「思い込み」と「勇気」
2019/05/14
また、臨床試験の計画書の検討会の運営を5年担当した結果、臨床試験の理論を自分なりに体系化しました。この経験から計画書の作成やトラブル対応の際にアドバイスする役割を担っていました。こんな時、担当者のお役に立てる幸せを感じていました。この時の私のマインドは、新薬開発全般の最新の知識を収集して、一人一人の開発の担当者に情報提供と業務の標準化で役にたつというモノでした。私の嗅覚、俯瞰力、洞察力、全体像を創る実行力を最大限に活かすとこの役割になりました。」
(シモムラタクジ, マインド・ドリブン・ソサイエティ α, affirmativeArchitect出版, 2018)
あなたは他者との認識の違いを感じたことはありますか?
愚問でしたね。
すべてのヒトは他者との認識の違いを感じています。この認識の差がすべてのヒトの悩みの種。
認識の差があるから共通目的を達成するために創られた組織にはルールがあります。
ルールの他に「暗黙のフレーム」を押し付けてしまうと、
・今、個人の生産性が課題になっている日本企業のような状態
・会計の不正が何代もの社長に引き継がれるような企業の状態
・ある特定の役職者に業務の負担を押し付け自死によってその実態が明らかになるような企業の状態
こんな状態を生み出してしまいます。
私にはルールを破っていたとしても誰も指摘しない「暗黙のフレーム」を押し付けた結果に思えます。いじめの状況に似ていますね。
“モチベーションは行動を決定する上で重要であり、目標に向けて行動を引き起こし、満足するまで行動を持続させる過程または機能をいう。これも感情と密接に関係しているが、モチベーションはどこから生じるのだろうか。それは基本的には動因(drive)と誘因(incentive)による。動因は生体内部から行動を引き起こす力を意味し、誘因は外部からの力をいう。”
(乾俊郎, 感情とはそもそも何なのか, P.29, ミネルヴァ書房, 2018)
「暗黙のフレーム」を遵守しなければ会社は、組織はやって行けないのでしょうか?
今回は「暗黙のフレーム」に息が詰まりそうな思いをしているヒトのためのテーマです。
「思い込み」と「勇気」
「思い込み」と「勇気」は、少なからずすべてのヒトが持っているモノです。
「愛」と同じですね。
2018年1月21日、サッカーのコーチをしてきました。
ミニゲームでのスピードとアグレッシブさが増してきて、選手達の成長を感じております。
小学生のサッカーでは、ボールを怖がることを克服することが課題となる選手がいます。
次は接触プレー。私は中学時代、バスケットボールで相手の守備陣形の中に切り込むプレーがなかなかできず苦労しました。
もう一つ、
大柄な相手選手がいると、相手の後ろに抜けるプレーを躊躇する選手もいます。相手が大きいので、抜けないのではないか。そうすると、自分から仕掛けることができなくなります。
スポーツにおけるこのような場面、あなたは仕事で経験されたことはありませんか?
こんな習慣は変えたくありませんか?
すべてのヒトは元々、幸せになるために必要なモノを持っています。
それは、どんな状況であったとしても、今、幸せだと思えば幸せになれることで証明されると考えています。
この証明は一人一人に確認していかなければなりませんが・・・。
“また、それらの診断モデルを用いた、または、診断モデルを用いない場合もありますが、現状についての「データ収集」、集められたデータの整理「データ分析」、その結果をきっかけとして話し合う「フィードバック」という、診断のフェイズがある診断型組織開発が確立されました。”
(中原淳, 中村和彦, 組織開発の探求, P.208, ダイヤモンド社, 2018)
「生きる」と「幸せ」
これも、この世に生まれたヒトであれば、体験しているコトです。
すべての人が「幸せ」を目指す。その過程で起こる、他者との衝突が多くのヒトの悩みの原因であるようです。
衝突を繰り返し、それにうまく対処できないことが続くと、衝突しそうな場面で、自分を表現しにくくなってしまう人を身の回りで感じることがありました。
そんな状況を生み出す原因として私が感じるのは、
・当事者がお互いを理解する態度、
・この場がどのようにして出来上がっているのかを情報共有する態度
の弱さです。
時間的な制約から生じるこんな場面を良く目にしました。
習慣を変える要素として「思い込み」と「勇気」を考える時、こんな状況を記憶から呼び起こしました。
お互いが理解出来ないという思い込み。
これは、ストライクゾーンを儲ければクリアできると考えています。
お互いをどの範囲で理解すれば良いのかということです。
仕事の場合、スポーツの場合、そこにみんなが集まっている目的があります。
その目的を達成する範囲でお互いを理解する。
そのためには、その場がどのようにして出来上がっているのかを情報共有することが有効です。
この情報共有の際、質問を躊躇したり、質問そのものをするつもりのない方の存在も感じてました。
そんな場では、質問を促すことが私の役割だと思ってました。
情報共有して、お互いの考えを出し合い、共通目的を達成するためのストライクゾーンを共有できた段階で、必要な「勇気」は発揮され、無用な「思い込み」はなくなっている。これは私の体感覚です。
衝突から新しい価値を生み出す。これは習慣を変えることであると私は考えます。
果てしなく可能性について考えてみる
これを可能ならしめる場を齎すのは「#主体的対話的な深い学び」の態度。
これは教育実践研究家 #菊池省三さん の #授業観 の一つです。
習慣を変えるタイミングでリーダーに求められる能力は、すべての参加者の想いを含む「#ストライクゾーン」を合意する能力です。
参加者の一人から提案があり、それを起点として合意を形成するプロセス。ここをファシリテートする能力がリーダーに求められます。
個人の習慣は変えることが出来ても、組織の習慣を変えることが出来ないのは、この合意が上手く形成出来ないからです。
“文化的な反応が成功すると、感情による動機付けは低下するか解消する。このプロセスは、ホメオスタシスの変化の監視を必要とする。そのような単純な反応に代わって、様々な社会集団の長期にわたる相互作用に基づく複雑な過程を経て、知性による反応が採用され、それが文化体系へと取り込まれたり棄却されたりするようになった。”
(アントニオ・ダマシオ著, 高橋洋訳, 進化の意外な順序, P.40, 白楊社, 2019)
状況を上手く整理できないと思われた時にオススメしたい言い方があります。
「もっと、よく理解したいので〇〇について教えて頂けませんか?」
「よくわかっていないので〇〇について教えて頂けませんか?」
また、課題の原因を見つける時、課題の解決方法を合意する時、個人攻撃(例えば、相手の能力に言及したり)や感情に任せた発言(例えば、あなたには感謝が足りない、あなたは自分勝手)はやめて下さいね。
あくまでも認識の違いからくる意見の食い違いであるとの仮定を崩さないで話し合いを続けましょう。
私の認知では、組織の合意形成を上手く行うのも「思い込み」と「勇気」が重要な要因となっています。
もう一つ、人生を賭けたキャリアプランを持つと、今の組織の枠を超えた役割を自分に設定できます。
そうなれば、どんなことでもできそうだとは私には思えます。
あなたは必要な「勇気」を発揮して、無用な「思い込み」を持たない脳と心の扱い方を学ばれていますか?
#暗黙のフレーム
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