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チームの連動の意識を高める  4.コミュニケーション。

      2014/08/11


チームの連動の意識を高める  4.コミュニケーション。「あなたは言葉で変わる。」

意思決定スタイリストの SHIMOMURA Takuji です。

試合中、選手は無意識のレベルでもコミュニケーションしている。

プロローグ 連動

4回シリーズのメルマガ「チームの連動の意識を高める。」

その構成は次の通りです。

1.周りを観る。

2.ボールの軌跡を予測する。

3.ボールを抑える。

4.コミュニケーション。

1.周りを観る の Essence は「顔を上げる、首を振る。」

2.ボールの軌跡を予測する の Essence は「予測の要求レベルが情報収集の要求
レベルを決める。情報収集の質が予測の質を決める。」

3.ボールを抑えるの Essence は「ボールを奪った後の初動が、ゴールまでの流れの
質を決める」でした。

時間差なく、チームでイメージを共有する。それを可能にするコミュニケーションを
考えて見ましょう。

4.コミュニケーション。

GAPの発生

あなたは常に「違和感」を持っていませんか。

今の自分を基準にして、過去からの流れ、未来からの流れ。
周囲のヒトとの関係性。
自分が今、取り組んでいるテーマに対して。

それは、あなたが完璧なヒトではないからです。
もちろん、この世界、あなたや私が認識できる世界には、完璧なヒトは居ないのです。

サッカーで使われる「審判を含めてサッカーだ」という言葉。

これは、審判もミスをするということ。
この言葉を聞いた時、審判のミスを受け入れることができなければ、選手として試合
を楽しむことはできないことを私は自覚しました。

サッカーの試合では、ボールが動くと必ずGAPが発生します。
試合中にGAPを認識すると、直ぐに身体が動いてました。

声を出すか、自らがポジションを変えるか。

周りの選手を鼓舞するタイミング。
これもGAPの認識と一致します。

ボールが動いたら、必ず最適なポジションは変わるはずだ。
例え、キーパーでも数cm単位でも変わるはずだ。

こんな主旨のことを中学校の体育の先生から教えて頂きました。

ポジションの変更は自チームのみならず相手チームともコミュニケーションを取る
からできること。
選手は自分の能力、他の選手の能力を判断した上で、ゴールを奪う確率、ゴールを
守った上でボールを奪う確率が最高になるようにプレーします。
ポジショニングはプレーを効率化します。

試合中のポジショニングは物理的空間のみならず、情報空間においても流動的です。

1.ボールが動けば戦況は変わる。
2.プレーには選手の気持ちが表れる。
3.選手のプレーがボールの軌跡を決める。
4.1 に戻る。

目に見えない心理戦は情報空間でのポジショニングになります。

次の瞬間のプレーの選択肢が多ければ心に余裕ができますが、選択肢がひとつしか
なければ余裕は無くなります。

選択肢がひとつでも、そのプレーの質が高ければ余裕ができますが、低ければ余裕
は無くなります。

選手の能力を高めることが、試合での心理戦において有利なポジショニングに繋がり
ます。

1対1に勝つ前提は、相手に勝てるとの想いです。

ダイアローグ

他者との対話。
相手選手との駆け引きと味方選手との連動。
そして、ボールとの対話。

ここで重要なのは距離感と姿勢。
視野はほぼ、この二つの要素で決まります。
そして、五感の感度。察知力。

感度と視野に影響を及ぼすのが足元の技術です。
ボールコントロールに係る心理的、肉体的な負荷は、情報収集に使う感度を下げ、
視野を狭めます。

いつものようにボールをコントロールできているのか。
密集を抜けるのか避けるのか。
目の前の相手をドリブルで抜くのか、味方にパスするのか。キープに入るのか。
味方へのパスは前方か、横か、後ろか。
ヘディングで競り合う場所はどこか。飛び上がるタイミングは早目か遅目か。
ゴールの予感はするか。
シュートを打つ場所とタイミングは。
ゴールの何処に打つのか。キーパーの何処を抜くのか。

