データ抽出とデータ生成から見たprinciple
「このサッカー型組織が、MDS(マインド・ドリブン・ソサイエティ)の全体にわたり存在しています。繰り返しますが組織の生産性の向上は個人の専門化を必要としており、マイクロマネジメントでは個人の専門化は十分に達成できません。限りなく自律的に活動できるマインドを持つ個人の集団を形成する流れは既にできています。サッカー型組織は人財育成、過疎地の活性化、食糧及びエネルギーの研究開発センター、超幸せビッグバン企業、働き方改革のすべてに反映できる組織形態です。」
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)
2019年8月6日、昨夜、統計学の勉強会に参加して参りました。
先生が発表の中で、データサイエンスを紹介されました。
そこで、出てきたのが、
データ抽出、データ成型、データ生成、データ分析
データ抽出とデータ生成の違いが分からなかったので先生に質問をしました。
どちらもデータサイエンスのinputだと考えたからです。
データ抽出は、既に収集を始めた時には存在しているデータ。
データ生成は、解決したい問いに答えるためのモデル(仮説)に従い収集したデータ。
データには収集する目的があります。
すべてのデータは生成されるのに、データ抽出という概念があるのは、何故なのでしょうか?
“まとめると、予測誤差を計算しているニューロンに注意を向けることは、信号の精度を一時的に高めることと同等であるということなのである。逆に、「精度の悪い信号に対しては、予測誤差がないと判断し、注意が向かない」のである。また、ドーパミンを投与すると、注意機能が高まり、瞬間提示された単語を報告する正答率と確信度が増加することが示されている。”
(乾俊郎, 感情とはそもそも何なのか, P.76, ミネルヴァ書房, 2018)
今回のテーマは「データ抽出とデータ生成に見るprinciple(当たりをつけて詳細を明らかにする)」です。
データサイエンスの最先端は医療である、と、私は考えています。
その活動領域に広大な不明領域を抱え、全てを理解していない状況でも「製品」が市場に供給され、そのリスクマネジメントの世界的な体制(CIOMS)が機能しているからです。
世界的なリスクマネジメントが機能している他の業界をご存知の方は教えてください。
SDGsの目的である持続可能な地球の実現を資源の有効活用と読み換えることができるのであれば、医療の世界ではICHが世界を巻き込んで医療資源の有効活用のための活動を1980年代から実行していました。
データサイエンスは、資源の有効活用においても重要な役割があると考えています。
まだ氣付いていない世界の構成要素間の関係性を見つけて、それを資源の有効利用に繋げる可能性を高めることができそうです。
昨日の先生によるとデータサイエンスは統計学に含まれます。
私は学問としての統計学は薬学部の大学の教養課程の数学で学びました。
大学卒業後、製薬会社に勤務して、新薬開発で臨床試験に参加して頂く患者さんの人数を決める時、新薬の効果を分析する時に統計学を使いました。当時の会社では統計解析の専門部署があったので、私は臨床試験のデザインと意図をお伝えし、その枠組みの中で数学的に結果を証明することを依頼しました。統計解析の具体的な手法の知識を獲得するというよりも、統計解析が新薬開発で果たす役割に関する知識、統計解析の専門家に私の意図を伝えるための知識と技術を獲得しました。
統計解析に限らず、有機合成、薬効薬理、体内動態、製剤学、規格設定、スケールアップ、製造管理、ロジスティクス、Medical Writing、Quality Writing、マーケティング、営業、薬事、経営の知識も、その専門家にこちらの意図を伝え、相手の意図を理解するための知識と技術として獲得し続けました。
統計はヒトが生まれながらに備えている標準装備であり、感覚として使っている技術です。
目的を持つとヒトはそれを達成するための知識や技術を獲得します。
必要な知識や技術のすべてが今の世界観の中に含まれていれば、その必要はないのですが、多くの場合、そのヒトが目的として意識する場合、そこに「不明領域」が現れる場合がほとんどです。
この不明領域を特定して、そこを明らかにするために新たな知識や技術が必要になります。
この不明領域を明らかにする時、我々は標準装備の統計を感覚として使っています。
