながら、組織の方向性を見定めて戦略を立案し実行するアプローチが、1960年代から経営学で注目されました。代表的な研究者はアルフレッド・チャンドラーです。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.212, ダイヤモンド社, 2018)

私が提案する働き方改革のprincipleは、「社員が自律的に仕事をした結果、そのKnowledgeが会社に蓄積され、必要な社員と共有できる。」です。
社員が自律的に仕事ができる環境は、社員が会社の目的を自分の仕事を事例として語ることができ、面白くないと思う仕事を自動化できる環境が会社で用意されている状況です。
社員が自律的に仕事をした結果、そのKnowledgeが会社に蓄積するためには、チームで仕事をして各メンバーのknowledgeを直接共有する仕組みと、すべての仕事をコンピュータを介して実施して、仕事の流れや判断基準をコンピュータシステムに組み込む経営が役立ちます。
蓄積したKnowledgeを共有するためには、一人一人の社員がキャリアプランを持ち、そのキャリアプランを実現するために一緒に仕事をしたい社員、身に付けたい知識技術、具体的な日々の仕事を特定することが前提となります。これを前提として、すべての社員の仕事の記録が、すべての社員のキャリアプランに結びつくレベルで分解され、アクセス可能な情報として公開され、そこから一人一人の社員が自分に必要な情報を取り出せる能力の獲得に役立ちます。

キャリアプランに「こんな社会を実現すること」まで書き込める人財が増えて行くと、会社も社会も個人の幸せの生産性が格段に高まりそうです。

そんな社会にして行くために、一人一人が「純粋な気持ちから生まれた才能」を職業にできる社会アーキテクチャが望まれます。最終的には、働かなくても生きていける社会なんだけれども、「今、幸せを感じて、次の幸せに向かう」ために仕事を創り出すヒトが溢れた社会になると推量しています。

そのために、

これからの社会を語れる日本人を増やす。
そんな、教育改革を望みます。

教育実践家の菊池省三さんの活動は参考になるかも知れません。

「主体的、対話的で深い学び」この授業観を確立された方です。
この授業観を実現するためのキーワード「価値語」をいくつも作られています。

その中に、「一人が美しい」「一人を作らない」という2つの言葉があります。私には「リーダーシップ」の本質を表している2つの言葉に思えます。

自分自身を認めることができて、他者からも認められるリーダーシップ。それを世界各地で実践している。そんな日本人を育成できる教育システムにしていきたいです。

“生物学的な現象は、やがて文化的な現象に転じる出来事を引き起こし、促すことができるようになった。そしてそれは、文化の夜明けの時代に、個体、集団、場所、過去の経緯によって決まる特定の状況のもとで、アフェクトと理性を媒介として成し遂げられたと考えらえる。またアフェクトの獲得は最初の動機に限定されず、このプロセスの監視のために繰り返し生じてきた。アフェクトと理性の間では常に調整が行われているが、そこで必要になるたびに、多くの文化的な発明の未来に介入し続けてきたのだ。しかし、文化的な心に宿る感情や知性を決定する生物学的現象は、物語の一つに過ぎない。”
(アントニオ・ダマシオ著, 高橋洋訳, 進化の意外な順序, P.42, 白楊社, 2019)

若者と地方で活き活きと仕事をしているヒトが溢れる景色を働き方改革でどう実現するのか。

それは、既に、お示しした働き方改革の提案が前提になります。

更に、社会で起きている大きな変化を前提として追加します。
ヒトの欲求が「モノの消費」から「新しい体験」へと変化して来ています。「おもしろ動画」がTVで取り上げられているのも、動画そのものが未体験な場面を提供してくれるからです。これまでの「モノの消費」もそれを使った「新しい体験」という側面もありましたが、資源の枯渇から消費しない生活へと社会が変化してきています。シェアリングエコノミーは、この変化によって生まれた経済です。コンテツビジネスといって知識や技術を提供する経済もインターネットの普及で拡大しています。これは、購入者が獲得した知識や技術でこれまでにない体験ができるからです。
大量に作って広範囲に提供することが可能な商品がどんどんと少なくなっています。