モノローグ

自己との対話。
意識と体力の限界との勝負。

Ball watcher。

ボールの動きに反応できていない状態を示します。

拮抗した試合では、一瞬で勝負が決まります。
否、一方的に攻めている試合でも一瞬で負けてしまうことがあります。

一瞬で勝負が決まった場面に Ball watcher がしばしば登場します。
得点シーンでもしばしば登場します。

自分に限界を設定するのか、しないのか。
モノローグの起点はここにあります。

あなたの行動はあなたの脳に支配されています。
自分には限界があると思えば、あなたは自身の行動に限界を設定します。
自分には限界がないと思えば、あなたの行動には限界はありません。

後者を選択すれば、あなたは体力が続く限り Ball watcher になること
はないでしょう。
また、その体力は前者を選択した状態のそれとはレベルが違います。

相互理解という観点からは、後者を選択したヒトは前者を選択したヒトを
理解できますが、前者を選択したヒトが後者を選択したヒトを理解するこ
とは困難を極めます。

明らかに前者の脳にとって、後者の脳は現状の外にあるからです。

苦痛を避け、快楽を求める

ダイアローグとモノローグを繰り返した選手はどうなって行くのでしょうか。

苦痛を避けることを選択する選手。

サッカーを続ける上で、何が苦痛になるのでしょうか。

サッカーが楽しくなくなる。

私にも経験があります。体力が無くなった時期です。
試合中、自由にプレーできなくなり、しんどいばかりで全然楽しくない。

そんな中での私の意思決定は「体力を取り戻す」でした。

その手段として、
エスカレーター、エレベーターは使わない、
週に2,3回ジムに通う
を選択しました。

その結果、自由なプレー感と共に、サッカーの楽しさを取り戻しました。

私の「苦痛を避け、快楽を求めた」実例です。

体力の限界を理由に現役を引退する選手のコメントに「イメージした通りに
プレーできないから」というのがありました。

ヒトはその役割で Peak Performance を維持できない、亢進できないと
思った時に苦痛を感じるのかも知れません。

それを避ける行動とは、Performanceを上げる、役割を変わるか、所属先を
変えて同じ役割を担うかのどれかになるのではないでしょうか。

Peak Performanceはチーム内のメンバーとの関係性、連動によって変わる
ことがあるので、所属先を変えれば、Peak Performanceを再び亢進させる
ことは可能です。

快楽を求めることを選択する選手。

サッカーを楽しむ。

試合中にボールを自由自在に操る。
試合中に自分の究極のプレーをする。
試合中にやりたいプレーをやりきる。

試合でハットトリックを決める。
試合でロングシュートを決める。
試合でキーパーの前に飛び込んでシュートを決める。
試合でキーパーの股間を抜いてシュートを決める。
試合で5人抜いてシュートを決める。
試合でスルーパスを決める。

