人財育成のモデル 観点4 Appendix Backgroundisation by T. S.
2014/04/06
皆さん、こんにちは。 「すべては自己効力感のために」 CoachのSHIMOMURA Takujiです。
「あなたの行動する目的が、あなたの独自のBackgroundを細分化し、その種類、相互関係、役割を決めます。」
プロローグ
今までの活動が、今のあなたを形成しています。
それはあなたの目的がそうさせています。
あなたが目的を意識していても、意識していなくても、今のあなたは、あなたの目的がそうさせています。
あなたが認識したモノを内面に取り込み、取り込んだモノを組合わせて目的を達成するための予測を立て、その予測を元にプレーをする。これを繰り返して来た結果が、今のあなたです。
Backgroundisation とは、狭義にはこのプロセスのうち個々の予測とプレーの前提を形成するまでのプロセスを指し、広義にはゴールを達成する瞬間までのプロセスを指します。
リマインド
私の人財育成のモデルの全体像、そこに含まれる5つの観点は既にお示ししました。
・人財育成のモデル
(詳しくは「人財育成のモデル」をご参照下さい。)
・観点1 仕事を成長の機会と捉えるマインドセットを涵養する。
(詳しくは「人財育成のモデル 観点1」をご参照下さい。)
・観点2 作業手順を見える化する能力を高める。
(詳しくは「人財育成のモデル 観点2」をご参照下さい。)
・観点3 作業効率を定量化する能力を高める。
(詳しくは「人財育成のモデル 観点3」をご参照下さい。)
・観点4 関係する要素を複合的に判断して決断する能力を高める。
(詳しくは「人財育成のモデル 観点4」をご参照下さい。)
・観点5 具体的な作業を実行する能力(正確・迅速)を高める。
(詳しくは「人財育成のモデル 観点5」をご参照下さい。)
そしてAppendix(捕捉の説明)も適宜追加しています。
・能力を高める
(詳しくは「能力を高める」をご参照下さい。)
今回は私の人財育成のモデルに出てくるBackgroundisation(Background化、認識の統合化)を補足します。
結論
Backgroundisationの概略は次の通りです。
・あなたのあり方を決めているものです。
・あなたの行動の目的から派生する予測とプレーのフレームワークです。
・そのフレームワークは目的を効果的に達成するために専門化します。
・専門化して「場」単位にBackgroundが細分化します。
・目的達成の効果度は各Backgroundの結び付け方により認識できます。
・専門化したBackgroundは、種類、相互関係、役割によって識別されます。
複合的な判断
Backgroundisationは「人財育成のモデル 観点4」に複合的な判断の場面であなたの内面に生じる現象として説明しました。
その内容を、少し、復習しましょう。
・複合的な判断とは「関係する要素を意思決定できるように組み合わせる」ことです。
・複合的な判断にはある目的があり、それには必ず行動が伴う。
・あなたの複合的な判断はその瞬間のBackgroundとその瞬間に認識する事実との照合によって行われる。
・あなたの意思決定の場面には、「向こうの向こうのBackground」、「向こうのBackground」、「手前のBackground」があり、これら3つのBackgroundは、あなたのBackgroundから派生します。
・Backgroundには連続性があります。意思決定した瞬間に「手前のBackground」は「向こうのBackground」になります。
・「向こうの向こうのBackground」、「向こうのBackground」、「手前のBackground」は、それぞれある範囲において有効なBackgroundです。
こうして見直すと、複合的な判断の場面におけるあなたのBackgroundは、あなたの判断基準になりそうです。つまり、「手前のBackground」を判断基準のみに出来れば、即断即決が可能になります。
探索的な活動では「判断基準作成期」にあたり、コンセプトレビュー(判断基準の正さを様々な状況にあてはめて頭の中で確認する作業)に時間を要することになりますが、検証的な活動では「判断基準運用期」にあたり、瞬間的なコンセプトレビューにより意思決定が可能になります。つまり、検証的な活動では、即断即決が可能になるはずです。
何を判断するのかによって派生させるBackgroundが決まります。
あなたが決断する際には、3種類のBackground、探索期と検証期、コンセプトレビューの範囲が常に要素として加わり、そこに判断根拠を加えて複合的に判断しています。
Backgroundisationのプロセス
次に、Backgoundisationの起点と終点を説明します。
1.あなたがある場を認識する。
例えば、学校に行く、入学式に出る、語学の授業を受ける、理系の授業を受ける、社会系の授業を受ける、心理系の授業を受ける、自律行動系の授業を受ける、クラブ活動をする、運動会に出る、学芸会に出る、卒業式に出る、会社に行く、新製品開発の仕事をする、販売品の品質を保証する、販売品の安全性を保証する、営業する、資金を調達する、組織を立ち上げる、組織を変更管理する、サッカーをする、試合で攻める、試合で守る、FW、MF、BK、GK、審判をする、コーチをする。