若者の場合は、教育システムとして「自分と社会との本当の接点を見つける」環境の追加が加わります。

地方の場合は、その地方にしかない経営資源の活用が加わります。

まずは、若者です。

SNSができてから生まれたヒト達は、SNSからの情報収集や、SNSへの情報発信が日常になっています。
情報発信をすると反応のないことや、反応のあることで社会を理解します。SNSのない時代に比べて、学生が社会をより身近に感じられる時代になりました。

夢中になることが本当の自分に氣づくきっかけ

ブラック企業や働き方改革が社会の話題になったからか、コワーキングスペースやカフェで起業志向の大学生によく出会います。
一流企業に就職をしても、辞めてしまう社員が昔よりも増えたと聞いています。
名古屋の大学に通っていた幼馴染の子供が学生時代に起業して、卒業後、その会社を経営しています。

社会に出るときは起業する。
起業した友達の会社で働く。

「環境、学習」の上に、すべてのヒトの日常があります。

私は中学生の頃から、ガリ勉しながら、このガリ勉が将来何の役に立つのだろうと自問自答していました。大人になって出した結論は、「短時間に知識を詰め込むためのトレーニング」です。新薬開発に携わって分かったのは、「新しい仕事に必要な知識を特定して、その知識を獲得する」ことが最も効率的な知識の獲得の仕方だということでした。これに氣づくことができたのは、小中高とガリ勉をして来た成果なのかも知れません。しかし、12年間も必要だったとは思いません。

2019年1月に高知で開催された日本サッカー協会のフットボールカンファレンスのU-12の分科会で「考える選手の育成」がテーマでした。会場で「小学3年生の選手にも、目を見てどんな選手になりたいのか、試合中のあの場面で何を考えていたのか、と質問をします」と私の事例を紹介したところ、賛同して頂けました。

教育現場での具体的な取り組みで提案したいのは、コーチングとリアル起業家教育です。どちらもアクティブラーニングの対象です。コーチングでは相手の考え方を尊重する態度と質問力を身につけ、リアル起業家教育では、課題設定能力と課題解決におけるリーダーシップを身につけます。この2つのテーマは12年間かける価値はあると思っています。

「自らへの設問」

この質を高める環境を社会に作っていく地道な活動が、自分の幸せにリーダーシップを発揮して、純粋な気持ちから生まれた才能を職業にする能力を獲得する個人を増やして行くと信じております。そして、体験のすべてを今の「感覚」に集約していくパスを持てるようになることが最も重要な学習と環境の要件だと考えます。

これは、先にお示しした働き方改革のprincipleに繋がる要件です。

次に、地方の場合です。

地方でも若者への教育システムの変化が前提として追加されます。

今、東京で仕事をしているヒトの幸せが家族と過ごす時間を増やすことであれば、家族と地方で生活をする選択肢があります。
鬱で休職中のシステムエンジニアが1年間の農村生活ですっかり元気になったという記事をwebで見かけました。

また、通信技術の進化もあり、地方でも起業できる環境は整っています。
地域振興が行政のみならず、地元の経済界からも望まれています。
自然が豊かであること、通勤時間、物価を考えると、面白い仕事、やりがいのある仕事があれば、地方でもヒトは集まって来ます。

地域の魅力は文化的な遺産や自然、食べ物だけではなく、人財も含まれます。
特徴のある人財を活かして行く社会アーキテクチャ、それは、一人一人が違って当たり前であることを真に共有できるかが鍵になると考えます。
地方では、この部分が働き方改革や起業、起業ができる人財育成にとって課題になっていると私は考えます。

この部分は大人を含めた教育システムとして取り組み、それをその地域で主体的に実行するリーダーシップが必要になります。

すべての会社における働き方改革。
すべての学校における教育システムの改革。
地方における、大人を含めた一人一人が違って当たり前であることを共有したお互いの関係性の結び方を獲得できる教育システム。

この3つが「働き方改革により若者と地方が活き活きと働く姿に変貌する」ポイントです。

一言にすると「あなたの世界観とprincipleをあなたの言葉で説明できるようになる」
これに尽きます。あなたがご自身の次の幸せにリーダーシップを発揮されたなら、必ずできるようになります。

#主体的対話的で深い学び

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