学習の記録 デジタルの皇帝たち(2024)
2024/11/10
2024年11月9日記録開始
ヴィルレードンヴィルタ著, 濱浦奈緒子訳, デジタルの皇帝たち, みすず書房(2024)
はじめに=Background
たまたま、図書館で展示図書を眺めていた時に見つけた書籍。
「序論」に目を通して通読することに決めた。
私の事業は人類を「自由は獲得する文化」から「生まれながらに自由な文化」へ回帰させる。
お金を使ってお金が不要な次世代の社会システムを創る生産性を高める。
ジャーナリストへの期待(2024)はその生産性を高めるために世界に向けて情報発信した。
製造業はすべて知識集約型になる。
これは、私が塩野義製薬で仕事をしている時に気づいた未来です。
「序論」にはアマゾンは小規模事業者が登録した製品が売れてくると、それに似た商品を開発して安く売り出す。最初は安価な条件でシステムを利用させて、段階的に高価にする。その時にはサンクコストを手放せない状態になっている。とあった。
このアマゾンの手法はマーケティングにおける「囲い込み」に似ている。アマゾンのような企業の売り上げが伸びるということは、貧富の差が拡大する、同じようなビジネスモデルが別の業界にも出現する。これは、社会が不安定になる流れを加速することになる。
アマゾンがこのビジネスモデルを実現できている背景には工業化と情報化がある。
つまり、アマゾンのビジネスモデルを地域行政が行えば、その地域では地域住民のアイデアを広く地域全体に行き渡らせて、そのアイデアを出してくれたヒトが地域に感謝される文化を涵養できる。
#三原発グローバル産業 では、この地域ビジネスモデルを体現する。三原市民が三原の地域通貨やっさを使って経済活動ができるプラットフォームを社会実装する。三原市民が4班に分かれて、週4日、1日4時間の協働作業を日常にすることで、三原市民の食糧とエネルギーを三原市で自給自足する。そして、三原で生まれ育ったヒトが事業を始められる三原になる。そのために、学校は午前中だけ、午後からは地域活動。先生も副業可能とする。勿論、先生も週4日、1日4時間勤務。1クラス、教師免許の取得者1名を含む合計10名の先生(地域の大人)が担当。つまり、生徒は4つの先生グループから日常的に学ぶ。学校では、生徒が夢中になれる何かを見つけることを優先する。それを見つけたらとことんそれを極める学習を先生が支援する。研究開発対象が見つかるまでの生徒は、先生がトレーニングメニューを作る。研究開発対象が見つかった生徒は、午前中の学習カリキュラムを自分で作成して公開する。生徒の成果発表会を月1回実施する。発表会の目的は生徒同士の協働作業を促すため。お互いの研究開発の重なる部分は協働作業を行う。日常生活で使う商品はほぼ揃った社会になっている。デザインを変更したり、使い勝手を良くした製品を開発し、それをオンデマンドで生産する仕組みを三原市に実装する。勿論、品質保証も組み込む。
成果=Output
本著の記述は「 」、私のコメントは” “、何も付さない記録は本文の要約。
第1章 序論
P.1〜P.15
デジタルプラットフォームで市場を創り、運用すると市場の管理者が運用を支配することになる。まるで、デジタルプラットフォームが国家のようになる。
図1 デジタルマーケットプレイスにおける調停のモデル
図1は需要側が仕入れ品が期待通りでなかったため供給側に支払いをしない事例を取り上げている。デジタルマーケットプレイスの調停担当者は相互の折衝を仲介して、最終的に案件を処理するための4つの枠組みが示されている。
紛争の処理件数はデジタルマーケットプレイスの方が国家よりも多い。
1年間の紛争件数
イーベイ(デジタルマーケットプレイス) 6000万件以上
イギリス 400万件
中国 1100万件
アメリカ 9000万件
プラットフォーム企業が処理する紛争の合計は、世界中の公的機関が扱う紛争数よりお多いだろう(予測)。
“紛争数を単純に比較はできない。リアルな市場では紛争が起きてもその場で当事者が解決している事例も数多くある。バーチャルな市場では当事者が共有できる現場がないので自動的にプラットフォーム企業が仲裁することになる。”
2020 アマゾン 推計4900億ドルの商品がマーケットプレイスを通過。これはほとんどの国のGDPを上回る。アマゾンが手にした手数料は750億ドル近く。ほとんどの政府の税収を上回る。これは主要なテック企業のCEOがほとんどの国の国家元首よりも大きな力を持っていることを示す。
ビッグテックの仮想「国家」が全てうまくいっているわけではない。企業のリーダーは巨大な権力を相応レベルの説明責任を負うことなく享受している。その権力を濫用している。アマゾンの経営陣はベストセラー商品を特定し、模倣した商品を製造して、オリジナル製品ではなく模倣品を消費者が購買するように仕向けた。商品リストに載っているアマゾンの顧客の商品の模倣品をアマゾンが製造して販売する。
インターネットは強大な組織から我々を自由にすることが期待されていた。「私たちはサイバースペースに思考の文明を創出するのだ、政府がこれまでに作ってきた世界よりも、より人間味があり公正な文明を」彼らがもたらしたのは政府によく似ているが、私たちに投票機会がない世界。
