意思決定と論理
「脳」はあなたの「今」に適した「論理」を創り上げ「行動」に繋がる「意思決定」を行います。
意思決定と論理との関係
今回のテーマは「意思決定と論理」です。
論理と意思決定とは密接に関係しています。
・意思決定のための筋道が論理。
・論理は意思決定を繰り返すことで出来上がる。
意思決定は未来の期待を最大化して行われる。
論理は過去の意思決定を整理して創る。
あなたの論理(思考)は意思決定により行動に変わる。
「脳」はあなたの「今」に適した「論理」を創り上げ「行動」に繋がる「意思決定」を行います。
意思決定は未来と今を繋ぐ瞬間にある。
論理は未来の期待を最大化するために創られる。
以上が「意思決定と論理」との関係の結論です。
事例「自宅から公園までの道順を憶える」
それでは、事例から入り、詳しく説明しますね。
あなたは、朝、目覚めてから何をしていますか。
・服を着替える。
・食事を摂る。
・散歩に出かける。
・ジョギングに出かける。
・犬の散歩に出かける。
・鳥の世話をする。
・祈る。
・窓を開ける。
そのうちのいくつかは、既に日課のようになっているのかも知れませんね。
私は、時々、近所の公園に自転車で出かけています。
そこで、地域の小学生が参加しているサッカーの自主練習をサポートするためです。
その公園までの住宅街の道は細い道。どのくらい細いのかと言いますと、前を行く自転車や歩行者を
抜かして前に出るのは難しいほどです。
そして、お店もなく同じような風景を見ながら標識がない道を自転車で行きます。
この道を憶えるのに苦労しました。何度も道を引き返しながら、遠回りしながら公園に通ったことも
ありました。
・毎日、通っていない。
・曲がり角の目印を特定できていない。
・住宅街の中では方向感覚が鈍くなってしまう。
こんなところが理由でしょうか。
私はなんとなく自宅から公園までの道のりを自転車で通っていました。
そして、風景を頼りに道を憶えようとしていたのです。
なんとなくそのうち道を憶えることが出来るだろうと思っていました。
その結果、本当に「そのうち」レベルの期間がかかってしまいました。
期限を決めないままとりあえず行動に入る。
これは反省すべきことかもしれません。
フレームの変更 期限を決める
それでは期限を決めて取り組むとしたらどうすれば良かったのでしょうか。
例えば、3日以内に迷わず公園に行けるようになるための行動を考えました。
まず、公園がどこにあるのかを知り、そして、道順を決める。
公園の場所を知る手掛かりは、
・地図を使う。
・スマホのナビ機能を使う。
・PCでweb上の地図を使う。
・知っているヒトに尋ねる。
等、いくつかの手段がありますね。
私が活用できるモノから手段を選択します。
・お金
・情報
・時間
・モノ(地図、スマホ、PC)
・ヒト
次に、道順を検討します。
・最短の距離。
・最短の時間。
・毎日、違う風景を楽しむ。
・安全。
・憶えやすい。
最後に、迷わず公園に行くことを習慣化する、つまり地図なしに公園に行けるようになる
までにはどうしたら良いでしょうか。
3日間続けて
・地図を持参する。
・公園まで車載カメラで動画を撮影しそれを使う。
・スマホのナビを使う。
を思いつきました。
次の観点からどれにするか検討しました。
・お金
・情報
・時間
・モノ(地図、スマホ、PC)
・ヒト
・持ち運びの手軽さ。
・道中の確認にしやすさ。
以上が、「自宅から公園までの道順を憶える」ための意思決定の材料になります。
戦略的代替案
この材料から「戦略的代替案」を作ります。
「効率重視」から「人生を楽しむ」まで幅広く両極の代替案と、その中間を含めて以下の3つ
作りました。
1.お金をかけてお手軽簡単 ハイテク使って公園まで一直線
これを機会にスマホを購入してスマホのナビを使う。スマホそのもので公園の場所、自宅の位置
関係が分かるので、距離が最短の道を、毎日、スマホを見ながら通う。
予算はスマホ購入代 5万円と月々の通信料5千円。
とにかくお金がかかる。
2.道順を憶えるだけではもったいない 今後の糧に動画撮影
今後の仕事にも生かせそうなので、公園までの道をipod Tochを使って動画で撮影。ipod Touchで
その動画を見ながら公園に通う。その道順は地図を購入して決める。地図は近所の散策に使える。
道順の動画撮影の経験を今後の仕事にも活かす予定。
予算は地図代1000円。
とにかく時間がかかる。
3.お金を賭けずに日常を楽しむ 紙と赤ペンの手作り地図を使い倒す
お金を使わず公園の往復を楽しめる日常を送る。既に所有しているPC、プリンター、赤ペンを
フル活用。
予算はインク代、紙代と低額。既に持っているモノで実施可能。
そして、
この3つの戦略的代替案から3番目を選択しました。
その最も大きな理由は、本件は予算をかけるほどのモノではないということです。
何かあらたな体験、次のステップに向けての意思決定の場合、予算をかけるか否かを考えるのですが、
本件はその対象ではありませんでした。
最もシンプル、そして日常を楽しめる要素を含んでいることも理由のひとつです。
行動計画
この意思決定に従った具体的な行動計画です。
1.公園の場所の確認
PCとプリンターを所有しているので「PCでweb上の地図を使う」ことにしました。
PCで自宅と公園の位置関係が分かりました。
2.道順の決定
公園への往復に「毎日、違う風景を楽しむ」ために「途中の公園の前を通り」、