2.その場の当事者となる。
3.その場で役割を担う。
4.その場の原理原則(場そのものとあなたの役割)を理解する。
5.その場での自主課題を持つ。
6.その場で専門化する。
7.その場があなたの意識から無くなる。
ある場が「人生」であれば、説明なしのBackgroundです。
ある場が「学校」であれば、あなたが学校に期待する、あなたが学校で成し遂げたいことの場になります。
例えば、「人生について学ぶ場」、「知識技術を獲得する場」、「一生の仲間を見つける場」、「自分を理解する場」、「ヒトを理解する場」であれば、学校での活動を通じてあなたが得るBackgroundは、それぞれ「人生について学ぶBackground」、「知識技術を獲得するBackground」、「一生の仲間を見つけるBackground」、「自分を理解するBackground」、「ヒトを理解するBackground」になります。
あなたのBackgroundはあなたの行動の目的によって整理されます。
一旦、認識した場があなたの意識から無くなるまで、そのBackgroundはあなたの内面に生き続けます。
Backgroundのネットワーク
あなたの内面には様々なBackgroundが生じています。それぞれが切り離されて存在するのでしょうか。
私はネットワークを形成して存在していると思います。何故ならば、誰しも「過去の経験を活かす」ことを望んでいるからです。少なくとも私は様々なBackgroundが「人財育成とモノづくり」をコアにネットワークを形成しています。
判断は複合的に行われますが、そのプロセスはあなたのやり方で簡素化できます。あなたのやり方を磨いて行くために、Backgroundのネットワーク化は有効な手段です。
もし、あなたが学校や会社に複数の場を持っているならば、複数の場における経験があるBackgroundを形成することになるのかも知れません。この場合、「自分を理解するBackground」は学校と会社の両方の経験から形成されるのかも知れません。
例えば、あなたが「人生について学ぶBackground」、「知識技術を獲得するBackground」、「自分を理解するBackground」を持って会社で活動していたとします。
ここで言う「人生について学ぶBackground」は「他者への働きかけのBackground」でもあり、「自分を理解するBackground」は「課題解決に向けて意思決定するBackground」でもあります。
ある時、これまでの仕事のやり方では、競合他社との競争に負けるかもしれないと感じました。
その理由を鮮明にする活動を開始します。販売品の魅力、魅力を市場に認知してもらう力、価格、品質、製品ライフサイクルマネジメント。
そして、その理由を特定できたら、それへの対応方法を構築し、最終的には会社として対応することを提案することになるかもしれません。
まず、論理的な活動が求められます。
何故ならば、あなた一人で会社を運営していないから、何等かの対応が必要になった場合、その理由と対応方法を仲間に納得して頂く必要があるからです。論理的な活動をどう展開するか、それは「自分を理解するBackground」から意思決定が導き出されます。
課題を見つけてそれを明らかにする活動、そしてそれに対応する活動は、関係者が事象をどう捉えて、どう対応したいと考えるかを根拠事実に加えて予測とプレーを繰りかえす活動になります。
この活動は「人生について学ぶBackground」から意思決定が導き出されます。
また、対応するために必要な知識技術を特定します。この活動は「知識技術を獲得するBackground」から意思決定が導き出されます。
それぞれのBackgroundから課題の特定、原因の特定、対応方法が構築できたとします。
理念を共有している仲間の場合、あなたと同じように認識している、若しくは認識していなくても調整に入れば結論を導き出すことが容易でしょう。
理念を共有していない仲間の場合、あなたと同じように認識していることは偶然であり、調整に入っても結論を導き出すまでに時間を要することになるでしょう。
理念を共有していない、若しくは理念の共有度が低い仲間との活動の場合、「人生について学ぶBackground」、「知識技術を獲得するBackground」、「自分を理解するBackground」を結び付けるBackgroundとして、例えば「人財育成とモノづくり」等の各Backgroundに共通して含まれるモノを加えることをお勧めします。
人財育成は「なりたい自分になれそうな感覚を高め、自身を含めなりたい自分に近付くヒトを増やすこと」、モノづくりは「新しいモノを生み出す、これまでのモノをどこか違うモノに変えること」とします。
既存のBackgroundを結び付けて、各Backgroundに共通して含まれるモノが、あなたの中核的な価値感、理念と言えるかもしれません。
このフレームワークを用いることで、あなたはあなたの中核的な価値感、理念から論理的に仲間に説明するBackgroundが整います。
あなたの会社での活動の中心には「人財育成とモノづくりのBackground」があり、これを中継点として「人生について学ぶBackground」、「知識技術を獲得するBackground」、「自分を理解するBackground」が、各々他の2つのBackgroundを「向こうのBackground」として活用できます。