その使い方は、多分お母さんのお腹の中にいる時から学び続けているのだと私は推測をしています。
お母さんのお腹の中から出てきてから、赤ちゃんは、まず手足が自分の身体であることを感覚として知り、次に思い通りに扱う方法を学び感覚として扱えるようになります。
それと、同時に視覚も徐々に獲得していきます。ぼやっと見えていた視覚がどんどんと鮮明になっていきます。動くものの認識が動かないものの認識よりも先に確立される。
快を齎してくれるヒトの声や感触、雰囲気。
多くの場合、お母さんですが、そのヒトであると認識できるようになるのは、標準装備の統計の知識の成せる技だと私は考えております。
統計の感覚を使う能力を磨く最初のパートナーはお母さん。
“クーパーライダーの創始した新たな組織開発ーアプリシエイティブ・インクアイアリーは、「意味というのは当事者同士の主観を持って発見可能であり、また、コミュニケーションを通じて認識は作り上げられる」とする「社会構成主義」の考え方に立脚するものでした。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.285, ダイヤモンド社, 2018)
不快な状態に我慢できなくなると泣くのも標準装備。
そして、
快に対する身体の反応、笑顔、笑い声も標準装備。
これらの標準装備、
・統計の知識を感覚として使う
・快に対する身体反応
・不快に対する身体反応
が、条件反射的に快を求め不快を避ける活動の精度を学習により高めて行きます。
この精度は「予測誤差の最小化」と呼ばれています。
“したがって、物質と生命は明確に区別されなければならないように思われる。しかし、現実的に、物質がなければ生命は生じ得ないことも事実である。”
(志村史夫, こわくない物理学, P.17, 新潮社, 2002)
データ生成とデータ抽出
この自分の体験を通じて獲得する記憶は「データ生成」になります。
そして、
私の場合、新薬開発で様々な専門家から入手する知識が「データ抽出」になります。
私の世界に現れる不明領域を大きく分けると、「自分の体験の内側」と、「自分の体験の外側」の2種類に分かれます。
簡単に言うと
「自分の体験」、
「他者の体験」
です。
自分の目の前で展開される景色の変化は「自分の体験」。
自分とは全く切り離された他者が過去に体験したり、同じ場所に居ながら自分とは違う視点で体験した世界が「他者の体験」。
「自分の体験」は自分の「人間モデル」(man model)を通じて収集したデータなので「データ生成」。
「他者の体験」はその話を他者から聞いた時には既に他者の「人間モデル」を通じて収集されたデータなので「データ抽出」。
「他者の体験」がそのまま参考にならないのは、自分の「人間モデル」とは異なるモデルによって収集されたデータだからです。
そのデータを活用するにはモデルの違いを理解した上で、自分のモデルにマッチさせるための変換が必要となります。
この場合、不明領域は2種類です。
・他者の「人間モデル」
・「他者の体験」を自分の「人間モデル」にマッチさせるための変換ルール
この2つを明らかにする過程にもprinciple「当たりをつけて詳細を明らかにする」が適用されています。
“要するに、あらゆる細胞は無事生き続けていくための断固として「意図」らしきものを常に示してきたのだ。この断固とした意図は、アポトーシスと呼ばれるプロセスによって細胞が文字通り内部から破裂することで生じる老化や、疾病によってのみ失われる。”
(アントニオ・ダマシオ著, 高橋洋訳, 進化の意外な順序, P.49, 白楊社, 2019)
私は意思決定の専門家です。
個人の意思決定、組織の意思決定ともに、その課題を抽出し、解決に導きます。
そして、
あなたが抱えている不明領域。
・他者の「人間モデル」
・「他者の体験」を自分の「人間モデル」にマッチさせるための変換ルール
を明らかにする専門家でもあります。
もし、あなたが、今、人生をかけて達成したい目標を見つけたい、とか、その目標はあるけれどもなかなか前進できなくてどうにかしたいと思っていらっしゃるのであれば、もしかしたら、私があなたの課題を解決するパートナーなのかも知れません。
私のprincipleが、あなたの課題解決に役立つと感じられましたら、こちらまでご連絡をください。
#MetaAnalysis
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