そして、「憶えやすい」ように「曲がる回数が最小になる」道順を決めました。
3.道順の憶え方
紙にプリントアウトして、道順を地図に赤ペンで記入。
この地図があれば初日から迷わず公園に行けますね。
3日以内に地図なしに公園に行けるようになるまでは、毎回、地図を持参することに
しました。これを選択した最も大きな要因は、ただで使える持ち運びできる地図が既に
手元にあることです。
意思決定論(Decision Development)で説明する
それでは、
今回のケースを意思決定論(Decision Development)で説明したらどうなるのでしょうか。
・フレームの変更 なんとなく道を憶える → 3日以内に迷わず公園に行けるようになる。
・意思決定項目 公園の場所の確認手段、道順、憶え方
・戦略的代替案 以下の各意思決定項目の選択肢を繋ぎ合わせて作る。
公園の場所の確認手段 地図を買う~公園までの路地の曲がり角を順番に書いたメモを作る。
道順 地図に示された自宅から公園を結ぶ道の全て
憶え方 地図を持参する~スマホのナビを使う
・価値判断基準
公園の場所の確認手段 お金~ヒト。
道順 最短の距離~憶えやすい。
憶え方 お金~道中の確認にしやすさ。
フレーム(思考の枠組み)は、「期限を決めないまま取り敢えず行動に入る」から「期限を
決めて行動を開始する」に目的のレベルで変更されています。
戦略的代替案は、目的を達成するための手段として幅広く列挙されています。
価値判断基準は、一見多様に見えますが、お金、情報、時間、モノ、ヒト、安全、手軽さ、労力、
楽しみ、次のステップに繋がるに分類されます。
仮に道順を憶える前に、スマホを購入し、スマホを使って公園を往復したとします。
この場合、「赤ペンで道順を記入した地図」を作成するために費やした時間、費用(PC・プリン
ターの電気代、赤ペンのインク、コピー用紙)に対する評価が分かれます。
・サンクコスト(埋没費用、その後活かされることのない投資)
・意味ある投資。スマホを購入するまでは迷わず公園に行けた、地図上で道順を決めるという行為
により近所の様子を詳しく知ることができた。
この評価の違いは、あなたが大金を使う仕事における意思決定において大いに悩むポイントとなるで
しょう。
そして、私は「自宅から公園までの道順を憶える」ことに価値を追加しました。
道順を決めた価値判断基準を再掲します。
”公園への往復に「毎日、違う風景を楽しむ」ために「途中の公園の前を通り」、
そして、「憶えやすい」ように「曲がる回数が最小になる」道順を決めました。”
公園までの往復で季節の変化を感じる。これは、私の感性を磨く、新鮮な状態にしておくために
必要だと感じました。
また、いつまでも地図を頼りに公園に行くのは時間の面でも、途中の風景を楽しむ面でも、安全性
の面でも好ましくありません。早く道順を憶えて、その道中を安全に楽しむ。
この2点が付加価値です。
あなたがいつも同じ仕事に面白みを感じることができていないのでしたら、是非、その仕事に
あなたご自身の価値を付加することを考えてみて下さい。
面白みを感じていない仕事に徐々に面白みが出てくるかもしれません。
これが、
「脳」が私の「今」に適した「論理」を創り上げ「行動」に繋がる「意思決定」を行った過程です。
私の意思決定のプロセス 抽象的な説明
この意思決定のプロセスをまとめます。
これはあくまでも私の事例としてお考えください。
私は目的に対する投資とそのリターンを鑑みて意思決定します。
大きな投資は成長のためにあります。
それ以外の投資は最小にします。
投資に対して最大の効果を得ることが次の意思決定のポイントになります。
つまり、これからの行動が私の成長にどう繋がるか、この投資で最大の効果を得るために私は何を
成すべきかを決めるのが私の意思決定です。
私独自の論理は「成長」と「最大の効果を得る道筋」を予測するためにあります。
如何にして成長すべきか、この投資で最大効果を得るためにはどういう順番でどんな技術を使って
進めていけばよいか、この2点に焦点をあてて意思決定を繰り返すことで出来上がりました。
今の私の論理は、未来に向かう意思決定の経緯を後から過去に振り返って整理した結果です。
地図が見つからなければ
如何でしたでしょうか。
今回の事例「自宅から公園までの道順を憶える」はどなたでも分かりやすくお伝えするために設定
しました。
地図さえ見つかれば、ここまで分解して考えることは必要ないでしょう。
しかし、地図が見つからない場合はどうですか。
あなたが取り組んでいる仕事は地図がないゴールを目指す歩みに例えることができます。
もし、あなたが今取り組んでいらっしゃる課題に壁を感じていらっしゃるのなら、是非、この事例に
当てはめて考えて見て下さい。
塊では観えなかったものが、分解すると観えることがあります。
また、価値判断基準はあなたの意思決定を振り返ることで、整理されある程度のグループに集約
されてくるかもしれません。
そうなると、筋道の通った論理と未来の期待を最大化する意思決定に更に磨きがかかってきます。
更にお知りになりたいこと、ご不明な点がありましたら、こちらまでご連絡を下さい。
info@manmodelmarketing.com
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