例えば、課題解決のためにあなたが論理的な活動を構築し、実施する場面を想定して下さい。
課題解決のための予測とプレーは「自分を理解するBackground」から導き出されます。
その際、「人財育成とモノづくり」の観点から「人生について学ぶBackground」にアクセスすると、あなたの自己効力感の高い人への接し方とそれが低い人への接し方が「自分を理解するBackground」に加えることになるのかもしれません。
更に、「人財育成とモノづくり」の観点から、「知識技術を獲得するBackground」にもアクセスすると、市場にどのようにして商品の魅力を伝えているのかよくわかっていない自分に気が付きます。この事実が「自分を理解するBackground」に加えることになるのかもしれません。
この例の場合、瞬間的な意思決定における「手前のBackground」は「人生について学ぶBackground」、「知識技術を獲得するBackground」、「自分を理解するBackground」と、これらを結び付ける「人財育成とモノづくりのBackground」とのネットワークにより構成されます。
事例 私の場合
私の事例を紹介させて頂きます。
私が行動する目的は「楽しい」に尽きます。
「楽しくない」ことを「楽しい」に変換するモノに「成長」マインドがあります。
例えば、やったことがないことをやることは「楽しくない」ことかもしれませんが、出来ることが増えるのは「楽しい」ことです。
無意識下に出来るようになるまで作業を極めたら、それを継続することは「楽しくない」ことかもしれませんが、それを誰かに教えて一人で出来るようになってもらうことは「楽しい」ことです。
どちらの結果も、きっと成長した姿なのでしょう。
次に私の「楽しい」と「成長」の経緯を振り返ります。
「楽しい」は次の順番でBackgroundが豊かになりました。
1.一人で楽しい
2.一緒に活動している人が楽しい
3.その活動を観ている人、知った人が楽しい
「成長」は次の順番でBackgroundが豊かになりました。
1.目の前のことが自分で出来る。
2.自分に出来たことを他の人に教えることができる。
3.自分がやっていることを観た人が、それを出来るようになる。
4.自分のやっていることを出来た人が、他の人に教えることが出来る。
私の多様なBackgroundを結び付けるモノは「楽しい」と「成長」です。
私が活動する場は「家族」、「地域社会」、「学校」、「会社」、「football」の切り口(1)と、「遊び」、「仕事」の切り口(2)、そして「人財育成」、「モノづくり」の切り口(3)があります。
切り口(1)から(2)に変遷して、最終的に(3)に行き着きました。今は(1)から(3)の全てが活動の場になっています。(1)でケースを蓄積し、(3)の観点から知識技術を体系化しています。(2)は現状のゆらぎを認識するための切り口になってます。
各Backgroundにおける価値観を考えてみました。
(1)-1 家族 愛
(1)-2 地域社会 安全確保
(1)-3 会社 安定稼働
(1)-4 football 躍動感
(2)-1 遊び 脱専門化
(2)-2 仕事 専門化
(3)-1 人財育成 成長
(3)-2 モノづくり something new(楽しい)
これらの価値観に「個人と組織」を加えます。
個人と組織のモデルについて、2009年から集中的に考察して来ました。5年目の仮決めの結論は、「新たな価値を生み出すのは個人、個人間の行動の衝突(コンフリクト)をコントロールするのが組織」です。
この個人と組織のモデルは私の「社会性のBackground」とも言えます。このモデルを実現化できたのは「会社」、「football」での経験が大きいと思います。
切り口(3)が(1)の各要素を結び付けるBackgroundになっています。切り口(2)は切り口(1)や(3)のあり方をレビューするためのBackgroundになっています。
自己との対話は、内面のBackground間のコミュニケーションを含むのかも知れませんね。
まとめます。
私は、日々、「楽しさ」と「成長」を目的として活動しています。そのBackgroundには3種類あります。それは、活動の場、活動の場を結び付けるモノ、全てのBackgroundのあり方をレビューするためのモノ です。
私は、この3種類のBackgroundを瞬時に組み合わせて意思決定をして、「楽しさ」と「成長」を追求しています。
将来に向けて行動している時の中核的価値観は「人財育成」、「モノづくり」であり、自分の行動を省察する時の中核的価値観は「遊び」、「仕事」です。
Backgroundisation とは
・あなたのあり方を決めているものです。
・あなたの行動の目的から派生する予測とプレーのフレームワークです。
・そのフレームワークは目的を効果的に達成するために専門化します。
・専門化して「場」単位にBackgroundが細分化します。
・目的達成の効果度は各Backgroundの結び付け方により認識できます。
・専門化したBackgroundは、種類、相互関係、役割によって識別されます。
今のあなたの行動の目的は何ですか?
その目的を効果的に達成するための中核的価値観、理念は何ですか?
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