試合を無失点で終える。
試合でシュートを打たせない。
試合で相手のシュートを全て身体の正面でキャッチする。
試合で相手チームのキープレーヤーに仕事をさせない。

試合でボールを保持した相手選手を前に向かせない。
試合で相手より先にボールに触る。
試合で Ball watcher にならない。
試合で1対1に負けない。

この状況を実現することが選手の快楽になるのでしょう。

私も同じ想いでした。

この想いを体現するために練習中も集中を切らさず、技術の向上を意識
しました。

更に、チーム全体の意識が低下しないように、練習中も試合中も声を
掛けました。

そこでは want to と have to が渾然一体。

今年、棋士の大野八一雄七段からお話を聞く機会がありました。
「将棋が好きな相手には敵わない。」

ご参考:大野七段のブログは こちら 。

サッカーでも、仕事でもこの言葉は当てはまるのではないでしょうか。

あなたも好きなモノに取り組めば、誰にも負けない優位性を築くことができる
のでしょう。

あなたご自身の在り方が好きになれば、どんな困難も乗り越えられる感覚が身につく
でしょう。

在り方を好きになることが自己愛です。

自己愛がエフィカシー(Self-efficacy 自己効力感 ゴール達成に対する自己の
能力評価 なりたい自分になれそうな感覚)
の起点になります。

自分を好きになる在り方をイメージしましょう。

ダイアローグとモノローグを繰り返した選手はどうなって行くのでしょうか。

サッカーを続けている限り、自己愛が強くなり、エフィカシーが高まります。

その仕組みが FIFA を頂点とする Football system に組み込まれています。

ただし、Performanceを上げ続ける過程で、チーム内の役割の変更、所属先の
変更を選択する時期が必ずやって来ます。

あなたのPerformanceは周囲との関係性で限界が生じます。
それをコントロールするのはコミュニケーション。

あなたの目的を持った情報発信に係っているのです。
目的を持った情報発信は、あなたの世界観を相手にイメージさせます。

あなたの理念を言葉にする。

それが、人生を賭けた Performance 向上の起点です。

ゴールありき

あなたの目的を持った情報発信は、あなたを何処に連れて行くのでしょうか。

「なりたい自分になれそうな感覚。」

これはエフィカシーを説明した言葉です。

あなたのこの感覚が強くなって行く状況を想像してみてください。

どんなご自身を想像できますか。

エピローグ

選手は「ゴールまでの流れ、そしてポジショニング」を意識しながら、「まず、
ボール。そしてスペース、最後にゴール」の流れに従いプレーします。

これを効果的に実行することそのものがコミュニケーション。

試合中、選手は無意識のレベルでもコミュニケーションしている。

視線を足元に落としながら周囲の状況を間接視野や五感によって情報収集。

ボールが出るタイミングを見計らって、左右前後にマークをはずす小刻みな動き。

味方の10歩先にパスを出すと同時に、受け手が「5歩でトップスピード」のダッシュ
で相手を振り切る動き出し。

両チームの選手が競り合って、どちらにボールが出るのか分からない「空」の
状態、思わず動きの止まる Ball watcher の状態。

無意識のうちにプレーが同調する一体感。

相手のマークがボール一つ分ずれた瞬間に膝下を鋭く振りぬきボールのスイート
を打ち抜く感触。

無意識のコミュニケーションの向上が、予測とプレーの質、精度を高めます。

これは試合が始まる前からも、試合中、そして試合が終わってからも選手が、ある
イメージを思い浮かべ、味方選手とコミュニケーションを繰り返すことで向上して
行きます。

私は今回の記事をまとめながら気付いたことです。

「イメージを言葉にする」、「イメージを伝える」、「イメージを共有する」、
「イメージ通りにプレーする。チームで。」

この流れを繰り返すことはサッカーに限らず、あらゆる場に適用できる無意識の
コミュニケーションのレベルを向上させるトレーニングになる。

良いコミュニケーションの取れるチームの条件とは次の4つ。

・共通目的が明確である。

・メンバー全員が共通目的達成に向けての貢献意欲がある。

・メンバー間にお互いの違いを尊重する意識と行動がある。

・考え方や認識の違いを全て共通目的の達成にとってプラスにしていく。

仕事においても共有するイメージの臨場感が高ければ、無意識のコミュニケーション
が楽になることは多くの方と共有できる体験ではないでしょうか。

あなたはどんなイメージを言葉にする機会が多いですか?

<この記事の理解を深めたい方に>

・この記事のテーマから観た、サッカーの本質と全体像は こちら

・趣味の経験を仕事に活かすエッセンスは こちら

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「あなたは言葉で変わる。」
「あなたは何によって憶えられたいですか。」
この問いに答えるための思考のエッセンス、
 「意思決定スタイリストのメルマガ」 は こちら

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