“サイバースペースは「自由は獲得する文化」の手段になっている。人類本来の「生まれながらに自由な文化」に回帰するには、食糧とエネルギーの自給自足が伴う必要がある。お金の力でサイバースペースをお金でお金を増やしやすい手段にしたヒトがいる。国家財政を超える規模の私有財産を持つヒトに共同体を搾取の対象にしていないことを証明してもらう。「あなたが持っているみんなのお金を何に使うつもりですか?」搾取の対象にしているのであれば、そのヒトの行為は反人類と見做される。サイバースペースを使って反人類と見做される活動を特定し、それを世界中のヒトと共有すれば、人類本来の文化に回帰して行く。”
3000年の歴史が30年に
各章で象徴的なプラットフォームについて語る。
同時に1980年代の分散型サイバー市場から今日(2024年)のアメリカのメガプラットフォームまでのeコマースの制度構造の進展を追う。
本書における制度は、法律や規則、伝統、社会規範、「ゲームのルール」など、社会において人々の交流を体系化するものを指す。
デジタルプラットフォームの前は市場に関する紛争は裁判所が担当。しかし、その後になると紛争解決センターを通してデジタルマーケットプレイスがそれを執行している。
第1部は経済制度に焦点を当てる。誰が利益を享受し、誰が負担を強いられるのか。
第2章は巨大プラットフォーム企業が現れるまでの市場を検証。ジョバーロウ「デジタルマーケットは単なる互恵主義」小さなコミュニテイでは機能したが電子コミュニティが新興都市に成長すると崩壊。
第3章は評判の検証。「人は良い判断があれば誠実であり続ける」という古い考え方。評判だけで秩序を維持するには、根本的な原因があった。イーベイは公的に規制する中央集権体制に変貌した。
第4章は交換の基盤、身分証明の役割に焦点を当てる。オンライン麻薬市場の構築には揺らぐことのないある種の身分証明が必要。
第5章は国境がテーマ。国境のない労働市場をアップワークというプラットフォームで構築した。経済危機からこのプラットフォームを守るため、プラットフォームの周辺に仮想国境を築かざるを得なかった。
第6章はプラットフォームの設計者が自由市場の創成から中央計画経済の統制へどのように移行したかを示す。監視や情報伝達の仕組みでソ連ではなしえなかった計画経済が可能に。しかし、その人道上の課題の根本的疑念は解決できなかった。
e-コマースは親しい知人間取引から、正規の取引へ。さらに、組織だった当局が保護する機械的なマーケットプレイスに変貌し取引が何倍も増加。市場への参入管理、参加者の行動を絶えず記録、紛争解決の裁判官を雇い、必要に応じてルールを強制執行。ただし、当局は国家ではなく企業。
「プラットフォーム企業は単に強大だから、国のごとく威厳があるように見えているのではない。重要ないくつかの点で、国のような振る舞いをしているからこそ、強大なのだ。」
“動画スライブによると経済ー金融ー政治システムのピラミッドにおいてグローバル企業は国家の上位にある。その上に金融がある。1717年以前から活動している #悪魔崇拝者 の牛耳る #死の血盟団 が(通貨発行権. 株式市場)を手段にして、世界統一政府による支配体制を創ってきた。工業化と情報化を極一部が圧倒的多数を支配する目的で誤用していることを、圧倒的多数側が知ることとなっている。#Paris2024 で世界中の民が目撃した #マリーアントワネットの斬首シーン はオープニングであった事実を悪魔崇拝者は忘れないで欲しい。そして、自らが脱がんを果たして欲しい。”
古代からある問題
「私たちの経済活動がオンラインに移ると、テック企業はルールを設定し、詐欺やサイバー犯罪から私たちを保護する新たな中央権力となった。」
企業のリーダーは聖人ではなく、自らの地位を利用してルールを曲げ、自身や仲間が有利になるように臣民たちを食い物にした。
第Ⅱ部 政治的制度 プラットフォーム経済の中のヒトが誰が見張りを見張るのかに対応してきた経緯を検証する。
経済的制度がマーケットプレイスのゲームルールだとすると、政治的制度はルールそのものを変更するメカニズム。プラットフォーム経済の君主たちに対して実際になされた反乱を取り上げる。
第7章 アマゾンのジェフベゾス。無数の独立した事業者のためのプラットフォームを法外な手数料を搾り取り儲かるビジネスを盗むようになった経緯。ベゾスの権力の濫用を完全には抑えきれなかった。
第8章 ブロックチェーン技術。権力の濫用を機械で回避する試み。行政は自動化したが立法は自動化しなかった。
第9章 出来高払いのデジタル労働プラットフォームのルール策定に労働者の発言権を求めた。目的は悲惨な労働条件の改善。
第10章 集団行為によりプラットフォームのルールを変更した事例。アップルストアに依存する小規模事業者の破綻を未然に防ぐため果実を小規模事業者も享受できるようにした。
「集合的意思決定のための政治的制度がプラットフォーム経済では欠如しているために、ユーザーは君主の言いなりとなって身動きが取れなくなる・・・生計のためにプラットフォームに依存する人々や会社は、過去に独裁政治を転覆させたツールを再発見しだした。それは、資源であり、同盟であり、組織化だった。」
“過度の私有は社会を不安定にする。プラットフォーム企業は過度の私有が共同体からの搾取になりかねない。多くの国民が利用する事業は私企業から公共化する道筋が必要。独占禁止法の領域。国家反逆罪の領域。”
祖先からのインスピレーション
P. 12 から
終わりに=Outcome
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